データベース統合の最適解はサーバ仮想化じゃない! その問題点と、オラクルが勧めるベスト・アプローチ

効率的なデータベース統合を実現するマルチテナント・アーキテクチャ

 可用性に関しては、前述したOracle RACや、ストレージ仮想化技術である「Oracle Automatic Storage Management(ASM)」を利用できる。

 このうち、Oracle RACは複数台のサーバを使ってデータベース・システムを構成することで、いずれかのサーバに障害が発生した場合でも、残りのサーバによる継続処理を可能にする技術だ。一方のOracle ASMは、複数のストレージを仮想的に統合することで容量や性能のスケールアウトを可能にし、さらにデータベースの可用性を高める機能も備える。可用性の面で考えた場合、Oracle RACやOracle ASMを使えるメリットは大きい。

 さらに特筆すべきが、最新のOracle Database 12cで導入された「マルチテナント・アーキテクチャ」である。これは1つのデータベース・インスタンスに複数のデータベースを統合するための仕組みであり、具体的には「コンテナ・データベース」と呼ばれる物理レイヤ上で、複数の仮想的なデータベース(プラガブル・データベース。PDB)を動作させる。このマルチテナント・アーキテクチャは、可用性のみならず運用管理性の面でも大きな効果をもたらす。

 「個々のPDBは独立しており、高い可用性が必要なシステムではOracle RACと組み合わせて使うことが可能です。サーバ仮想化やスキーマを使ったデータベース統合のような手間をかけずに高い集約率を実現できることも利点となります。パッチの適用やアップグレード、バックアップ作業はコンテナ・データベースに対して行えばよいため、運用管理の負担を大幅に軽減できることも大きな魅力でしょう」(山本氏)

 このほか、仮想化のレベルをハードウェアのレイヤからデータベースのレイヤへと引き上げることで、個々のデータベースごとにOSを用意するといった無駄を省き、CPUやメモリなどのリソースを有効利用できることも大きなポイントとなる。

Oracle Enterprise Manager 12cにより、データベース統合からDatabase as a Serviceまで、統合データベース環境のライフサイクルを一元管理

 加えて、オラクルが提供するこれらのソリューションは、すべてシステム統合管理環境「Oracle Enterprise Manager 12c」によって一元的に管理することが可能だ。これにより、統合データベース環境の運用管理の簡素化も実現できる。例えば、Oracle Database 12cのマルチテナント・アーキテクチャによって複数のデータベースを1つのコンテナ・データベース上に統合したうえで、それらをまとめてOracle Enterprise Manager 12cで監視/管理するといった環境を作れるのだ。

 また、統合データベース環境をプライベート・クラウドやDatabase as a Serviceとして運用し、社内におけるデータベースの運用計画策定から個別データベースのデプロイや運用管理、テストやチューニング、さらには各部門によるセルフサービス利用など、データベースのライフサイクル管理を一元的に行うことも可能となっている。

多くの国内企業がデータベース統合基盤として活用。バッチやOLTP処理の高速化など多様なメリットを享受

 以上のような特徴を備えるOracle ExadataやOracle Database Applianceを活用し、すでに多くの国内企業がデータベース統合の取り組みを進めている。

 その1社であるライオンは、データベースの集約やパフォーマンス向上を目的としてOracle Exadataを導入。基幹系システムなどで稼働していたメインフレームやSAP、Teradataのデータベースをクォーターラック構成のOracle Exadata 1台に集約した。これは極めて高いパフォーマンスを備えるOracle Exadataの特性を生かしたデータベース統合事例だと言える。

 また、パナソニック インフォメーションシステムズは22台のデータベースをOracle Exadataに集約、東京海上日動システムズでは17台のデータベース/ストレージ・サーバをOracle Exadataに統合している。

 一方、朋和産業京阪百貨店デジジャパン小泉成器東栄住宅は、Oracle Database Applianceを利用して、社内に散在していたデータベースの統合を推進。コスト削減やパフォーマンス向上、運用管理性の向上などを果たした。

 なお、これらの事例で特筆すべきは、単にデータベースを集約しただけでなく、バッチ処理やオンライン処理の短縮も実現している点である。

 繰り返すが、そもそもサーバ仮想化による統合は、ハードウェアのコスト削減を主な目的とするものだ。これをデータベース統合に利用することでパフォーマンス劣化や可用性の低下、運用管理の複雑化が生じては元も子もない。また、これらを防ぐための追加投資でコスト・メリットが帳消しになる恐れもある。

 Oracle ExadataやOracle Database Applianceのようなデータベース専用に設計されたシステム基盤が登場した今日、これらを活用することで、高い集約率と可用性を実現しつつパフォーマンスを高め、さらにコスト最適化も図ることが可能となっている。これこそが、オラクルがすべての企業にお勧めするデータベース統合の最適解なのである。

セミナー情報

<東京>5/9(金)
会場:オラクル青山センター

※こちらのイベントは終了いたしました

<名古屋>5/15(木)
会場:日本オラクル中部支社

※こちらのイベントは終了いたしました

<大阪>5/16(金)
会場:日本オラクル西日本支社

※こちらのイベントは終了いたしました

提供:日本オラクル株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2014年4月30日
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