インターネットに接続された多数の小型情報機器から得られる様々な情報(ビッグデータ)を活用する街のインテリジェント化、スマート化の取り組みが各所で始めっています。
今回の実験は総務省の戦略的情報通信研究開発推進事業として取り組んでいるもので、情報指向ネットワークICN技術と自律的分散処理技術を用いて、多数の情報機器から得られる情報を分析処理する時に課題となる、データの収集のための通信ネットワークコストの大幅な削減と、分析に使用する計算装置のコストを削減することを可能とするものです。これは機器から集めた情報を、中央の大型計算機でまとめて分析処理する方式に対し、多数の機器が処理を分担し全体として目的の分析処理を実現するものでエッジコンピューティングとも呼ばれています。
この技術実験は既に2月に成功しており、今回の実験はその応用として、実際の街にみられる通信設備が不均一な状態でも、多数の計算機が互いに通信しながら協調的に動作し、低コスト且つ柔軟に様々な要求を処理できることを実証します。
Skeedと早稲田大学は今後もICNの研究を続行し、さらに現実のネットワークとの整合性を向上し、より使い勝手の良い通信方式を実現する研究開発を続行します。
Information Centric Networkとは
情報指向ネットワーク(Information Centric Network)とは、データの送信元のアドレス(位置)と送信先のアドレス(位置)を指定してデータを送信するこれまでの一般的なパケット通信方式に対し、データの「中身」でネットワークに向けて要求を発信し、ネットワークが自律的にデータを見つけ出して取得し要求元に送る技術です。
Skeedがこれまで事業として取り組んできたPeer to Peer(P2P)ネットワークを実現する主要技術です。情報を集中的に蓄えるサーバー装置等に依存しない通信ができることが特徴です。
近年各国で研究が活発化し、ITU-T等で標準化活動が開始されました。
自律分散型画像分析システムとは
ICNで互いに通信可能な多数のコンピュータ装置(ノード)が自律的に分担して、処理負担の大きな画像を実行するシステムを開発しました。分散して配置されたコンピュータ全体を統括管理する機構が無くても、各ノードが自律的な判断で適切に処理を分割し分散実行できることが特徴です。
このシステムにより、例えば大量のセンサー装置(画像センサーなど)からのデータの分析をする場合に、各センサーの全データを一度サーバー等に収集することなく、ネットワーク内の途中のノードで処理してデータ量を縮小したうえで収集できるため、通信トラフィックの大幅な縮小、サーバでの処理の過度な集中を回避することが可能になります。
ご参考:2016年2月に実施した技術実験の概要
2016年2月に実施した実証実験では、同システムを用いて観光地(北九州市門司区、門司港観光地区)における来訪者属性の分析実験を実施し機能と運用性を確認しました。地区内の観光施設にWiFiや携帯電話網で接続された20台のコンピュータ機器を分散配置し、さらに各コンピュータ装置にはセンサーとしてカメラを接続。各コンピュータのカメラでとらえた画像から人を検出し、その服の色をその特徴を表す値の例として収集し、その統計計算に成功しました。
■早稲田大学大学院基幹理工学研究科におけるICN研究について:
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早稲田大学 国際情報通信研究科では、IP(Internet Protocol)ネットワークの次の世代のネットワーク技術として期待されている、Information Centric Networkの研究を積極的に実施しています。通信プロトコルの研究、応用研究の他、ITU-T等の国際標準化活動への提案を推進しています。
■株式会社Skeed(スキード)について: (リンク »)
株式会社Skeed(スキード)は独自の高速データ転送技術とP2Pアーキテクチャをベースとした自律分散コンピューティング技術により、高効率でセキュアな純国産のネットワーク・ソリューションを開発・販売しています。更なる広がりをみせるクラウドコンピューティングやビッグデータ、IoT時代において必須となる真のコアバリューを提供しています。
Skeedは、2013年にRed Herring Global Top100 Companyに選出されています。
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<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社Skeed(スキード) 広報担当:松岡
TEL:03-5487-1032 E-mail:pr@skeed.co.jp
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