総合優勝を目指して厳しい戦いに挑むポルシェLMPチーム

ポルシェジャパン株式会社

From: 共同通信PRワイヤー

2017-06-13 11:05

総合優勝を目指して厳しい戦いに挑むポルシェLMPチーム

ル・マン24時間レースLMP1プレビュー


ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)にとって、シーズンハイライトに向けたカウントダウンが最後の瞬間を告げようとしています。6月17~18日、ル・マン24時間レースで3年連続での優勝を目指し、この耐久レースの輝かしい栄冠のためにポルシェは再び戦うことになります。サーキットでの最強のライバルはトヨタです。この日本のメーカーは、まだル・マンで優勝したことがありません。2016年、トヨタは技術的な不具合によってレース終了のわずか数分前にリタイヤし、劇的な結末を迎えました。2017年、トヨタはトップカテゴリーであるLMP1-Hクラス3台のマシンをエントリーさせて、2台のポルシェ919ハイブリッドと争います。

5人の総合優勝経験者を擁するポルシェのドライバーラインナップ:
カーナンバー1のポルシェ919ハイブリッドのステアリングをシェアするのは、ニール・ジャニ(33歳、スイス)、アンドレ・ロッテラー(35歳、ドイツ)、ニック・タンディ(32歳、ドイツ)です。この3人のドライバーは、合計でル・マン参戦20回、総合優勝5回という経歴です。まず、ジャニ(参戦8回、総合優勝1回)は唯一の2017年のル・マンのタイトルディフェンダー兼FIA世界耐久選手権現チャンピオンで、また2015年以来、予選ラップ記録保持者でもあります。ロッテラー(参戦8回、総合優勝3回)はこれまでアウディで華々しいキャリアを積み、今回がポルシェをドライブする初めてのル・マンとなります。タンディがル・マンのLMP1クラスで戦うのは、これが2回目です。GTクラスでは3回参戦し、2015年にはLMP1へ初参戦ながらポルシェ17回目の総合優勝を果たしました。

もう1台のマシンのドライバーとして名を連ねる、アール・バンバー(26歳、ニュージーランド)、ティモ・ベルンハルト(36歳、ドイツ)、ブレンドン・ハートレー(27歳、ニュージーランド)は、合計でル・マン参戦17回、総合優勝2回という経歴です。バンバー(参戦2回、総合優勝1回)は、2015年、タンディと一緒にLMP1のニューカマーながら優勝し、2016年はGTクラスでポルシェをドライブしました。3人の中で最も経験豊富なベルンハルトは、ル・マン参戦10回で、最初の2002年にはGTカテゴリーへポルシェから参戦し、クラス優勝を果たしました。このポルシェのワークスドライバーがアウディで参戦した2010年、ベルンハルトの名は総合優勝のトロフィーに刻まれています。ハートレー(参戦5回)は2014年以来ベルンハルトとコックピットを共有しており、全てのドライバーの中で一番ハングリー精神が旺盛です。なぜならこれまでル・マンで大きな勝利を経験したことがない為、栄冠を手にしたいと熱望しているからです。

時間との戦い、天候との戦い、トヨタとの戦い:
LMP1担当副社長のフリッツ・エンツィンガーは、激戦となることを自覚して、次のように述べています。「2017年のル・マンは非常にハードなレースになるでしょう。2016年よりもさらに速くなる可能性があります。トヨタとの対決というだけではありません。ル・マンの過酷さは、レースそれ自体です。昼夜、変化する気象条件の中、330 km/hを超える速度で絶えずライバルを追い抜き、周回遅れにさせながら走破する5,000 kmを決して軽く見てはなりません。どの瞬間に何が起こるかわからず、何の保証もありません。事前に十分に準備をし、完璧に作業をし、事故のないレースをして、初めてル・マンで大きなトロフィーを獲得するチャンスが得られます」。

チーム監督のアンドレアス・ザイドルも「ル・マンが世界で最も過酷なレースなのは、単に走る距離が長いからではありません。イベント全体を通じて自分のペースを崩さず、リソースを管理する必要があります。これは2週間以上続きます。この間、限られたスペースにおいて、90人のスタッフが張り詰めた雰囲気の中で緊密に連携して作業します。喜ばしいことも大変なことも、一緒に体験します。土曜の午後3時には、チームのメンバー全員が、メカニックもドライバーも、チームの誰であれ、肉体的・精神的にレースに向けてフレッシュな状態になければなりません。ここで、私たちが学び、実践してきたことを全て出し切ることが重要です。私たちは技術的にできることは全てやり、戦略的にもル・マンに向けて準備してきました。ポルシェ919ハイブリッド、強力なドライバーの布陣、そしてチーム。いずれも全力を尽くす準備ができています」と語ります。

ポルシェ919ハイブリッド:
2017年の選手権に向けて、ポルシェ919ハイブリッドには幅広い改良が加えられました。このル・マン・プロトタイプのコンポーネントは、エアロダイナミクス、シャシー、内燃エンジンを中心に60%~70%が新たに開発されています。ただし、パワートレインは原則として同じままです。この革新的なハイブリッドレーシングカーは、システム全体で最高出力約900 PS(662 kW)を発生します。その源となっているのは、コンパクトな2リッターV4ターボエンジン(約500 PS/368 kW)と、2種類のエネルギー回生システム(フロントアクスルからのブレーキエネルギーと排気エネルギー)です。内燃エンジンはリアアクスルを駆動し、出力400 PS(294 kW)以上の電気モータはフロントアクスルをブーストします。フロントブレーキとエグゾーストシステムから得られる電気エネルギーは、一時的に水冷式リチウムイオンバッテリーに蓄えられます。

世界選手権:
この24時間レースは、2017年FIA世界耐久選手権の全9戦中、第3戦にあたります。2つの6時間レース(シルバーストーンとスパ)終了時点で、ポルシェは61ポイントを獲得し、コンストラクターズ・スタンディングスでトヨタ(69.5ポイント)についで2位となっています。ドライバーズ・スタンディングスでは、バンバー/ベルンハルト/ハートレーは2位(33ポイント)、ジャニ/ロッテラー/タンディは3位(28ポイント)となっています。トップのトヨタの2人組は50ポイントです。

サクセスストーリー:
1970年、ポルシェはル・マンで待望の総合優勝を手にしました。1998年までにさらに15回の総合優勝を果たしましたが、その後は15年間、ポルシェはトップカテゴリーで戦うことはやめ、いくつかのクラス優勝のみを記録しました。2011年、ポルシェはプロトタイプによってル・マンへ復帰することを決めました。世界耐久選手権の新しい効率のレギュレーションは、まさにポルシェが長年トップレベルのモータースポーツに求めてきたもので、市販車向けの未来のテクノロジーの研究開発の基礎となるものだったからです。

2012年と2013年は準備に費やされました。シュトゥットガルト近郊にあるヴァイザッハのポルシェ研究開発センターに新しい建物が出現し、フリッツ・エンツィンガーが集めたチームには、今や260人の高度な能力を持つ従業員が加わっています。こうして誕生したポルシェ919ハイブリッドは、以前はそれほど知られていなかったハイブリッドテクノロジーを採用した、まったく新しい車でした。初期の頃はトラブルにも見舞われましたが、それ以来、大きな進歩を遂げました。

2014年は、今日なお世界で最も革新的であり続けているレーシングカーのデビューシーズンとなりました。919ハイブリッドは、初挑戦となったル・マンにおいて、レース開始から20時間後にトップに立ちましたが、その2時間後にエンジンの故障によってリタイヤしました。2015年、ポルシェは3台目の919ハイブリッドをエントリーさせ、LMP1ルーキーであったアール・バンバー(ニュージーランド)、ニコ・ヒュルケンベルク(ドイツ)、ニック・タンディ(イギリス)の3人組が1998年以来となるポルシェ17回目の総合優勝をつかみ取りました。昨年は、ロマン・デュマ(フランス)、ニール・ジャニ(スイス)、マルク・リーブ(ドイツ)の尽力により、長時間にわたるトヨタとの激戦の末、2年連続の総合優勝を果たしました。

ポルシェLMPチームのスケジュール:
レース前の日曜日となる6月11日、ル・マンのレピュブリック広場において、4クラスに分かれる60台のレーシングカーの技術検査からプログラムが始まります。翌12日までに検査官たちがすべての車両を検査し、180人のドライバーが書類を提出します。
6月13日(火曜):
午後2:00~2:50 スタート/フィニッシュ地点でのポルシェチームの写真撮影
午後5:00~6:30 ピットレーンでのサイン会

6月14日(水曜):
午後4:00~8:00 フリー走行
午後10:00~深夜 予選

6月15日(木曜):
午後7:00~9:00 予選
午後10:00~深夜 予選

6月16日(金曜):
午前10:00~午後6:00 ピットウォーク
午後2:00~2:40 ポルシェ エクスペリエンスセンターでのポルシェ記者会見
午後2:40~3:30 ポルシェ エクスペリエンスセンターでの「ミート・ザ・チーム」
午後5:30~7:30 ダウンタウンエリアでのドライバーズパレード

6月17日(土曜):
午前09:00~09:45 ウォーミングアップ
午後2:22 レーススタートセレモニー開始
午後3:00 レーススタート

テレビおよびライブストリーム:
ル・マン24時間レースは、世界中の多くの国際テレビチャンネルで放映されます。各国における詳細情報については、 (リンク ») で閲覧可能です(ダウンロードセクションの「TV Distribution」をクリック)。

ポルシェのウェブサイトwww.porsche.com/lemansでは、ワークスカーのコックピットからのライブ車両カメラの映像が24時間ウェブスペシャルで映し出されます。さらに、ビデオストリームでは、現在の車両コンディションについての興味深い遠隔測定情報が得られます。この他、ウェブサイトでは、ライブテロップとライブ順位、そしてル・マンのレースの画像と映像が配信されます。

Facebook:土曜の午後3時、919ハイブリッドからのレーススタート時の車載映像がwww.facebook.com/porscheでライブ配信されます。

アプリ:WEC公式アプリが無料でダウンロードできます。有料の拡張バージョンも用意されており、完全なACOライブストリーミングとル・マン24時間レースの完全な計時が含まれます。ライブストリームは音声付きで、ライブインタビューも含まれます。

基本情報:
・2015年以来、ニール・ジャニは現在のトラックレイアウト(13,629 km)での予選ラップ記録を保持しています。この年の水曜日の予選で、午後10時を少し回ったとき、919ハイブリッドによって3:16.887のラップタイムを叩き出したのです。平均速度は249.2 km/hでした。

・過去最速の予選ラップは、1985年、ハンス=ヨアヒム・シュトゥックがポルシェ962 Cによってマークした3:14.800です(平均速度251.815 km/h)。1990年、ミュルサンヌのロングストレートをなくすためにシケインが設置されました。現在のサーキットに置き換えた場合、スタックの記録を破るには3:14.843以下のラップタイムが必要となります。

・これまで84回開催されてきた中での総合ファステストラップタイムは、1971年のテストデーでジャッキー・オリバーが樹立した記録です。当時のコース全長は13.469 kmで、彼はポルシェ917によって3:13.6をマークしました(平均速度250.457 km/h)。同じ年、彼は最速レースラップ3:18.4を達成しました(平均速度244.387 km/h)。

・2016年、ニール・ジャニがル・マンでポルシェ18回目となるポールポジションを獲得(3:19.733)、ティモ・ベルンハルトが予選2位につけ(3:20.203)、これによってポルシェはル・マンで15回目となる最前列独占を果たしました。

・レースで最長距離を走破したのは、2010年にアウディで総合優勝を果たしたティモ・ベルンハルト/ロマン・デュマ/マイク・ロッケンフェラー組で、合計5,410.713 kmでした(397周、平均速度225.228 km/h)。

・2015年に優勝したポルシェ919ハイブリッドがレースで走破した距離は、5,382.82 kmでした(395周、平均速度224.2 km/h)。2016年に優勝したポルシェが走破したのは、5,233.54 kmでした(384周、平均速度216.4 km/h)。

・2016年のレースで、919によって最高速度を叩き出したのはブレンドン・ハートレーで、50周目のミュルサンヌの下りストレートで333.9 km/hをマークしました。最長の加速フェーズとなるのは、テルトル・ルージュ後、ミュルサンヌストレートにかけてで、距離は1,940 mあります。

・最もハードなブレーキングゾーンはミュルサンヌストレートが終わる部分で、わずか190 mの間にドライバーは200 km/h減速します。

・この24時間サーキットには21箇所にコーナーがあります(9箇所は左回り、12箇所は右回り)。

・そのうちの最速コーナーは「ポルシェカーブ」で、919ハイブリッドは245 km/hで駆け抜けます。

・最もタイトなコーナーは「アルナージュ」で、ドライバーたちは85 km/hにまで減速します。

・1周13.6 kmのうち、9.2 kmは公道です。

・予選(水曜と木曜の深夜まで)では、180人のドライバー全員が暗闇の中を5周以上走る必要があります。

・2017年、ル・マンの夜は1年でもほぼ最短といえるほど短くなります。土曜日の日没は夜10時、日曜日の日の出は朝6時です。

・通常のレーシングモードでは、ポルシェ919ハイブリッドは最大でも14周ごとに燃料を補給する必要があります(レース中に約30回)。

・1周(13.629 km)あたりの最大消費燃料は4.3リッターです。使用が許可されている回生システムからの電気エネルギー量は最大8メガジュール(2.22キロワット時)です。

・燃料補給とホイール交換は、順次行うものとし、同時に行うことはできません。ホイール交換時には、1つのホイールガンのみを使用し、4人のメカニックだけが作業することができます。そのため、例えばF1の場合よりも時間がかかります。

・通常、ドライバーが交替するのは新しいタイヤが必要になった場合だけです。夜間は4スティントで、各運転時間は連続3時間以上となります。

・レース中は、各ドライバーが合計6時間以上ステアリングを握る必要があります。どのドライバーも、6時間のうち4時間以上運転することはできません。どのドライバーも、24時間のうち14時間以上運転することはできません。

・コース全長が長いため、ル・マンでは3台のセーフティカーが待機します。

・サーキットに持ち込まれる機材は、スペアシャシー×1、内燃エンジン×4、フロントギアボックス×4、リアギアボックス×4、フロントセクション×6とリアセクション×6、リム×60、無線機/ヘッドセット×100以上などです。

・各タイプのタイヤを使用することができます。3種類のコンパウンドのドライコンディション用スリックタイヤ、オールコンディション用ハイブリッドタイヤ(プロファイルなし、ソフトなカバー)、およびウェットウェザータイヤです。

・ル・マンでは、26万人以上の観客と、約1,400人のメディア関係者(出版、写真、テレビ、オンラインメディア)が予想されます。

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