今から27年前の9月13日、日本で始めてコンピュータウイルスの被害が報告されました。
世界ではそれ以前にもコンピュータウイルスの報告がありましたが、それらのウイルスの多くはIBM-PCで動作していたため、NEC-PC9801がシェアを占めていた日本ではすぐに被害が及ぶことはありませんでした。例えば1988年の秋には画面の文字が滝のように落ちていく有名なウイルスが登場して流行しましたが、日本ではほとんど被害が出ませんでした。
日本で初めて報告されたウイルスは、PC-VAN(現在のBIGLOBE)というプロバイダの電子掲示板を利用していました。犯人はこのプロバイダの利用者にメールでプログラムを送りつけ、そのプログラムを実行すると、コンピュータがウイルスに感染するようになっていました。このウイルスは被害者が使用している通信ソフトウェア(プロバイダから提供されているもの)を改変し、プロバイダIDとパスワードを電子掲示板に暗号化して自動で書き込むものでした。犯人はその書き込みを解読し、被害者のプロバイダIDとパスワードを入手した上で、そのアカウントを使って電子掲示板にログインし、該当する書き込みを手動で削除していました。
このような書き込みは同年の春から見受けられたようですが、電子掲示板の事務局では、仲間内でゲームか何かのデータを交換しているのではないかと判断しており、またすぐに削除されていたので特に注意はしていませんでした。ところが夏頃になるとこのような書き込みが長期間放置され始め(犯人が怠慢になってきたためのようです)、事務局は書き込みをしたアカウントに対して「一般の人が読めないものは書き込まないでください」と、注意のメールを送りました。
この続きは以下をご覧ください
(リンク »)
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。