AsiaNet 54587
共同JBN 1185 (2013.10.10)
【パリ2013年10月10日PRN=共同JBN】専門分野で権威ある科学誌Lancet Neurologyは、「ナルコレプシー(どこでも居眠り症状になる睡眠障害、過眠症)患者におけるプラセボおよび治療薬モダフィニルと対照試験したピトリサント(ヒスタミンH3受容体拮抗薬):二重盲検無作為試験」と題する論文を同誌最新号の中で発表した。論文の著者は、この希少疾患に対する最新の治療法を提案するHARMONY I研究グループのY・ドビリエ(Y. Dauvilliers)氏ら。論文には「ナルコレプシーの新しい治療法の必要性」と題する解説が付いている。
ナルコレプシーは日中の過剰な眠気(EDS)およびさまざまな感情に伴う筋緊張の突然のそう失現象である脱力発作が主たる特徴であるまれな無力化症状である。現在行われている治療法は、EDSと戦うモダフィニルもしくはアンフェタミンのような化合物である精神刺激(興奮)剤、脱力発作と戦うナトリウムオキシベートあるいは抗うつ剤で構成されている。しかし、これらの治療は効能、受容性、投与の意味から十分満足できるものではない。
ピトリサントはクリニックに導入される新しいクラスの薬剤を初めて代表するヒスタミンH3受容体拮抗薬である。同薬は欧州にある3つの学術研究所で考案され、フランスの小規模独立系製薬企業Bioprojetによって開発された。
HARMONY I臨床試験は重度のEDSに苦しむナルコレプシー患者95人で構成され、ピトリサントを1日一度経口投与されて2カ月間治療されたが、これら患者は自己申告と研究室評価によって、ナルコレプシーの2つの主たる症状であるEDSとともに脱力発作の頻度についてプラセボ投与より症状に顕著な改善を示した。一方、EDSに関するピトリサントの効能結果は、現在比較対照に使われているモダフィニルを1日2回投与した結果と大きな差異はなく、アンフェタミンのようなタイプの代表的な精神刺激剤の使用に関連して、依存症(中毒)になるうる兆候は一切なかった。
これらの臨床結果が現在進行中の諸研究でさらに立証されるならば、ピトリサントはナルコレプシー患者の新しい治療選択肢となりうるものである。
さらに詳しい情報は以下を参照。
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Jean-Charles Schwartz:
jc.schwartz@bioprojet.com,
+33-(0)299280440
ソース:Bioprojet
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