講演レポート:働き方改革を実践するソフトバンクC&Sが考える「3年後のワークスタイル」

2020年に向けて望まれるITシステムの構成要素とは

 大塚氏は、こうした同社の働き方改革について、「仮想デスクトップ、モバイル、業務フローの再整備、成果の可視化、不安の解消、グループワークのツールといったさまざまな要素がそろってはじめて実現できたもの」と振り返る。

 中でも重要なのが仮想デスクトップだ。仮想デスクトップのメリットは、不正アクセスやデータ漏洩、ウイルス感染、PC紛失、故障対応、クライアント管理といった、従来の業務PCにまつわるすべての課題を解決してくれることにある。現在では、無線通信などの屋外環境も整備されたことで、レスポンスが良くなかったり、ネットがないと使えなかったりといった課題も解決された。

 もっとも、大塚氏は、単に仮想デスクトップを実現するだけでは、うまくいかないことがあるという。「スマートデバイスから仮想デスクトップに直接アクセスすると、PCの画面がスマートデバイス上に表示された状態になります。PCで使うにはいいのですが、小さなスマートデバイスでは操作しにくいのです」と大塚氏。

 外出時にPCが利用できる場所をわざわざ時間をかけて探しているようでは本末転倒だ。生産性を向上させるためには、メールへの返信や簡単な資料の編集などはその場でできることが望ましい。そこで重要になってくるのが、モビリティとクラウドだという。

 「スマートデバイスのような小さな画面をつかってどこからでも利用できるようなモビリティが必要です。また、クラウド上のアプリケーションを活用することで、社外や社内といった区別なく仕事ができるようにすることも重要です。実際、お客様へのアンケートでは、モバイルとクラウドはこれからのITに不可欠との回答は100%に達しています」と大塚氏。

 もちろん、モバイルとクラウドを利用する際に気をつけなければならない点もある。それは、管理性とセキュリティだ。マルチデバイス、マルチクラウドを進めるとIDとパスワードが増え続けることになる。ソフトバンクC&Sのユーザー調査では、発行されているサービスやIDの数は平均して4.3種類に達するが、それに対する「覚えていられるID/パスワードの数」は3.4にすぎない。実際には覚えきれるパスワードの数を超えてIDを運用しているわけだ。

 「管理が複雑化すると、そこがセキュリティ的な抜け穴になります。複数のデバイスを一元管理できるようにし、さらに、シングルサインオン環境を整備してサービスの管理性を高めることが重要です」(大塚氏)

働き方改革を支える「デジタルワークスペース

 こうした、モバイル、クラウド、セキュリティの課題をまとめて解決し、働き方改革を進めやすくするITシステムのあり方の一つが「デジタルワークスペース」だ。デジタルワークスペースの考え方を簡潔に言えば、働く場所やデバイスが多様化するなか、いつでも、どこでも、かんたんに必要な情報にアクセスするための基盤ということになる。

 ユーザーは、さまざまなデバイスからデバイスに適した画面でSaaSや仮想デスクトップ、Windwosアプリケーションなどを利用することが可能だ。IDはシングルサインオンで統合され、さまざまなSaaSを一つのIDとパスワードで利用できる。

 一方、管理者は、さまざまなデバイスを一元的に管理し、デバイスからのアクセスを制限したり、セキュリティポリシーを適用したりしてセキュリティを担保できる。仮想デスクトップ、アプリケーション管理、モバイルデバイス管理、アカウント管理などの機能を統合した環境ということができる。

 このデジタルワークスペースを構築するためのソリューションが、ヴイエムウェアが提供する「Workspace ONE」だ。「Any Device, Any Application」をテーマに、コンシューマ製品のようなシンプルさと企業に必須な堅牢なセキュリティを実装していることを特長としている。ソフトバンクC&Sは、VMware認定ディストリビュータとして4年連続販売実績No.1という実績を持っており、このWorkspace ONEの提供でも、さまざまな付加価値を付けた提案を行っている。

図:Workspace ONEによるデジタルワークプレイス
図:Workspace ONEによるデジタルワークプレイス

 最後に大塚氏は「今後の働き方改革では、モビリティ、クラウド、セキュリティを考慮して、ユーザーの多様性と利便性を高めていくことが欠かせません。どちらかと言えば、これまでITはデバイス中心でした。Workspace ONEでIDを統合していくことで、デバイス中心から人間中心のITのあり方に変えていくことができます」と訴え、講演を締めくくった。

 ソフトバンクC&Sでは、イベント開期中にVMware Workspace ONEの展示ブースを設け、デモンストレーションをはじめ、ユースケース、導入効果などを解説。多くの人が足を止め、解説に熱心に耳を傾けていた。


ブースの様子① Workspace ONEを体験できた

ブースの様子②
提供:ソフトバンク コマース&サービス株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2017年9月30日
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