SEMINAR REPORT ZDNet Japan Business Forum RISE with SAP on Azure (Powered by Intel)
次世代クラウドERPで”真のビジネス変革”を実現させる
RISE with SAPとAzure、Intelの
タッグがもたらす新たな価値とは? 
企業のDXを実現する長年のパートナーシップ

不確実性が高まる世界で、企業がデジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みを進めている。DXの目的はビジネス変革であり、単なるデジタル化ではないと指摘されることが多いが、実際にビジネスを変革するにはどうすればいいのか。

そのヒントとなるオンラインセミナー「ZDNet Japan Business Forum RISE with SAP on Azure (Powered by Intel) --次世代クラウドERPで”真のビジネス変革”を実現させる」が8月27日に開催された。

DXの先にあるビジネス変革をテーマに、新サービス「RISE with SAP」を発表したSAP、企業向けクラウド「Azure」を提供するマイクロソフト、Xeonという強力プロセッサを持つインテルの3社による長年のパートナーシップが結実した。ここでは、RISE with SAP on Azure (Powered by Intel)がいかに企業のDXを支援するのか、3社のエグゼクティブが話したセッションをレポートする。

SAP ジャパン株式会社
SAP S/4HANA Cloud事業部
事業部長
竹廣 恵氏

日本マイクロソフト株式会社
業務執行役員 /
Azure ビジネス本部 本部長
上原 正太郎氏

インテル株式会社
パートナー事業本部 第三事業部
部長
宮本 健一氏

SAPはなぜ「RISE with SAP」を打ち出したのか

SAP ジャパンのSAP S/4HANA Cloud事業部で事業部長を務める竹廣恵氏は「インテリジェントエンタープライズの実現に向けて~RISE with SAPの果たす役割」をテーマに登壇した。

竹廣氏は最初に、「コロナ禍により10年かかるはずだった変化が2年で起きた」とIDCの見解を引用して外部環境について説明。2025年までに人が実施していた作業の60%が自動化する、登場3年以内の新製品による売り上げが20%を占めるようになる、売り上げの90%がデータ活用からくるといった今後の変化を指摘する。

急速に自動化が進み、よりデータドリブンになっている中で、SAPが何をできるか自問した。行き着いたのが、企業が「インテリジェントエンタープライズ」になることを目指すべきという答えだ。

インテリジェントエンタープライズとは上図の仕組みを構築できた企業を指す。そのために達成するべきことは、3つのレイヤーにわけて説明できる。図の上から、ビジネスプロセス、アプリケーション、テクノロジーである。

ビジネスプロセスレイヤーでは、自社のデータやプロセスを他社ともデジタル連携させ、レジリエントなビジネスを実現することが重要だ。また、ビジネスプロセスをデータに基づき分析し改善することで、顧客体験を最適化できる。

次にアプリケーションでは、インダストリークラウドやインテリジェントスイートが中核となる。そこにエクスペリエンスマネージメントが加わり、業務の標準化と差別化を両立させる。さらに、アプリに組み込まれたAIやRPAによる、繰り返し作業からユーザーを解放するのがアプリケーションレイヤーの役割だ。

テクノロジーレイヤーでは、ビジネステクノロジープラットフォーム上で、AIや機械学習、RPAによってデータドリブンな仕組みを導入し、将来予測から戦略を変える体制を実現していく。場合によって、仕組みの作成にローコード、ノーコードのテクノロジーを採用するケースも出てくるという。

こうした仕組みを実現した企業がインテリジェントエンタープライズであり、それを目指すための道しるべとして、2021年1月に発表されたのが、下図のRISE with SAPである。

RISE with SAPでは、目指すべき業務プロセスと方向性を提示する。SAPが意図するのは、従来のITベンダーのようにシステムのみを提供するのではなく、ビジネスを踏まえた上でユーザー企業に伴走しながら、プロセスの再設計することにあるという。

竹廣氏は「システムは1回入れたら終わりでなく、アップデートされ続けていく。繰り返し行われる変革に寄り添っていく。それがSAPの役割であり、それを実行するのがRISE With SAPだ」と話している。

実際に、インテリジェントエンタープライズを実現している企業として、竹廣氏は総合商社の伊藤忠商事を紹介した。めまぐるしい変化の中で変革を迫られていた伊藤忠だったが、ITシステムが硬直化、将来的なDXにITが足かせになるという危機感を持っていた。そこで2020年からRISE with SAPで、インテリジェントエンタープライズへの変革を目指した。安定した業務プロセスを確立し、すべてのシステムを、イノベーションを念頭に置いてデジタル化した。

竹廣氏は、DXが加速する中で、レガシーなITが将来の足かせになると指摘。社外のデータとも連携したITが、経営やイノベーションの起点になる中で、IT部門の役割がさらに重要になるとする。「インテリジェントエンタープライズの実現はデータドリブン経営の実現を意味する」と話し、ITリーダーの新たな役割として、デジタル人材育成の重要性を指摘している。

Azureの価値を最大限に引き出せるDXというフィールド

RISE with SAPを、クラウドサービス基盤であるAzureで支えるのが日本マイクロソフトである。次に登壇したのは、日本マイクロソフト業務執行役員/ Azure ビジネス本部 本部長の上原正太郎氏である。

上原氏は、デジタルトランスフォーメーションを実現するために、顧客とつながる、業務の最適化、製品の変革、社員のパワーの4つが必要と考えているとする。その上で、マイクロソフトはDXを実現するためのフレームワークとして、デジタルフィードバックループを提唱している。

デジタルフィードバックループの4つの要素である業務、製品、社員、顧客は、それぞれがデータを生み出し、それらがビジネスを構成する。顧客がいつどこで何を購入しているかといった購入履歴データである。

こうしたデータは、分析し、あらゆる視点からみられるようにすることで、相乗効果をもたらし、さらにDXを可能にするものになっていくとする。データ分析結果を製品に反映したり、社員の業務効率化に生かしたりといった使い方によって、より大きな価値をもたらすのである。

具体的にそれを実現する手法が、RISE with SAPであり、その基盤となるAzureである。さらにそれをMicrosoft Teamsによって、社員が自在に使えるようにする。「Systems of RecordsからSystems of Engagementに至るまで、DXに至るジャーニーをサポートできる」と上原氏は話している。

マイクロソフトとSAPの協業関係は25年と長く、強固な歴史を持っている。その上で、2019年10月にはさらなるパートナーシップを締結し、SAP ERPとS/4HANAを対象とした優先クラウドパートナーとして、Azureが選ばれた。2021年2月には、両社のソリューションを融合する新たなパートナーシップを締結した。

既に、マイクロソフトとSAPが協力することで、DXが加速することが数字にも表れ始めている。SAPユーザーの56%が、S/4HANAの実行環境としてAzureを支持。両社の顧客の90%は、相互に重なっている状況だ。

そして、SAPがAzureをマイクロソフトはSAPを利用するという相互のユーザーであることが重要だ。マイクロソフト社内では以下図のように、SAPのソリューションを活用している。サーバー台数にして600台に上るオンプレミスのSAP環境を、2018年2月にAzureに移行した。マイクロソフトが自社向けに用意したものではなく、外部企業が利用するのと同じAzure環境である。

両社は、SIパートナーと協力しながら、グローバルレベルでの投資を続けている。リファレンスアーキテクチャの公開、業界ごとのジャーニーマップの作成、顧客の移行計画の策定などを積極的に進めている状況だ。クラウド移行の合理化、リスクとコストの削減、新しいビジネス価値創出の時間短縮を図る考えである。

「Azureを選定するポイントは、アジリティとセキュリティの向上、コスト削減である」と上原氏。Active Directoryなどと連携することで、より強固なセキュリティを実現できることや、システム運用を支援するさまざまなサービスを提供していることも大きいと説明している。

最後に上原氏は、RISE with SAPとAzureを支えるハードウエアとしてインテルのXeonプロセッサについて触れ、次のセッションへとつないだ。

インテルがハードウエア面から支援するクラウド移行

3番目に登壇したのが、インテルのパートナー事業本部第三事業部で部長を務める宮本健一氏である。強調したのは、RISE with SAP on Azure環境をインテルがいかに支えているかについてである。インテルは経営理念で、データの可能性をきり拓くことを明記しており、DXで得られたデータを新たな価値を創出することが、メインとなる目標であることが分かる。

インテルのクラウド事業トップ、ジェイソン・グリーブ氏は「マイクロソフトとインテルは、長年にわたり共同でAzureのエンジニアリングを実施し、革新的ソフトウエアと先端ハードウエアを組み合わせ、インテリジェントなクラウドを提供している」と話す。

また「SAPとも25年にわたり協業とイノベーションを継続しており、SAPのソフトウエアに最適化するように最新のテクノロジーを駆使しながら、ソフトウエアとハードウエアを融合させている」とコメントしている。

今回、テーマになっているRISE with SAPとAzureもインテル(r)Xeon(r)スケーラブル・プロセッサー上で稼働している。ポイントは「より速い洞察」「事前に検証され認定されたSAP HANAクラウドインスタンス上で稼働」「SAP HANAランドスケープの簡素化」の3つである。

さらに、インテルが新たに価値を提供するための中核的な製品として「インテルOptane(tm) パーシステント・メモリー」を紹介した。これは、メモリとストレージの中間に位置する新メモリで、アクセス速度はDRAMにやや劣るものの、低コスト性が価値になっている。不揮発性のため記憶内容が消えず、再起動の時間を10倍以上と大幅に短縮しているのが特徴だ。DRAMでなくインテル(r)Optane(tm) パーシステント・メモリーを増設することで、システム全体のパフォーマンスが大幅に向上する。

また、インテルはSAP環境のAzureへの移行に向けて、さまざまなシナリオを作成して支援している。典型例は下図のAのパターン。現在ECCをオンプレで使っており、それを維持しながらクラウドへ移行する。リフトアンドシフトでクラウドへそのまま移行し、DBについてはAzure IaaSの好みのものを利用し、効果を確認次第、S/4HANA on Azureに移行するというものである。インテルのこうした取り組みが、RISE with SAPとAzureを運用する上で、大きな武器になることがわかる。

SAP、マイクロソフト、インテルの3社が長年のパートナーシップを継続することで、DXの推進という世界的に認識される大きな目標が達成する可能性がある。SDGsなどのキーワードから意識されている社会課題の解決という意味でも、意義のある協業関係であることが分かる。

提供:日本マイクロソフト株式会社
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