北九州市
北九州市が国内特許を有する高度浄水処理設備をベトナム・ハイフォン市に整備します!
北九州市上下水道局( (リンク ») )が国内特許を有する「上向流式生物接触ろ過設備」(U-BCF:Upward flow Bio Contact Filtration)が、近年、生活雑排水の影響により水道原水として用いる河川の汚染が深刻化しているベトナム・ハイフォン市の浄水場に整備されることになりました。日本の高度浄水処理施設が、東南アジア諸国の公共水道に整備されるのは初めてのことです。
北九州市( (リンク ») )では、このU-BCFを市内5箇所の浄水場( (リンク ») )のうち、本城浄水場と穴生浄水場の2箇所に導入しています。
■U-BCFとは
微生物による自然浄化作用を利用して、カビ臭物質等の異臭味や黒水の原因となるマンガン、アンモニア性窒素等を効率よく除去し、安全でより良質な水を作る設備です。ろ過槽内に充填した粒状活性炭に原水を下から上に通水(上向流)し、粒状活性炭を流動させることにより、粒状活性炭に生息する微生物が汚濁物質を取り込み分解する作用を、設備内でより効果的に再現しています。
■U-BCFの効果
原水中の有機物を3~4割分解するとともに、多量に塩素を消費するアンモニア性窒素や溶存マンガンを6~9割除去することで、塩素の注入量を削減することができます。この2つの効果によって、発がん性が疑われているクロロホルムなどのトリハロメタンを大幅に軽減することができます。
■U-BCF導入の経緯
北九州市とハイフォン市は、両市の発展に向けた交流、都市開発及び環境保全の調和を目指す技術協力を推進するため、平成21年4月に協定を締結しました。これを契機にハイフォン市水道公社からの要請を受け、ハイフォン市が直面する水道原水問題の解決に向けて技術的な支援を行ってきました。これまでの技術協力により、極めて安価なランニングコストと高い処理能力を有するU-BCFが、アンモニア性窒素を80%以上除去するなど、本市での処理能力と同様の効果がハイフォン市においても認められ、導入に至ったものです。
このたび北九州市は、ハイフォン市水道公社が独自資金によりU-BCFの整備工事を発注するKOBELCO Eco-solutions Vietnam(北九州市海外水ビジネス推進協議会会員企業である(株)神鋼環境ソリューション( (リンク ») )のベトナム現地法人)から、工事施工計画に係る技術的な精査など、技術アドバイザーとしての業務を受託し、この整備事業を側面から支援します。
※北九州市海外水ビジネス推進協議会:平成22年8月、官民連携で海外水ビジネスを推進するため、全国に先駆けて設立しました。ビジネス展開に向けた取り組みを進めています。
また、平成25年5月30日には、本市上下水道局とハイフォン市水道公社が、同様の水質汚染問題を抱えるベトナム国内の他の水道事業体に、広くこのU-BCFを普及させていくための相互協力協定を締結しました。
今後も、本市が培ってきた優れた技術とノウハウを活用して、協議会と連携しながら、水ビジネスに取り組んでいきます。
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