マーサー「2015年世界生活環境調査(Quality of Living Survey) ‐都市ランキング」を発表

マーサー ジャパン株式会社

2015-03-04 19:00

・ウィーンが「世界生活環境ランキング」の首位 ・ヨーロッパの都市がランキングの上位で優勢 ・日本の3都市がトップ50位にランクイン - 東京(44位)、神戸(47位)、横浜(48位) ・新興都市が順位を上げる
マーサーは「2015年世界生活環境調査(Quality of Living Survey)‐都市ランキング」を発表した。調査結果によると、ウィーンが前年と同じく、世界で最も生活環境水準が高い都市となった。全体では、ヨーロッパの都市と共に、オーストラリアとニュージーランドの主要都市が世界生活環境ランキングの上位を占める結果となった。2位にチューリッヒ、3位にオークランド、4位にミュンヘンが続いている。5位は北米で最も生活環境水準が高いバンクーバーとなり、この地域で唯一トップ10位に入る結果となった。アジアではシンガポール(26位)、中東・アフリカではドバイ(74位)が各々の地域での最高位となった。中南米ではウルグアイのモンテビデオ(78位)が地域で最高位となった。日本では、東京(44位)が最高位となり、神戸(47位)、横浜(48位)、大阪(58位)がそれに続く結果となり、昨年比の順位に大きな変動はなかった。

マーサーは、多国籍企業やその他の組織が駐在員を海外に出向させる際の報酬を公平に決定する基準となる「世界生活環境調査(Quality of Living Survey)」を毎年実施している。海外駐在員のインセンティブとして、ハードシップ手当と海外勤務手当(モビリティープレミアム)がある。マーサーの世界生活環境レポートは、世界440都市以上のハードシップ手当に関する有益な情報を提供している; 当都市ランキングは、その内の230都市を対象としている。

「新しい国への、短期または長期の赴任は、海外駐在員やその家族にとって刺激的で挑戦的な経験です。」マーサーのプリンシパルであるスラジン・パラカティル氏は述べている。「文化、社会、多少とも異なる気候および政情不安、高い犯罪率、不十分なインフラは、海外駐在員やその家族が順応することを難しくするかもしれません。企業は従業員やその家族が移住により、どのような生活環境の悪化に直面するかどうかを評価し、適切に報酬に反映されていることを確認する必要があります。」

パラカティル氏はこう続ける。「昨年度の調査と同様に、新興都市は、ますます従来のビジネス・金融センターの競合となっていると認識しています。これらの「セカンドティアの新興都市」は生活環境水準の改善のため、特にインフラに投資を行っており、その結果、より多くの外国企業を誘致しています。」

地域別分析

【ヨーロッパ】
経済成長の懸念に関わらず、西ヨーロッパの都市は、引き続き、海外駐在員と企業にとって安定した環境を提供している。ウィーン(1位)にチューリッヒ(2位)、ミュンヘン(4位)、デュッセルドルフ(6位)、フランクフルト(7位)が続いている。ジュネーヴが8位、コペンハーゲンが9位とそれに続き、西ヨーロッパの7都市が、トップ10位中に入る結果となった。西ヨーロッパで最下位の都市はベルファスト(63位)、アテネ(85位)となっている。中・東ヨーロッパの生活環境水準は、都市によりさまざまである。最高位の都市は、プラハ (68位)、ブダペストとリュブリャナ(共に75位)となった。新興都市であるポーランドのヴロツワフ(100位)は、文化・社会環境が好調であり、消費財が入手しやすくなっている。この地域の最下位の都市は、 キエフ (176位)、 ティラナ(180位)、 ミンスク(189位)となっており、キエフは政情不安およびウクライナ問題の影響で、大きく順位を落としている。

【南北アメリカ】
北米では、カナダとアメリカの生活環境水準は引き続き高い。バンクーバー(5位)がこの地域の最高位となり、その後に カナダの都市のトロント(15位)、オタワ(16位)が続く一方、アメリカの都市の最高位は、サンフランシスコ(27位)、ボストン(34位)、 ホノルル(36位)という結果となった。メキシコの最高位の都市は、モンテレイ(109位)となり、メキシコシティは126位にランクインした。北米地域の最下位の都市は、ハバナ(193位)、ポルトープランス(228位)となっている。

南米では、モンテビデオ(78位)、ブエノスアイレス(91位)、サンティアゴ(93位)が最高位の都市となる一方、ラパス(156位)とカラカス(179位) が最下位となった。 ブラジルでは、マーサーが新興都市と位置づけるマナウスが127位にランクインした。マナウスは、既に好調な産業センターであり、その経済特区(Free Economic Zone)における豊富な消費財の供給、比較的高度なインフラは、マナウスの海外駐在員子女向け外国人学校の数不足および遠隔性の影響をある程度和らげている。

【アジア・太平洋】
アジアは、生活環境水準の差が最も大きい地域であり、最高位のシンガポールは26位、最下位のタジキスタンのドゥシャンベ(214位)となった。東アジア地域の都市のランキング上位は、東京が44位;この地域のその他の主要都市は、香港(70位)、 ソウル(72位)、台北(83位)、 上海(101位)、 北京(118位)という結果となった。この地域における注目すべき新興都市は、韓国のチョナン(98位)、 台湾の台中(99位)である。中国の都市の西安と重慶(共に142位)もまた、新たなビジネス拠点として浮上している。これらの都市の生活環境水準改善の最大の課題は、安全な水の供給と大気汚染である。一方で、通信・消費分野の発展がこれらの都市のランキングに多少とも良い影響を与えている。

東南アジア地域の都市のランキング上位は、最高位のシンガポールに続き、クアラルンプールが84位;この地域のその他の主要都市は、バンコク(117位)、 マニラ (136位)、 ジャカルタ(140位)という結果となった。南アジア地域では、コロンボ(132位)が最高位となり、その後に、インドの新興都市のハイデラバード (138位) とプネ (145位)が続いている。これらの都市は、同国の従来からのビジネスセンターであるムンバイ(152位)とニューデリー(154位)より上位にランクインしている。近年のムンバイとニューデリーにおける急激な人口増加は、安全な水の利用、大気汚染、交通渋滞などを含む、従来の問題を大きくしている。

太平洋地域では、ニュージーランドとオーストラリアのいくつかの都市が世界生活環境ランキングの上位となり、オークランドは3位、シドニーは10位、ウェリントンは12位、メルボルンは16位にランクインしている。

【中東・アフリカ】
中東・アフリカ地域では74位のドバイが最高位となった。アラブ首長国連邦のアブダビ(77位)、モーリシャスのポートルイス(82位)がそれに続いている。南アフリカでは、新興都市のダーバン(85位)が、同国の従来からのビジネスセンターであるケープタウン(91位)とヨハネスブルグ(94位)より上位にランクインした。ダーバンは、質の高い住居、豊富なレクリエーション、消費財の入手しやすさにより、ランキング上位となった。一方で、この都市の犯罪問題が、トップ50位入りを妨げている。

ランキング230位のバグダッドは、この地域ならびに世界生活環境ランキング全体の最下位となった。
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ランキング表を含むリリース全文はこちらからご覧ください:
(リンク »)
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「マーサー 2015年世界生活環境調査‐都市ランキング」

総合ランキング
<上位10都市>
1 ウィーン (オーストリア)
2 チューリッヒ (スイス)
3 オークランド (ニュージーランド)
4 ミュンヘン (ドイツ)
5 バンクーバー (カナダ)
6 デュッセルドルフ (ドイツ)
7 フランクフルト (ドイツ)
8 ジュネーブ (スイス)
9 コペンハーゲン (デンマーク)
10 シドニー (オーストラリア)

<下位10都市>
230 バグダッド (イラク)
229 バンギ (中央アフリカ共和国)
228 ポルトープランス (ハイチ)
227 ハルツーム (スーダン)
226 ンジャメナ (チャド)
225 サヌア (イエメン)
224 ブラザヴィル (コンゴ共和国)
223 キンシャサ (コンゴ民主共和国)
222 コナクリ (ギニア)
221 ヌアクショット (モーリタニア)

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付記:2015年世界生活環境調査(Quality of Living Survey)について

「世界生活環境ランキング(Quality of Living Survey)」は、マーサーがグロー バルで実施する世界生活環境調査の最新の結果に基づき毎年作成されています。マーサーでは調査対象の都市ごとに個別レポートを作成しています。全都市を対象としたサマリーレポートは作成しておりません。基準都市と対象都市を選んでご購入いただく生活環境指数(レポート)の価格は、一都市につき USD470です。複数都市比較も可能です。本データは主に2014年9月から11月にかけてマーサーが収集したもので、環境の変化に対応して定期的に更新されています。

生活環境が厳しい地域で勤務する海外駐在員への適切な報酬とインセンティブ
企業は、合理的で一貫性のある海外駐在員の報酬制度を構築する必要があります。海外、特に生活環境が厳しい地域で勤務する社員へ、一定のインセンティブを支給することが一般的となっています。一般的なインセンティブとして、ハードシップ手当と海外勤務手当(モビリティープレミアム)があります。
・ハードシップ手当は、派遣元と派遣先の生活環境差に対する補償として支払われる。
・ 海外勤務手当(モビリティープレミアム)は、本国を離れて海外で勤務することに対する奨励として支払われる。

通常ハードシップ手当は赴任先によって異なりますが、海外勤務手当は赴任先によって金額が変わるものではありません。多国籍企業の中にはこれらの手当を合算して支給している企業もありますが、ほとんどの企業では別々に支給しており、その方が手当の中身がより明確で分かりやすいと考えられます。

生活環境の質:都市のベンチマーキング
マーサーの世界生活環境調査(Quality of Living Survey)は、自治体が各都市の世界生活環境ランキングを向上させることが出来る要因を評価する一助となります。グローバル環境において、企業や組織が人材を派遣して新たなビジネスを立ち上げる拠点の選択肢は、豊富にあります。したがって、都市の生活環境水準は企業や組織が考慮する重要な変数であると言えます。

多くの都市のリーダーは、市民の生活環境に影響を与え、ランキングに作用する具体的な要因の追求に努めています。マーサーは独自の評価基準により、各都市の多国籍企業と海外駐在員誘致に関する要素改善に対し包括的な助言を行っています。

マーサーが推奨するハードシップ手当
マーサーの調査では、世界440都市において生活環境査定に必要な39の重要項目について評価を実施しており、以下の10カテゴリーに分類されています。

1.政治・社会環境(政情、治安、法秩序等)
2.経済環境(現地通貨の交換規制、銀行サービス等)
3.社会文化環境(メディアの利用、検閲、個人の自由の制限等)
4.健康・衛生(医療サービス、伝染病、下水道設備、廃棄物処理、大気汚染等)
5.学校および教育(水準、およびインターナショナルスクールの有無等)
6.公共サービスおよび交通(電気、水道、公共交通機関、交通渋滞等)
7.レクリエーション(レストラン、劇場、映画館、スポーツ・レジャー施設等)
8.消費財(食料/日常消費財の調達状況、自動車等)
9.住宅(住宅、家電、家具、住居維持サービス関連等)
10.自然環境(気候、自然災害の記録)

上記の項目スコアは2都市間で比較することが可能です。「生活環境指数」は、2都市間の相対的差異を比較するための指数となっています。生活環境指数を実際に適用していただくために、マーサーでは生活環境指数の結果からハードシップ手当相当額を算出するための割合を参照いただける表(grid)をご提供しております。

詳細および、レポートのお申込みにつきましては、インフォメーション・ソリューションズ部門グローバル・モビリティ(電話:03-5354-1483)もしくは mobility.japan@mercer.comまでご連絡下さい。

世界生活環境レポート(以下、レポート)に含まれるデータは情報提供を目的としたものであり、多国籍企業や政府機関が使用することを前提としています。対外投資や観光産業の基盤として使用されることを目的とはしていません。マーサーは、レポートに基づいて取られたいかなる決定や行為およびそれに伴う結果についても責任を負いません。レポートは信頼性があり正確だと考えられる情報やシステムに基づいて作成されていますが、現状有姿で提供されるものであり、レポートの編集に使われた出典やデータの妥当性、正確性などについてマーサーが法的責任を負うものではありません。マーサーとその関連会社はレポートに関する説明および保証を一切せず、特定の目的に対する品質、精度、適時性、完全性、市場性、および適合性を含むいかなるものに対しても、特別な黙示の法的保証をいたしません。

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Quality of Living City Rankings 2015
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