巡洋戦艦フッド(HMS Hood)の船鐘の回収に成功

Vulcan Inc.

From: 共同通信PRワイヤー

2015-08-10 17:00

巡洋戦艦フッド(HMS Hood)の船鐘の回収に成功

AsiaNet 61442(1018)

【シアトル、ポーツマス(英国)2015年8月9日PRN=共同JBN】米国の慈善事業家で起業家のポール・G・アレン(Paul G. Allen)氏が率いる探査チームは、第2次世界大戦中の1941年に沈没した巡洋戦艦フッドの船鐘の回収に成功した。船鐘は修復されれば、同艦が北大西洋で戦艦ビスマルクによって撃沈された際に亡くなった1415人の戦死者にとって、敬意を表するにふさわしい有形記念物としての役割を果たすことになる。

船鐘は8月7日に回収された。アレン氏のチームは、最新式の遠隔操作型無人探査機(ROV)を装備した同氏所有のヨットM/Yオクトパス号を使って探索を進めてきた。

英国防省と英海軍は、国防省側の費用負担なしで船鐘を回収するというアレン氏の寛大な行為に感謝している。

アレン氏は「今年は第2次世界大戦終結70周年に当たる。この取り組みは、海で亡くなった多数の勇敢な水兵を追悼するものである。マイティー・フッド(Mighty Hood)の船鐘を回収するための探索に乗り出すことは、本当に名誉なことである」と語った。

船鐘は2001年7月に初めて発見、撮影された。巡洋戦艦の船体の部分からかなり離れた海底に横たわっている状態で見つかった。船鐘を回収するため、2012年にもアレン氏の率いる探索隊が組まれたが、全体的な気象状況と技術的な問題によって妨げられた。

どちらの探索作業も、難破船の探索と調査を専門とするBlue Water Recoveries Ltdのサポートを受けた。

船鐘は良好な状態にあるが、非常に長い間、深い海中にあったため、1年間の専門家による保存と修復の努力が必要である。

Blue Water Recoveriesディレクターのデービッド・メアンズ氏は「船員仲間への思い出として船鐘を回収してほしいというフッドの乗組員1418人のわずか3人の生存者の1人テッド・ブリッグズ氏の最後の願いの1つをかなえらえたことに、非常に満足している」と語った。74年間、デンマーク海峡の深淵に沈んでいたにもかかわらず、船鐘は非常に良好な状態にある。その表面を飾っている刻銘は、その船鐘がまず1891年から1914年まで戦艦フッドの船鐘として使用された後、巡洋戦艦フッドでの使用のために保存されていたことをはっきりと示している。それゆえ、この船鐘は50年間にわたり、英国海軍の2隻の主力艦で戦闘を見守ってきた。船鐘に刻印された文字はまた、ユトランドの戦いで死亡した夫のホラス・フッド海軍少将を追悼して同艦を進水させたフッド夫人の願いも記録している。われわれが回収した船鐘は、フッドが英国の巡洋戦艦隊の旗艦として、いかに重要であったかを示す唯一の歴史的な遺物である。これは、明らかに特別の艦船のための特別の船鍾であった。そして、マイティー・フッドにふさわしい記念物として、その船員たちの軍務と犠牲を思い出させるものとしての役割を果たすだろう」と語った。

回収成功について、海軍本部委員会第一軍事委員のジョージ・ザンベラス海軍大将は「両大戦間の時代の英国海軍の大きな力の象徴であるマイティー・フッドは、わが国の長く輝かしい海事史の中で最も偉大な戦闘艦船の1つである。同艦が英国の生命線を構成する輸送船団を守るために火砲を発射しながら沈没したということは、生き残りのため、また、われわれが今日享受している自由と繁栄のため、島国であるわが国が支払った高い代償を痛ましくも思い出させるものである。同艦の物語、犠牲は今も英国海軍を鼓舞し続けている。同艦の船鐘の回収により、亡くなった1415人とフッドの名は感謝の思いを抱く国民によって常に記憶されるだろう」とコメントした。

巡洋戦艦フッドは、沈没させられた英国海軍の艦船としては最大のものであり、単一の英国軍艦としては最大の人的損失をこうむった。その回収は、1941年の同艦の最後の任務よりも前に同艦に服務した退役軍人や同艦とともに戦死した人たちの遺族が会員となっている巡洋戦艦フッド協会(HMS Hood Association)によって全面的に支援されている。

同協会の会長は、フィリップ・ウィルコックス海軍少将である。彼のおじは巡洋戦艦フッド上で亡くなった人たちの1人であった。ウィルコックス海軍少将は「巡洋戦艦フッド協会は、デンマーク海峡の暗黒の深淵から巡洋戦艦フッドの船鐘を回収したポール・アレン氏、デービッド・メアンズ氏およびM/Yオクトパス号の乗組員たちのすさまじい努力とプロフェッショナリズムに大変感謝している。特にポール・アレン氏のサポートは傑出したものであり、われわれは、回収作業への彼個人の献身的行為を称賛する」と語った。

同海軍少将はまた「海で死ぬ人たちにとっては花に囲まれる墓石はない。1941年5月24日に巡洋戦艦フッドで命を失った1415人の将校や兵士にとって、船鐘が回収され。その後のポーツマスの国立英国海軍博物館に名誉ある展示がなされることで、後世の人々が同艦の船鐘をじっくりと眺め、感謝と謝意の気持ちで、自国の軍務で死んだフッドの全乗組員の英雄的行為、勇気、個人的犠牲を思い出すことができるということになる」と語った。

船鐘の保存が完了すれば、それは国立英国海軍博物館(NMRN)によって展示され、2014年にポーツマスの旧海軍工廠にある国立英国海軍博物館内に開設された20世紀と21世紀の海軍のための新しい展示室の主要な展示品になる。巡洋戦艦フッドはポーツマスを基地にしていたので、それはうってつけの場所となる。

船鐘の回収成功について、NMRNの館長、ドミニク・トウェドル教授は「巡洋戦艦フッドの船鐘を展示することは名誉であり、特権である。われわれの新しい展示室は、20世紀と21世紀の英国海軍の人々の英雄的行為、任務、犠牲を想起し、後世に伝えるものである。巡洋戦艦フッドの船鐘はこの物語の全容を封印しており、他の物品ではそれは不可能である。われわれは、1941年5月24日に巡洋戦艦フッドとともにビスマルクと戦った巡洋戦艦プリンスオブウェールズ(HMS Prince of Wales)の船鐘を既に保有している。少なくとも気持ちの上で2隻の艦船を再び結び合わせることは素晴らしい」とコメントした。

巡洋戦艦フッドの残骸は、1986年軍遺物保護法に指定されている。メモリアルを行うことと同様、今回の回収によって、個人的な利益のための違法な作業で盗まれることが防止された。

詳細は、英国海軍の広報担当官、電話44 7748932702まで問い合わせを。

▽ポール・G・アレン(Paul G. Allen)氏について
ポール・G・アレン氏は有力な投資家、企業家、慈善事業家で、これまでに20億ドル以上を慈善目的のために投じている。1986年にジョディー・アレン氏と共同でVulcan Inc.を設立し、同氏の事業と慈善活動を取り仕切っている。アレン氏はPaul G. Allen Family Foundationの共同設立者でもある。Vulcan Inc.は現在、世界中でアレン氏の広範な投資およびイニシアチブを管理運営している。2003年にはアレン脳科学研究所(Allen Institute for Brain Science)を設立、健康ないし病気の状態にある人間の脳についての理解を促進し、その10年後にはアレン人工知能研究所(Allen Institute for Artificial Intelligence)に発展して人工知能の分野での開発機会を追求した。2014年、アレン氏は1億ドルを投じてアレン細胞研究所(Allen Institute for Cell Science)を設立、また別途1億ドルをエボラ出血熱の拡散防止のために出資した。アレン氏はマイクロソフトの共同創設者の1人であり、シアトル・シーホークス、ポートランド・トレールブレイザーのオーナーでもある。詳細はwww.paulallen.com 、www.vulcan.com を参照。

▽問い合わせ先
hoodbell@vulcan.com または+1-206-342-2526

ソース:Vulcan Inc.

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