1.国内天然ガス消費とパイプライン等インフラの整備状況および計画
中国は2012年に天然ガスを約1,500億m3 (14.7Bcfd)消費した。現在は天然ガス消費約1,500億m3のうち、7割(約1,100億m3)を国産ガスが供給し、残り3割を輸入LNGと輸入ガスがそれぞれ200億m3供給している。国産ガスの7割は西部(新疆、四川、長慶)で生産しており、パイプラインにより北京、上海、広東などの都市部に供給している(図1)。
中国の都市ガス12次五カ年計画による分類および能源統計年鑑によると、2011年には東・南部地域が天然ガスの約5割を消費している。次いで産ガス地域を含む西部地区が4割を消費、残り2割は中部と東北地域が消費している。
中国の都市ガス12次五カ年計画の分類によると、東・南部地域は北京、天津、河北、上海、江蘇、浙江、福建、山東、広東、海南、西部地域は内モンゴル、広西、重慶、四川、貴州、雲南、チベット、陝西、甘粛、寧夏、青海、新疆、中部地域は山西、安徽、江西、河南、湖南、湖北、東北地域は遼寧、吉林、黒竜江である。
中国政府は「エネルギー第12次5ヶ年計画」において2015年のGDP単位当たりのエネルギー消費量を2010年比16%削減し、非化石エネルギー比率を11.4%とする目標を設定している。国家統計局によると2012年のエネルギー消費量は標準炭換算で前年比3.9%増の36.2億トン(以下、tce)であった。
現在のペースでエネルギー消費が増加すると2015年時点で目標を超過する可能性があるが、一次エネルギー消費の7割を占める石炭を減らし、再生可能エネルギーやクリーンかつ高効率な天然ガスの利用を拡大し、目標を達成する計画である。エネルギー消費が年率4.3%増加するという前提の下、2015年に一次エネルギー消費は40億tce、石油換算で約28億トン(以下、toe)となる。そして天然ガス消費は2015年に一次エネルギー消費の7.5%(約2,500億m3/年)、2020年には同11%(約3,900億m3/年)に増加する見通しである。中国は国内パイプライン網、LNG 受入基地、天然ガス地下貯蔵などのインフラ整備を急ピッチで進めている(表1)。
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