可視化や自動化の機能が追加されてより幅広い活用が可能
さらに2018年のアップデートでは、Workspace ONEに大きな新機能「Workspace ONE Intelligence」が追加された。
まず、Workspace ONEが提供するデジタルワークスペース全体の包括的な可視化が可能となった。管理者は、ダッシュボードや時系列のグラフを組み合わせた一つの画面で、ワークスペース全体を確認できる。この可視化機能は、パフォーマンスやセキュリティに関する情報を網羅しており、Windows 10のOSアップデートやセキュリティパッチなどの状況を把握することもできる。
また、様々な管理ワークフローを自動化することが可能になった。ワークフローは「トリガー」「フィルタ」「操作」の3要素を組み合わせて自由に作成できるほか、事前設定済みワークフローもあるのでカスタマイズして利用することもできる。この自動化機能は、デジタルワークスペース全体はもちろん、API連携を通じて様々なアプリケーションにも及んでおり、SlackやServiceNowなどの社内ツールと連携することで、より効率的な運用が可能だ。
こうしたWorkspace ONE Intelligenceの新機能により、セキュリティやコンプライアンス上の問題解決のための管理を大幅に効率化することができる。
「例えば新種のランサムウェアが流行した際、それに対するパッチが適用されている端末がどれだけあるのか、すぐに把握できます。自動化機能では、そのランサムウェアに対応したパッチの適用、未適用の端末を使っているユーザーに対してSlackで通知、ServiceNowを通じてアカウントのサスペンドを依頼、といった一連のワークフローを自動化することが可能です」(本田氏)

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各社のセキュリティ製品との連携も実現
ヴイエムウェアでは、ほかにも様々なユースケースとその対応を示している。例えば以下のようなケースだ。
- Windows 10などのOSアップグレードの進捗状況を把握し、今後の推移を予測する
- バッテリーに問題を抱えているデバイスを特定し、修理などの手配を行う
- デバイスの使用率や使用状況に基づき、新たなデバイスの調達や展開を判断する
- 業務アプリケーションの展開や移行に伴う問題の原因特定や修正を行う
また、今後は「Workspace ONE Trust Network」によりセキュリティ製品との連携も可能になっていくという。セキュリティベンダー各社との連携により、セキュリティ製品の持つ様々な情報をWorkspace ONEに取り入れ、必要なアクションにつなげることを目指している。
「デバイス・アプリケーションの多様化、働き方改革の浸透は、企業全体のワークスペースを非常に複雑化させてきました。かつては社内ネットワークと外部ネットワークの境界線が明確で、インターネットの出入り口にファイアウォールなどの境界型セキュリティの製品を置いておけばよかったのですが、もはや境界線は消滅したと言っても良い状況になり、セキュリティの担保が非常に難しくなっています。また、可視化するにしても、これまではPCとモバイルの可視化に別々のツールが使われていました。しかし、それは、セキュリティにおいては脅威の検出やリスク軽減の妨げになりがちで、管理の負担も高めるもの。Workspace ONEなら、それらをすべて一つのプラットフォームで可視化、管理することができます」と本田氏はWorkspace ONEのメリットを強調した。
Workspace ONEは、多様な働き方をサポートするには欠かせない存在と言えるだろう。

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