新しいビジネス価値を生み出す「デジタルワークスペース」を、いかにして実現するか

2017年6月23日に東京都内でZDNet Japan × TechRepublic Japan ワークスタイルセミナー「ビジネス加速を最優先に追求するワークスタイル変革〜新たな仕組みを展望し、いま着手することを考える」が開催された。ベンダーセッションには、ヴイエムウェアのソリューションビジネス本部 EUC技術部シニアソリューションアーキテクト、藤野哲氏が登壇。「モバイルファーストへの移行を現実のものにする、デジタルワークスペースとは」と題して講演した。

デジタルワークスペースが「新しいITの常識」に


ヴイエムウェア
ソリューションビジネス本部
EUC技術部シニアソリューションアーキテクト
藤野哲氏

 「働き方改革」をキーワードとして、社員の多様な働き方を実現していく動きが活発化している。そんななか、IT部門にも、モバイルやクラウドといった新しいテクノロジーを活用しながら、新しいビジネスを支える役割が期待されるようになった。藤野氏は、ヴイエムウェアが提供するさまざまなソリューションを紹介しながら、IT部門がどうやって企業の「デジタルトランスフォーメーション」を推進していけばよいのかをアドバイスした。

 藤野氏はまず、UberやAirbnbなどに代表されるコンシューマ向けの新たなデジタル ビジネスが世界を変えようとしている時代、エンタープライズ企業にも影響を与えつつあると指摘。「コンシューマはあらゆる場所でモバイルアプリを利用するようになり、ライフスタイルが大きく変わってきた。エンタープライズ企業も、新たに登場した競合に対抗するために、デジタル技術を使って、自らを変革していく必要に迫られている」と言及した。

 藤野氏によると、企業がそうしたデジタルトランスフォーメーションにチャレンジしていくためには、オフィスのデジタル化が欠かせないという。オフィスのデジタル化とは、いつでもどこでも働けるという新しいワークスタイルに対応しながら、企業に求められるセキュリティを備え、新しいビジネス価値をも生み出していくような取り組みだ。

 「ヴイエムウェアではこうした環境のことをデジタルワークスペースと呼んでいます。デジタルワークスペースを実現するソリューション『VMware Workspace ONE』は、コンシューマ製品のようなシンプルさを備えながら、エンタープライズレベルのセキュリティを提供することができます」(藤野氏)

 Workspace ONEは、デバイスの管理と制御を行う「VMware AirWatch」と、ID管理と統合ポータルの「VMware Identity Manager」の機能がセットになったソリューションだ。アプリとIDの管理、デスクトップやモバイルの管理、セキュリティ管理などの機能を包括的に提供する。

 「これまでは1人1台のWindows PCを安全なLAN上で使うことが"ITの常識"でした。しかし今後は、インターネット上でさまざまなデバイス/OSをユーザー自身が使い分けていくことが"新たなITの常識"になります。そうなると、IT部門に求められる役割も大きく変わらざるをえません」(藤野氏)

ITはビジネスイノベーションの中核を担うもの

 これまでIT部門の仕事は、インフラ管理者として、できるだけコストを抑えながら安定的に運用することが重視された。しかし、今後はそれだけでなく、変化にすばやく対応し、適切な予算配分を行いながらビジネス価値をいっそう高めていくといった役割も強く求められるようになる。

 具体的には、アプリやID管理について、社内のActive Directoryとクラウドサービスとの間でシングルサインオンを実現するといった取り組みがある。また、社内システムも、従来のような閉じたシステムではなく、さまざまなデバイス/OSから利用できるようにする必要がある。さらには、場所、時間、端末などの状況を常に把握し、変化に追従するポリシー制御などの仕組みもポイントだ。

 IT部門は、システム課題に応えるというよりも、ビジネス課題を解決する支援を行うことが求められていると言ってよい。実際、藤野氏は、Workspace ONEを導入するユーザーの目的は、ビジネス課題を解決することにあると指摘し、ユーザー事例を紹介した。

 例えば、アメリカ赤十字(American Red Cross)では、スタッフが広域に分散して入れ替わりが激しいという課題に対応するためにWorkspace ONEを導入した。1万ユーザーに150のアプリを提供できるようにし、新規スタッフの教育期間を短縮。さらに、デジタルワークスペースを活用して、被災者への災害見舞金や配給物資のフローの迅速化も実現した。

 また、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)では、顧客のロイヤリティ向上を図るためにWorkspace ONEを導入。顧客向けの20種類以上のモバイルアプリを開発し、顧客それぞれに対して適切なカスタマーエクスペリエンスを提供。取引完了までの時間を短縮や顧客との関係強化により、新規サービスやローン製品の販売を増加させている。

 最後に藤野氏は、「ITはビジネスイノベーションの中核です。デジタルトランスフォーメーションを見据えて、時代に先んじた取り組みを進めてください」とアドバイスし、講演を締めくくった。

提供:ヴイエムウェア株式会社 | ソフトバンク コマース&サービス株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年3月31日
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