ストレージの「コスト」「性能」「運用管理」はこれからどうする? -ストレージ管理に悩む企業の福音となる「東芝クラウドストレージアレイサービス」

ZadaraのSDS技術により性能干渉のない利用環境を実現

 TCSASは、東芝が出資も行っている、米Zadara Storageが開発したSDS(Software Defined Storage)技術をベースに提供されるものである。

 近年、多くのストレージベンダーや仮想化ベンダーも、ストレージの効率的な管理を目的とした仮想ストレージ機能をリリースしている。しかし、Zadara Storageの技術では「性能干渉」に配慮したリソースの切り分けが行える点がポイントであるという。


東芝インダストリアルICTソリューション社
パートナービジネス推進部マーケティング部
井原和音氏

 「多くのストレージ仮想化製品がありますが、ストレージリソースの統合や柔軟な切り分けが行えるだけでなく、ストレージコントローラや物理ディスクそのものを独立した形でしっかりと切り分けられるのがZadara Storageの優位性になります。これにより、マルチテナント型の仕組みを使って全体のコストを下げ、システムを統合しつつも、個々のストレージアレイのユーザー側では、他のユーザーのストレージ利用状況に影響を受けない、専用システムと同様の使い勝手を実現しています」(同社、パートナービジネス推進部マーケティング部の井原 和音氏)

 例えば、あるユーザーが夜間に実行しているバッチ処理が長引いたことで、別のユーザーが翌朝から利用する業務システムのストレージに、パフォーマンス上の悪影響はないというわけだ。このZadara StorageのSDS技術は米国で特許も取得しているという。

 また、このサービスを東芝が提供しているという点もユーザーのメリットになるはずだ。東芝はご存じのとおり、SSD、HDDといったストレージをグローバルで提供しているメーカーでもある。ストレージプールに設置されたディスクドライブは、同社の全国拠点を通じて、定期的な保守が行われる。また今後、リソースプールの容量を増やしたい、性能面で優れたディスクドライブ製品を利用したいと考えた場合にも、同社から直接供給を受けることが可能である。ストレージに将来的な「安心感」を求める企業にとっては、重要なポイントとなるだろう。

東芝が自ら進めるTCSASでのストレージ統合


東芝インダストリアルICTソリューション社
製造・産業・社会インフラソリューション事業部
東芝グループ技術部
技術第一担当参事
森岡陽二氏

 東芝社内においても、このTCSASを利用したストレージ環境の統合が進められている。

 製造・産業・社会インフラソリューション事業部、東芝グループ技術部、技術第一担当参事の森岡陽二氏によれば「通常であれば13週ほど必要だったストレージ増設時のプロセスが、TCSASを使うことで約2~3週間ほどにまで短縮できています」と話す。

 同社では、必要とされる性能によって、社内のストレージサービスを「H(High)」「M(Middle)」「L(Low)」の3ランクに区分けした。その中から、各部門や用途ごとの個別最適で配置されることが多かった「M」「L」ランクのストレージを、TCSASによって集約する取り組みを進めている。利用用途はメールシステム、ファイルサーバ、業務システムのデータベースなどさまざまだという。

 「実際にあった例ですが、あるシステムに想定を大幅に超えたアクセスがあったときにも、無停止のまま、TCSAS上でストレージアレイを追加し、各コントローラの処理能力をアップすることでストレージ性能を確保することができました。また、負荷が下がった後は、従来のスケールに縮小することも問題なくできました」(森岡氏)

 近年では、システム運用管理の効率化だけでなく、ITガバナンスを確保するという観点からも社内で個別に運用されているデータストレージの集約を進める動きは強まっている。TCSASを使った東芝のストレージ集約の取り組みは、そのひとつのモデルケースである。

TCSASが「オンプレミス型」であることのメリット

 近年では、コスト面での優位性や、柔軟なリソース確保を目的として、こうしたストレージ環境をパブリッククラウドサービスで利用する例も増えている。しかしながら、特に日本においては「データの所在」が明確でないという理由から、業務データをパブリッククラウド上のストレージに置くことに問題がある企業も多いのではないだろうか。また、ストレージサービス側の仕様上の制限や、パフォーマンスの見込みが立てづらいといった理由で、導入に踏み切れなかったケースもあるだろう。

 TCSASの場合、リソースプールは企業内に設置されるので、上記のような理由から柔軟性の高いストレージサービスの採用に踏み切れなかった企業にとっては、有力な検討候補となるだろう。もちろん、前述のように、料金は利用分のみの月額課金となるので、コスト上のメリットも享受できる。

 エンタープライズストレージの持つ、信頼性とパフォーマンスを備えつつ、クラウドストレージのメリットであるコスト面での優位性、管理の柔軟性、拡張性を兼ね備えたTCSASは、ストレージ環境に課題を抱える多くの企業にとって、利用価値の高いサービスと言えそうだ。

提供:株式会社 東芝 インダストリアルICTソリューション社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2016年3月31日
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