AsiaNet 55724
共同JBN 0125(2014.2.5)
【モントリオール(カナダ)2014年2月5日 PRN=共同JBN】世界で初めて子供の安楽死を合法化する動きが進んでいるベルギーで、国王に法案の成立に必要な署名をしないようカナダの4歳女児が陳情した。ケベック州ラシーヌのジェシカ・サバちゃん。
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2月2日に発表されたビデオメッセージでジェシカちゃんは「子供たちのために、どうか安楽死法案への署名をしないでください」と訴えた( (リンク ») )。
ジェシカちゃんは2009年5月にカナダのモントリールで出生。生まれたときから重症の心臓奇形があった。弁が完全にブロックされ、心室の形成不全が認められた。モントリオール小児病院で一連の心臓手術を施していなければ、数時間ないし数日間で命がつきたに違いない状況だった。6日間で弁が開かれ、発達が遅れていた心室も徐々に形成し始めた。もしジェシカちゃんが子供の安楽死を認めている国で生まれていたら、安楽死執行の候補者の1人になっていたに違いなく、その物語はビデオで描かれているものとはかけ離れたものになっていただろう。
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毎年、数百万人の子供たちが先天的な奇形を持って生まれてくる。そのうちの多くがジェシカちゃんと同じように安楽死の候補となるだろう。ベルギーで安楽死が合法化されれば、それが前例となって子供の安楽死が世界中に広まるおそれがある。現在、ケベックでは州政府が10年前にベルギーで成立した法律と似たような内容の安楽死合法化案を通過させようとしている。ケベック人権委員会は安楽死を子供にも拡大することを提案している。
ジェシカちゃんの父親でケベック州ラシーヌのホームドクターをしているポール・サバ氏は、ベルギー国王に個人的なアピールを送り、安楽死合法化をベルギーの子供に拡大しないよう訴えた。氏は、ベルギーで安楽死が始まったのは身体を病んでいる人が対象だったが、今日では精神を病んでいる患者も対象となった、と指摘。最初は成人が対象だったが、現在はそれを子供にも拡大しようとしている、と述べた。
サバ氏はまた、だれでも一流の医学的ケアを受けている人々に安楽死を必要とする理由は存在しない、とも主張。寿命が尽きかけた人々には、よい苦痛緩和剤で苦痛を和らげることが可能だ、としている。終末ケアに当たる家族の重い負担を訴える人々は、よい緩和剤を使ったケアが存在することが知らされていないという。
ジェシカちゃんの母親、マリサさんはジェシカちゃんの闘病と喜びを分かち合っているが、子供の安楽死が合法化された場合、病気や障害のある子供たちの両親が「簡単にあきらめてしまう」方向に動かされるおそれがある、と指摘する。両親や子供たちに必要なのは周囲の愛と生きるための支援であり安楽死ではないと語る。
ジェシカちゃんの姉、エリアナと兄のジョンアンソニーもジェシカちゃんのことを語っている。
より詳しい情報は:
Dr Paul Saba, +1-514-886-3447 pauljsaba@gmail.com
Marisa Cuciti Saba, +1-514-249-8541
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Twitter: @CoalitionMD ( (リンク ») )
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ソース:Coalition of Physicians for Social Justice
AsiaNet 55724 写真説明
◎子供の安楽死認めないで カナダの4歳女児がベルギー国王に陳情
ベルギー国王に子供の安楽死を合法化する法案に署名しないよう訴えるカナダ・ケベックのジェシカちゃん(4歳)
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