ユーザに対して、安全かどうかを確認する手段を提供する
――ユーザが安全にインターネットを利用するためにどんなことを意識したらいいか、SSLの専門家という立場からアドバイスはありますか。
平岩:個人情報を送っても大丈夫かどうかをちゃんと見極めることだと思います。例えば買い物をするときなど、ただ安いというだけで良しとせずに、安全に買い物できるかどうかを確認してから利用しなければいけません。ベリサインができることは、そういう情報を探すための目印を提供することだと思います。
そのひとつとして、昨年8月にシールインサーチという機能をリリースしました。これは、検索エンジンによる検索結果に対して、ベリサインのSSLサーバ証明書を適用しているお客様サイトのURLの横にベリサインシールを表示するというものです(詳細はベリサイン公式サイトの解説を参照のこと)。通常であれば、そのサイトが本物かどうかは訪れてみるまで分かりませんが、シールインサーチはその手前、検索結果の段階で見極められるようにします。
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新井:そのベリサインシールですけど、2012年の4月からデザインが変わりますよね(プレスリリース参照)。慣れ親しんだデザインを変更するのはなぜですか。
平岩:ベリサインシールの認知度は非常に高いものの、一般コンシューマにとってベリサインのサーバ認証ビジネス自体はわかりにくいと思います。ですが、安全なサイトかどうかを判断してサービスを利用するのは一般コンシューマの方々です。ベリサインシールの信頼感の裏付けとなる安全性の仕組みを、いかに幅広く、わかりやすく皆さんにお伝えするかという点は長らく私たちの課題でした。
親会社となったシマンテックの「ノートン」は、コンシューマの間で総合セキュリティ対策ソフトとして幅広く認知されています。シールインサーチのようなコンシューマ向けの機能を提供するにあたって、より「安全だ」という印象を持っていただきやすいように、「ノートン」の名前とイメージカラーを使ったデザインを使うことにしました。
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新井:第三者のサイトにシールを貼って「安全です」と宣言する責任感というのはすごく大きいと思うんですが、その責任の果たし方として、いろいろな付加価値がついてきているのかなと感じます。
平岩:おっしゃる通り、非常にプレッシャーを感じます。しかし世の中のためになることが会社のミッションでもありますし、今後もできる限りのことにチャレンジしていくつもりです。
――最後に、お二人からそれぞれメッセージをいただけますか。
新井:昨年1年を振り返って、これだけサイバー攻撃が紙面を賑わせたことは今までなかったなと思います。その中で、セキュリティソリューションの提供企業として果たしていく役割は何かということを常に考えています。ベリサインがチャレンジしている、企業に使ってもらうことで一般の方にセキュリティの重要さを知ってもらうというアプローチ。これは今までできなかったことなので、ぜひ応援したいと思います。
平岩:セキュリティは事故が起こって、はじめてその大切さが分かるという場合もあります。ですが、できるだけ事故が起こる前に、企業としてお客様に対し「安全を提供する意義」を一度考えていただきたいと思います。ベリサインはそのためのお手伝いをしていきます。サーバを管理する方々には、トライアルでも結構ですから、ぜひ使っていただいて判断してもらえるとうれしいです。