◎メルクが低卵巣反応患者でPergoverisの第III受胎率研究開始を発表

メルク

From: 共同通信PRワイヤー

2014-03-27 17:38

◎メルクが低卵巣反応患者でPergoverisの第III受胎率研究開始を発表

AsiaNet 56294
共同JBN 0352 (2014.3.27)

【ダルムシュタット(ドイツ)2014年3月27日PRN=共同JBN】
 *ESPART(*)第III相臨床研究は卵巣刺激に対する反応が微弱な患者に集中する。
 *研究は欧州17カ国で946人の患者募集を目指す。

世界的な医薬品、化学会社のメルク(Merck)は27日、受精率分野における新たな第III相研究への第一陣の患者募集開始を発表し、医療の必要が満たされていない分野での革新的なソリューションを探る努力の新たな一歩を踏み出した。

ESPART(*)研究は、低卵巣反応(POR)と分類されている女性に対する生殖補助技術(ART)治療サイクルの一環として、多卵胞卵巣発症に対するPergoveris(登録商標)(フォリトロピンアルファ・ルトロピンアルファ)とGONAL-f(登録商標)(フォリトロピンアルファ)の効能、安全性を評価するように設計されている。一般的にこのような患者では治療中の卵胞生成は少数であり、その結果、少数の卵母細胞はARTを通じて回収される。研究は欧州17カ国で946人の患者募集を目指している。Pergoverisは組み換えヒト卵胞刺激ホルモン(r-hFSH)と組み換えヒト黄体形成ホルモン(r-hLH)の配合薬で、皮下注射で投与される。

メルクのバイオ医薬品ディビジョンであるメルク・セロノのジョン・オーロフ臨床開発責任者は「ESPART研究は受精専門家と協力して妊娠率を増加させ、出産への障害克服を助けるために患者が直面している困難に対応するという共通の目標を達成するというわが社の現在のコミットメントの一環である。生殖力のある健康のリーダーとして、低卵巣反応の女性が直面している困難にどうすればよりよく対処できるかを理解する助けになることを期待している」と語っている。

メルクは次世代の不妊治療法を開発するための革新的なソリューションの発見にコミットしている。世界で7240万人以上が不妊に悩んでおり(1)、世界保健機関(WHO)によると、出産可能年齢のカップルの15%が不妊のために医療の助けを求めている(2)。不妊はメルク最大のディビジョンの主な集中分野の1つであり、重要な成長推進力である。

ESPARTの首席研究者であるオーフス大学(デンマーク・スキーベ)のペーター・フマイダン教授は「現在の社会の傾向は女性が妊娠の時期を遅らせることであり、その結果、女性は卵巣内の卵母細胞の量と質が低下するために妊娠の機会の減少に直面し、そのため成功のチャンスを最大化する受精の新たな治療選択肢が必要になっている。ESPART研究によって、低卵巣反応の女性が刺激のプロトコルで組み換えLHの追加から恩恵を受けられれば、最終的には妊娠率の向上を達成できることを明らかにしたいと期待している」と述べている。

ESPART第III相マルチセンター、無作為、対比、シングルブラインド試験は、欧州生殖医学会(European Society of Human Reproduction and Embryology、ESHRE)2011年コンセンサス会議の結果に沿って、PORに分類された患者でPergoverisとGONAL-fを比較する(3)。ESPART研究の主要エンドポイントは回収された卵胞の総数である。副次エンドポイントには現行の妊娠率、出生率、胚インプラント率、臨床妊娠率、生化学妊娠率が含まれる。この試験の設計は「Reproductive Biology and  Endocrinology(生殖生物学・内分泌学)」ジャーナルでLehertと同僚が先月発表したメタ分析の結果がサポートしている(4)。この分析は卵巣刺激中のr-hFSHとr-hLHの結合がPORに分類された患者のいくつかのサブグループに恩恵を提供するかもしれないことを示唆している。

Lehertのメタ分析は、6443人の患者を治験する43カ所の地点のランダム化比較対照試験のデータを調べたもの。このメタ分析の結果は、r-hFSH plus r-hLHおよびr-hFSH両グループ(加重平均差=WMD -0.03;95%信頼区間=CI;-0.41 to 0.34)の間で全体の患者集団に対して集められた卵母細胞の数に優位の差異は示さなかった。しかし、r-hFSH plus r-hLHで治療されたPOR患者においては、r-hFSHだけのそれよりもかなり多くの卵母細胞が検出された(n =1077; 平均差+0.75 卵母細胞; 95% CI 0.14-1.36)。さらに、解析された全患者集団(リスク比1.09; 95% CI 1.01-1.18)だけでなくPOR患者においても、r-hFSH単独治療と比較してr-hFSH plus r-hLHの治療の方が極めて高い臨床上の妊娠率が認められ、これらの差異はさらに一層明確だった(n = 1179; RR 1.30; 95% CI 1.01-1.67; ITT population)。

 (*)ESPART:生殖補助技術(ART)における排卵誘発剤Pergoveris(登録商標)投与の有効性と安全性の評価。

▽Pergoverisについて
Pergoveris(登録商標)はヒト卵胞刺激ホルモン(r-hFSHもしくはFollitropin Alfa 150IU=国際単位)およびヒト黄体形成ホルモン(r-hLHもしくはLutropin Alfa 75 IU)を初めて混合した製品である。これは適応症別の不妊治療向けに2種の確かで純粋な遺伝子組み換え製品の薬効を結合する点でユニークである。Pergoverisは黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)が重度に欠乏している成人女性の卵胞の成長を刺激するため処方される。

ESPART研究は第III相のマルチセンター、ランダム化比較対照、シングルブラインド、パラレル試験であり、低卵巣反応(POR)の患者にART治療サイクルの一環として、多のう(嚢)胞生育を促すGONAL-f(登録商標、Follitropin Alfa)の有効性と安全性の評価を目指している。同研究は欧州生殖医学会(ESHRE)と連携して実施され、その主たる評価項目は取り出される卵母細胞の数である。

▽GONAL-fについて
GONAL-f(登録商標)は遺伝子組み換えヒト卵胞刺激ホルモン(r-hFSH、Follitropin Alfa)であり、男女の不妊の原因となる卵胞刺激ホルモン(FSH)の自然発生が低いか欠如するのを補い、強化するため用いられる。GONAL-fペン型注入器は子宮内胎児呼吸様運動(FbM)に基づいて充てんされ、一貫性のあるFSH用量を保証する。

参考文献
(1)Boivin et al., International estimates of infertility prevalence and
treatment-seeking: potential need and demand for infertility medical care,
Human Reproduction Vol.22, No.6 pp. 1506-1512, 2007 doi:10.1093/humrep/dem046
(2)WHO Scientific Group, Recent advances in medically assisted conception:
report of a WHO scientific group. WHO Technical Report Series, No. 820. Geneva,
World Health Organization, 1992
(3)Ferraretti et al., ESHRE consensus on the definition of 'poor response' to
ovarian stimulation for in vitro fertilization: the Bologna criteria; Human
Reproduction, 2011; 26(7): 1616-1624
(4)Lehert et al., Recombinant human follicle-stimulating hormone (r-hFSH) plus
recombinant luteinizing hormone versus r-hFSH alone for ovarian stimulation
during assisted reproductive technology: systematic review and meta-analysis.
Reproductive Biology and Endocrinology; 2014 Feb 20;12(1):17

メルクのプレスリリースはすべて同時に電子メールで配信され、メルクのウェブサイトでも閲覧できる。このサービスを受けるかサービスを解除する際には、オンラインで (リンク ») に登録してほしい。

メルク(Merck)は製薬、化学部門における革新的、最高品質のハイテク製品の大手企業である。メルクはMerck Serono、Consumer Health、Performance Materials、Merck Milliporeの4部門を持ち、2013年の売上高は総額111億ユーロ。約3万8000人のメルク従業員は66カ国で働き、患者の生活の質を向上し、顧客の成功を進め、世界的問題の対応を支援する。メルクは世界で最も歴史のある製薬・化学企業であり、1668年以来、イノベーション、ビジネスの成功、責任のある起業家精神を堅持している。創業者一族が約70%の利権を保有して、今日まで同社の過半数株式保有者となっている。ドイツのダルムシュタットにあるメルクは、Merckの社名とブランド名の世界的権利を保持している。唯一例外は、カナダと米国であり、EMDという社名で知られている。

ソース:Merck KGaA

本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

【企業の皆様へ】企業情報を掲載・登録するには?

御社の企業情報・プレスリリース・イベント情報・製品情報などを登録するには、企業情報センターサービスへのお申し込みをいただく必要がございます。詳しくは以下のページをご覧ください。

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]