企業ITの運用管理に コンシューマーITの使いやすさとアジリティを

 IT運用管理のソリューションには、スマートフォンのように"フリクションレス(摩擦のない)"な環境を実現することが強く求められている──。そう訴えるのは、米国レッドハットのエリック・モリス(Erich Morisse)氏だ。同氏は、レッドハットの運用管理ソリューションの戦略担当ディレクター。2016年10月5日に催された「RED HAT FORUM 2016 Tokyo」でも、『クラウドへの移行を管理する方法』と題したセッションを展開した。ここでは、モリス氏の言う"フリクションレスな運用管理"を実現するためのレッドハッドのソリューションにスポットを当てる。

摩擦のないITを目指して

 今から数年前、「企業ITのコンシューマーライゼーション」という潮流に注目が集まった。この言葉の定義はさまざまだが、一般には、スマートフォンなどのコンシューマーITを企業で活用することを指していた。ただ、企業ITのコンシューマーライゼーションをより広くとらえれば、コンシューマーITの持つ使いやすさやシンプルさ、あるいはスピード感を企業ITの世界に持ち込むことを意味しているとも言える。

 米国レッドハットのエリック・モリス(Erich Morisse)氏によれば、レッドハットが目指しているのも、そうした企業ITのコンシューマーライゼーション──つまりは、コンシューマーITの使いやすさやモジュール性、シンプルさ、アジリティ(俊敏性)を、企業ITの世界に持ち込むことであるという。

エリック・モリス氏
米国レッドハット
マネジメントストラテジー
担当ディレクター
エリック・モリス(Erich Morisse)氏
Red Hat Inc,
Management Strategy
Director

 「これからのビジネスやITの担い手となる若い世代は、スマートフォンのように操作が簡単でシンプルで、すぐに目的のアプリがインストールできたり、クラウドにアクセスしてストレージが追加できたり、同じ機種のスマートフォンであっても、異なるアプリをインストールして異なる用途に用いたりできるようなITしか知りません。ですから、企業ITにおいても、そんな次世代ユーザーを踏まえた設計をする必要があるのです」(モリス氏)。

 レッドハットでは、このようなITを「フリクションレスIT(摩擦のないIT)」と呼び、企業ITのフリクションレス化を全プロダクトラインに共通したテーマとして掲げている。もちろんそれは、レッドハットの運用管理のソリューションについても例外ではないと、モリス氏は付け加える。

フリクションレスを実現する4つの運用管理プロダクト

 では、フリクションレスITを実現するレッドハットの運用管理ソリューションとはどのようなものなのか──。同社のソリューションは、大きく「Red Hat Satellite」、「Red Hat CloudForms」(以下、CloudForms)、「Ansible by Red Hat/Ansible Tower by Red Hat」(以下、Ansible)、「Red Hat Insights」(以下、Insights)という4つのプロダクトから構成されている(図1参照)。

図1:レッドハットの運用管理ソリューション 図1:レッドハットの運用管理ソリューション
※クリックすると拡大画像が見られます

 このうち、Satelliteは、「たとえるなら宅配業者のような存在です」とモリス氏は言う。 同氏の言うとおり、Satelliteは、セキュリティパッチなどの必要な品(ソフトウェア)を、必要なところへ、適切なタイミングで届けるための仕組みである。大規模構成のシステムの場合、無数のパッチの適用が必要とされ、それらを適切なプロセスに基づいて適用していくことが重要となる。また、パッチの適用のタイミングはセキュリティ要件に応じてさまざまに変化し、パッチ適用後の動作検証なども必要とされる。「そうしたテストフローも踏まえて、パッチを届けることができるのが、Satelliteの特徴です」と、モリス氏は言う。

 一方、CloudFormsは、ハイブリッドクラウドの管理プラットフォームだ。管理対象となる各システムの状況を可視化する能力を備えており、その活用を通じて、OpenStackやVMwareなどで構築された仮想化プラットフォームをはじめ、プライベートクラウド、あるいはパブリッククラウドのプラットフォームを単一のビューで一元的に管理することが可能になる。「こうしたCloudFormsで運用管理のプロセスを構築しておけば、同一のスキルセットで異なるプラットフォームを管理していくことができるようになります。つまり、CloudFormsはあらゆる家電製品に対応したリモコンのような役割を果たすわけです。しかも、エンドユーザー向けのセルフサービス機能も備え、その点でも運用管理サイドの負荷軽減に有効と言えるのです」(モリス氏)。

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インフォメーション
提供:レッドハット株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2017年5月9日
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