アバゴ・テクノロジー株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:米山周)は、本日、マクロセル、ピコセル/フェムトセル携帯電話基地局、ならびにポータブルGPSシステムに向けた新しいRF製品群を発売したことを発表しました。
アバゴ・テクノロジー、ワイヤレス製品担当マネージャのアレン・チエンは、「あらゆる場所からインターネットにアクセスしたいというニーズは高まり、携帯電話のトラフィックが激増の一途をたどるなか、マクロセルを構成要素とする異種混合ネットワークでは、ピコセルやフェムトセルがマクロセルのトラフィック負荷軽減に役立っています。これまで、アバゴは携帯電話端末/基地局に向けて業界最高レベルの製品と技術を提供してきました。その実績を生かし、従来であれば、外付け部品で対応していた機能をチップに組み込むことで、システムの性能向上と設計の簡素化を実現する新製品を開発しました。それらの製品を利用すれば、基板面積と消費電力の削減も可能になります」と述べています。
パワーアンプの新製品「MGA-43x28シリーズ」は、ピコセル・システム/エンタープライズ・フェムトセル・システムの最終段で使用可能なものです。利得は34~40dBと高く、13.8~15%の電力付加効率(PAE)を得ることができます。3ステージ構成のアンプ回路を内蔵しており、電源電圧が5Vの条件で、出力電力が27.3dBmのときの隣接チャネル漏洩電力比(ACLR)が-50dBcという高い線形性が得られます。
MGA-43x28シリーズの製品としては、まず「MGA-43428」、「MGA-43528」、「MGA-43628」の3種が発売されます。それぞれ、3GPPのバンド5、バンド2 / バンド25、バンド1という異なる周波数帯に対応します。これらの製品は、いずれもアバゴ独自の0.25μm GaAsエンハンスメントモードpHEMT(E-pHEMT)プロセスを用いて製造されます。また、検波器をチップに集積していることも特徴の1つです。さらに、外形寸法が5mm×5mmのパッケージを採用しており、フットプリントを同等製品の半分に抑えることができます。
もう1つの新製品である「MGA-16x16シリーズ」は、バランス型の超低雑音アンプ(LNA)で、アクティブ・バイアス回路を採用していることに加え、シャットダウン機能も備えています。基地局用の送受信カード、RRH(リモート無線ヘッド)、TMA(タワー搭載アンプ)、基地局用コンバイナといった携帯電話基地局に最適なソリューションです。
MGA-16x16シリーズは、18dB以上の優れたリターンロス(S11)を提供し、信号品質の改善に貢献します。また、900MHzにおいて、0.25dBという超低雑音指数を達成しています。MGA-16x16シリーズの製品は、「MGA-16116」、「MGA-16216」、「MGA-16316」の3製品です。それぞれ、450~1450MHz、1440~2350MHz、1950~2700MHzの周波数帯に対応します。
アバゴは、携帯電話基地局向けのLNA製品において、低雑音かつ高線形性の面でリーダーシップを発揮してきました。MGA-16x16シリーズは、そうした実績を生かした製品であり、18.5dBという高利得を実現しています。また、900MHzにおいて19.1dBmの線形性を提供し、競合製品に対し約2倍の性能を達成しました。また、システムにおいて信号強度が十分なレベルにある場合には、制御端子にDC電圧を印加することにより、アンプをシャットダウンしてバイパスモードで動作させることができます。これにより、過度な増幅と信号の歪みを防止することが可能になります。
さらに、アバゴはLNAとフィルタを一体化したモジュール「AGPS-F001」を発売しました。GaAs E-pHEMTで製造するLNAと、アバゴの特許取得済み技術FBAR(圧電薄膜共振器)フィルタを1つのパッケージに集積した製品です。これを利用することにより、ポータブル・ナビゲーション・システムや、タブレット端末/携帯電話端末に搭載されるGPS/GNSSシステムの簡素化を実現できます。
AGPS-F001は、GPSアプリケーション向けの一体型LNA/フィルタ・ソリューションでリーダーシップを発揮し続けるアバゴの新製品です。LNAとフィルタを組み合わせることで、携帯電話のCell、DCS、PCS、WLANなどの周波数帯において、43~53dBcの帯域外減衰量を実現します。また、帯域外IIP3(3次入力インターセプトポイント)で、競合製品を10dB上回る線形性を達成しています。
AGPS-F001の雑音指数は、標準値で1.7dBです。製品間で均一な性能を確保するために、雑音指数の分布を厳しく管理しています。また、CMOS互換のシャットダウン端子を備えており、シャットダウンの実行時には、消費電流を1μA未満に削減することができます。通常動作時には、電源電圧が2.7Vで消費電流が5.5mA、1.575GHzの周波数において16.5dBの利得を提供します。
発売した新製品は、いずれも小型のリードレス・パッケージを採用しています。MGA-16x16シリーズは4.0×4.0×0.85mmの16端子QFNパッケージ、MGA-43x28シリーズは5.0×5.0×1.0mmの28端子QFNパッケージ、AGPS-F001は2.3×1.7×0.9mmの6端子QFNパッケージです。サンプル提供は2012年6月中に開始し、量産品の供給は2012年第4四半期に開始する予定です。
なお、アバゴ・テクノロジーは、2012年6月17日(日)~22日(金)にカナダのモントリオールで開催される『International Microwave Symposium(IMS2012:2012年 国際マイクロ波シンポジウム)』に出展します。ブース(ブース番号:#1909)では、パワーアンプ製品やLNA/フィルタ製品のデモを行います。また、E-pHEMTプロセスを採用したパワーアンプ/LNA、FBARフィルタ、WaferCapパッケージ製品、統合モジュールなどのRF製品も多数展示します。新製品を含むアバゴのRF製品について、詳しくは www.avagotech.co.jp/rf をご覧ください。
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アバゴ・テクノロジー社
日本法人: アバゴ・テクノロジー株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:米山周)
アバゴ・テクノロジーは、通信、産業、民生向けアナログ・インターフェース機器のグローバルリーディング・サプライヤです。当社の主力製品は、アナログ、ミクスドシグナル、オプトエレクトロニクスの部品やサブシステムなど多岐にわたっています。ターゲット市場は、インダストリアル / 自動車、情報通信 / エンタープライズ・ネットワーク、携帯電話/ワイヤレス・コミュニケーションの3つの市場にわたり、革新的、高機能そして高品質製品を提供しています。また、世界中に技術サポートおよびカスタマーサービス拠点を有し、お客様をサポートしています。アバゴ・テクノロジー技術革新の伝統は、50年前のヒューレット・パッカードに遡り、そしてアジレントの時代から受け継がれてきたものです。詳しくは当社のウェブサイト www.avagotech.co.jp をご覧ください。
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