当案件で受注・納入したシステムは、シンプレクスが開発したデリバティブ統合管理パッケージシステム「PRISM(プリズム)」を、三井住友銀行向けにクレジット・デリバティブの取引管理機能に特化して構築したシステムです。
取扱可能な商品として、クレジット・デリバティブ市場で一般的なシングルネームのほか、ファースト・トゥ・デフォルトに代表されるバスケット取引、クレジット・デリバティブ市場における各種指標を参照したインデックス取引に対応し、約定管理、時価評価、リスク量計算、損益変動シミュレーション及びコンファメーション出力など、フロントオフィスからバックオフィスまでの業務をフルサポートします。
また、このシステムでは、損益・リスク量計算で発生するシステム負荷を、分散計算処理機能を用いて細分化することで、処理速度を高速化できます。その他にも、任意のユーザ設定での緻密な分析が可能なリスク管理機能や、細かな権限・ログの管理が可能なコンプライアンス対応機能なども充実しています。
なお、当該契約によるシンプレクスの当期業績予想の変更はありません。
■「PRISM」が三井住友銀行に採用された経緯
ここ数年、リスクの分散を主な目的とした金融商品化・証券化等の取引が世界的に急増しています。社債や貸付債権の信用リスクを定量化し、そのリスクをスワップやオプションの形式で取引するクレジット・デリバティブについても、市場規模は拡大し続けています。
こういった状況下、三井住友銀行では、クレジット・デリバティブに関する取引量増加への対応や、新商品の追加、計算機能の強化及び処理速度の向上などが課題になっていました。そこで今回、三井住友銀行はクレジット・デリバティブ取引管理システムの新規構築を検討し、その結果として、シンプレクスのデリバティブ統合管理パッケージシステム「PRISM」が採用されました。
当案件で「PRISM」は、三井住友銀行から機能面・性能面における完成度の高さ、拡張性の高さ、及びその実績が評価されました。加えて、シンプレクスによる機動性の高いサポート体制及び金融システム開発における高い技術力についても期待されています。
■デリバティブ統合管理パッケージシステム「PRISM」について
当案件ではクレジット・デリバティブに特化した機能となっていますが、シンプレクスは「PRISM」を、仕組債をはじめ、仕組系スワップ、通貨オプション、エクイティ・デリバティブなど、デリバティブ全般を統合管理できるシステムとして、展開しています。(詳細は添付資料をご参照ください。)
そして「PRISM」は、銀行や証券会社をはじめとした金融機関の収益機会の最大化、きめ細かなリスク管理、コンプライアンス対応など、デリバティブ取引に関わる業務をフルサポートします。
用語解説
※ 1)国産では唯一
現在、金融機関向けに販売されているクレジット・デリバティブに対応した取引管理システムは、基本的に海外のパッケージシステム製品です。そのため、例えば、機能の拡張や改変の際に、開発元の海外の会社とのやり取りが発生するため、コスト的にも時間的にも大きなロスが発生する場合が多くあります。
これに対してシンプレクスが開発した「PRISM」はクレジット・デリバティブに対応した唯一の国産取引管理システムです。そのため、純国産・自社開発のシステムだからこその機動性の高いサポート体制を実現しています。また、ヘッジシミュレーションに代表される各種機能についても、世界的に類のない先進かつ高度な機能を搭載しています。
※ 2)シングルネーム、バスケット、インデックス
クレジット・デリバティブの商品カテゴリ名。バスケットやインデックスは、シングルネームのクレジット・デリバティブを組み合わせた商品のため、例えばリスク量を計算するためには、非常に複雑かつ大量の計算量が必要となります。
※ 3)フロントオフィス
金融機関において、デリバティブ、債券、株などに代表される金融商品を取引することによって収益をあげる部門を指します。
※ 4)バックオフィス
金融機関において、取引後の会計事務処理などを行う部門を指します。
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