自動車OEM企業は、軽量自動車の開発を進めるにあたり、新素材、新グレード、新プロセスの導入に関連する課題に継続的に対応しなければなりません。先進的な軽量素材、複合材、超高硬度鋼や超高硬度アルミを選択する場合、既存のノウハウは頼りになりません。今日の革新的なマルチマテリアル戦略においては、むしろ組立後の挙動の正確な把握と早期の予測が求められます。不安が少しでも残ると、大胆な決断を避け、コストがかかる過度な作り込みに走ることになります。
Virtual Performance Solution2016は、新機能を提供することで、新素材導入に関連する課題に取り組むOEMを支援し、次世代軽量自動車の設計を実現します。まず、新しいリメッシング機能の導入によりにより、衝撃後の破断の進展を正確に把握することができます。これは、新素材や新たな組立方法を採用した場合、衝突破断領域に何が起きるかを詳細に解析するために重要です。
次に、Virtual Performance Solution2016では、先進的な複合材/強度モデルを新たに搭載し、合成部品の破損挙動と衝突時のエネルギー吸収能力の予測を可能にします。新バージョンでは、繊維の方向性などの複合材成型プロセスに由来する製造上の影響を考慮に入れることで、複合材の構造的な性能予想の精度を大幅に向上しました。(このテーマに関する詳細は、第17回欧州複合材料会議(ECCM)で当社が発表した最新の技術報告書 (リンク ») をご覧ください。)
自動車メーカーのもう一つの大きな課題は、自動車から発生する騒音の低減を目指す新たな環境規制への対応です。欧州委員会は最近、2026年以降実施される厳しい新騒音制限値を発表しました。電気自動車やハイブリッド車の場合は静音性が特に高いため、歩行者との衝突リスクを低減するために騒音レベルを上げる方向で法制化が検討されています。
騒音に関連する問題を効果的に解決するために、Virtual Performance Solution2016は、騒音・振動・ハーシュネス(NVH)に関する拡張機能を提供します。構造に関する有限要素法(FEM)と車外に関する境界要素法(BEM)を組み合わせ、騒音の拡散も予測できるようになりました。単一コアモデルを完成車にも適用することで、荷重条件を簡単に設定できます。これは、構造上の反応に関する高レベルの予測に欠かすことができません。さらに精度を向上するために、単一コアモデルには最新の革新的な先端素材や生産プロセスについても頻度依存性や製造履歴が統合されています。あらゆるエンジニアリング・チームでこの単一コアモデルを使用することで、開発サイクルとコストを大幅に抑えることができます。
この単一コアモデルを使用すれば、規定の衝突試験やNVH試験だけでなく、実際の運転条件を評価するためのバーチャル試験も実施できます。VPSのウォーターフロー・モジュールにより、水漏れリスクの発見や、雨が運転者の視界に及ぼす影響を評価することもできます。詳細は、ウォーターフローシミュレーション (リンク ») 、本田技術研究所様のVPS導入事例「車体耐久性向上のための水撃解析 (リンク ») 」をご覧ください。
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ESIは、バーチャルプロトタイピングソフトウェアおよびサービスのプロバイダーとして業界をリードするイノベーターです。材料物理学の専門知識を生かし、製作・組み立て・またさまざまな環境での製品試験を、仮想環境で実施可能なバーチャルソリューションを提供します。今日では、バーチャル・リアリティとの連動、システム・モデルによる作動、データ分析の活用により、バーチャルプロトタイピングは没入型の相互的なものとなりました。これにより、設計開発者は、より信頼性・保守性・保全性を高め、製品を生産することができます。国内外の幅広い産業においてものづくり産業を支援するESIは、試作レスで製品が認証試験をクリアし、高品質な製品を送り出すことができるようサポートいたします。ESIのバーチャル・プロトタイピング・ソリューションは製品をスマートで自律的にするという新たなニーズにこたえ、工業製品メーカーのデジタル化をサポートします。
現在、ESI製品は幅広い業界で活用され、40カ国以上のお客様ニーズに応えるため、全世界で1,100人以上の高レベルなスペシャリストを雇用しています。
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