パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社
インフラソリューション本部 プラットフォームサービス事業部 事業部長
横須賀 武士氏
パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社
インフラソリューション本部 プラットフォームサービス事業部
インフラ標準サービス部 DB基盤チーム チームリーダー
辻本 貴士氏
「PX」の一環でIT変革をグループ全社で推進
パナソニックグループは2021年から、事業の競争力強化に向けて働き方・ビジネスのやり方を含めて変革し、経営のスピードアップを目指す「Panasonic Transformation(PX)」をグループ全体で推進しており、現在「IT」「オペレーション・モデル」「カルチャー」という三位一体の改革を進めている。
その中で、パナソニックグループにおけるビジネスと経営をITで支え、PXを推進しているのがパナソニックISだ。同社 インフラソリューション本部 プラットフォームサービス事業部 事業部長 横須賀武士氏は自社の取り組みについて、「PXをドライブさせるために必要なITインフラの変革に取り組むことが我々の役割です。アプリケーション開発のモダナイズも意識したうえで、提案型で新しいサービスやテクノロジーの採用を進めています」と語る。
「IT」「オペレーション・モデル」「カルチャー」の3つを軸に改革に取り組む
Oracle Exadata上で運用する重要DBを順次クラウドへ
パナソニックISはグループ内での「ITの変革」を進めるにあたり、「レガシーアプリケーションのモダナイゼーション」「データドリブン基盤の構築」「SCM(サプライチェーンマネジメント)の最適化」と併せて、インフラ領域で「PXベストハイブリッドプラットフォーム」として、パブリッククラウドを適材適所で最大限活用する取り組みを進めている。その方針の中で同社は、重要な基幹システムを構成する統合データベース基盤のクラウド移行先にOCIを選択した。
パナソニックグループでは、2011年からオンプレミス環境のOracle Exadataを導入してきた。主要8システムをOracle Exadataで統合稼働させて以降、運用の効率化を図りながら適宜データベースをOracle Exadata上に統合してきた実績を持つ。現在は17台で、2,000以上のデータベースをマルチテナント・アーキテクチャで集約し、31,000以上のアプリケーション・スキーマを運用している。Oracle Exadataの運用保守、BCP対策、チューニング、バージョンアップなどの実務を通じ、オンプレ環境での知見を蓄えてきたパナソニックIS。クラウドの普及に伴い、2020年からOracle Databaseをクラウド環境で動かすための検証を新たに開始した。
クラウド移行の検討を開始した経緯について、ITインフラ部門を統括する横須賀氏は、「PXの中でも積極的なクラウド活用が掲げられていますが、以前から、サービスレベルを維持しつつビジネスの変革速度への対応も追求しながらグループのIT基盤を運用していくには、今まで通りのシステム作りや運用方法では難しいと感じていました」と振り返る。
またデータベース基盤の構築・運用管理を担当する、パナソニックIS インフラソリューション本部 プラットフォームサービス事業部 インフラ標準サービス部 DB基盤チーム チームリーダーの辻本貴士氏は、「当時はオンプレミスでクラウドよりも低コストでデータベース基盤を提供しているという自信もありましたが、アジリティやスケーラビリティを考慮し、Oracle Databaseを稼働させられるクラウドDB基盤の検証を始めました」と当時の心境を明かす。