『ウーマンウェルネス研究会supported by Kao』(代表:対馬ルリ子/産婦人科医)は、気温・湿度が下がり、乾燥が気になり始める季節を前に、女性の乾燥とストレス意識について全国の女性1万人(20-50代)を対象に調査を行いました。
その結果、目の乾きを感じる人は71.3%、口の乾きを感じる人は53.3%、顔や身体の肌の乾燥が感じる人は76.6%と、各部位ともに半数以上の人が乾燥を感じていることがわかりました。(グラフ(1))さらに、34%の人は、目・口・肌すべての乾燥が気になるドライシンドロームに当てはまると答えています。(グラフ(2))
■ストレスと比例する乾燥意識
ストレス意識と乾燥について調べたところ、ストレスを感じている人の36.8%が、ドライシンドロームに当てはまると答えたのに対し、ストレスを感じていない人で当てはまると答えたのは15.9%で、ストレスを感じている人の方が約20ポイントも高い割合で乾燥を感じていることがわかりました。(グラフ(3))
さらに、ストレスの要因と乾燥について調べたところ、「SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)」をストレス要因に挙げている人は、5割以上の人がドライシンドロームに当てはまると答えており、高い割合で乾燥を感じていることが分かりました。(グラフ(4))
デジタル機器とSNSの各利用時間と乾燥については、いずれも一日の利用時間が長いほど、目・口・肌の乾燥を感じる割合が高い傾向にありましたが、SNSを利用している人の方がより乾燥を感じていることも明らかになりました。(グラフ(5))
■ストレスが招く 『新型ドライシンドローム』
この結果に対する、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキンの各専門医の見解を総括すると次の通りとなります。「ドライマウス、ドライアイ、ドライスキンの要因として共通しているのは、ストレスです。ストレスにより自律神経が乱れると、唾液や涙の量が減ったり、バリア機能が低下し、肌が乾燥するということがわかっています。」
また、SNSでのストレスを感じている人の方が、より乾燥を感じているという点については、「SNS上での人間関係による精神的なストレスに加え、話す(口を動かす)機会が少ないことによる唾液の減少(=ドライマウス)や、SNS利用による長時間の目の酷使(=ドライアイ)などの身体的負担もあるためではないか」とも述べています。
秋は気温とともに湿度が下がり、乾燥が気になる季節です。ウーマンウェルネス研究会では、上記の様に、ストレスが要因として考えられる乾燥を、『新型ドライシンドローム』と名づけました。ドライマウス、ドライアイ、ドライスキンの各チェックシートと部位ごとの適切なセルフケア方法をご提案します。本格的な乾燥シーズンである冬を前に、しっかりケアをはじめましょう。
■唾液の悩みは身体の不調とも関連する!
唾液(口の乾きや口臭、ネバつき)については、ドライアイや目の疲れ、冷え、疲労感などさまざまな身体の不調とも関連することが最新の調査でわかっています。(表(1))
▼乾燥チェックはこちらから(自己診断表でチェックしてみましょう)
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■『新型ドライシンドローム』対策方法~リラックスを心がけ、部位ごとに適切なセルフケアで乾燥対策を~
まずは、ストレスを上手に発散して溜めすぎないようにし、生活の中でリラックスを心がけるようにしましょう。
また、部屋の湿度に気を配り、食事や睡眠など規則正しい生活を送ることも大切です。その上で、気になる部位ごとに適切なセルフケアを行いましょう。
【ドライマウスのセルフケア方法】
唾液の分泌を促すマッサージや保湿効果のある口腔ケア製品などをうまく取り入れましょう。
唾液腺のマッサージ(図(1))
よく噛んで食べる
保湿ジェル、保湿スプレーを利用する
保湿効果のある歯磨き剤を使う
ノンアルコールタイプの洗口剤を使う
▼さらに対策をしたい方はこちらから
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【ドライアイのセルフケア方法】
ドライアイには、目元を温めることが効果的であることがわかっています。(表(2))
目のまわりの血めぐりがよくなり、乾燥や眼精疲労を解消するだけではなく、リラックス効果も期待できます。
約40度の蒸しタオルで10分程度温める
パソコンやテレビの画面の位置は目線よりも下にする
遠近ピント合わせストレッチ ((1)遠くを見る、(2)近くを見るを5~10回繰り返す。遠近それぞれの位置にピントを合わせて数秒キープする)(図(2))
▼さらに対策をしたい方はこちら
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【ドライスキンのセルフケア方法】
スキンケアの三本柱:洗浄、保湿、紫外線防御で、肌の乾燥を予防しましょう。
洗浄剤は刺激の少ないものを使用し、肌を擦らずになで洗いし、よくすすぐ(図(3))。
入浴は38~40度程度のぬるめのお湯で、保湿系の入浴剤を使う。
洗浄後には必ず保湿ケア、「セラミド機能成分」配合の保湿剤が効果的です。
肌の乾燥、バリア機能低下を招く紫外線対策を行う。
【監修】
● 志村真理子先生
歯科・口腔外科医師。NTT東日本関東病院 歯科口腔外科 ドライマウス外来・口腔ケア外来 担当
志村デンタルクリニック 副院長
● 後藤英樹先生
医学博士・後藤眼科医院(鎌倉市)院長。慶応義塾大学医学部 眼科非常勤講師
● 石田耕一氏
花王株式会社 スキンケア研究所 主席研究員
<調査概要>
調査方法 : インターネット調査(調査実施機関 株式会社マクロミル)
調査期間 : 2014年9月4日~9月5日
調査対象 : 全国の20歳~59歳の女性 10,000名
調査内容 : ストレスと乾燥に関する意識調査
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