東日本大震災復興支援国赤十字・赤新月社会議 開催/世界23カ国 約50名の赤十字・赤新月社が日本に集結し、東日本大震災の経験から今後の災害対応を議論

日本赤十字社 2018年03月09日

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日本赤十字社(本社:東京都港区、社長:近衞 忠煇、以下 日赤)は、世界23カ国の赤十字・赤新月社約50名を招聘し、東日本大震災の復興支援の振り返りと被災地の視察を行う「東日本大震災復興支援国赤十字・赤新月社会議」を2月26日から28日の3日間に渡り開催。東京での会議と岩手県、宮城県、福島県の3県の視察を通じて、参加者は、支援活動によって復興が進む状況と現在の課題を学び、将来起こり得る災害への対応に向けて何ができるかを議論しました。

今回の会議は、8年目を迎える3月11日を前に、震災後に、101の国・地域の赤十字・赤新月社等から寄せられた1,000億円以上の救援金を活用して行ったこれまでの支援を振り返ると共に、7年間の活動で蓄積された知見を将来の災害対応に活かすことを目的に開催されました。

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初日の東京での会議では、「レジリエンス(回復力)強化の取り組み」と題したパネルディスカッションが行われ、東日本大震災の復興支援から見えたニーズの多様性や継続的な支援の必要性などの課題を共有しました。海外のパネリストからは、さまざまな団体と連携をする必要性や、被災者・支援者とコミュニケーションをとり、説明責任を果す重要性などが強調されました。

また、会の最後には、今後の災害対応に向けて日赤からのメッセージが発表されました。(参考情報(1))。

日赤では、今後も、各都道府県支部、赤十字奉仕団、青少年赤十字などの地域に根ざした活動基盤を活かしながら、復興支援を継続してまいります。特に、将来起こり得る災害に備える取り組みとして、これまで地域住民、小学校から高校までを対象と展開してきた防災教育を、4月からは幼稚園・保育園向けにも拡大していきます。(参考情報(2)参照)。また、引き続き東日本大震災の経験を世界に伝え、災害対応の強化に取り組んでいきます。

<会議詳細>
■東日本大震災の経験を学ぶ
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東京の会議では、日赤 救護・福祉部長(兼)東日本大震災復興支援推進本部長 山澤將人がこれまでの復興支援の状況について報告しました。また、今回の震災の特徴の1つである福島原発事故について情報発信・対話の場作りを行っている「わかりやすいプロジェクト国会事故調編 学生チーム」福島県の高校生7名がプレゼンテーションを行いました。高校生自らが原子力災害について対話の重要性を発信するという取り組みに、海外の参加者からも多くの質問が寄せられました。

駐日クウェート国の大使が被災地の医療への貢献を目指す奨学生と面会
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会議当日には、駐日クウェート国大使館のアブドル・ラーマン・アル・オテイビ大使が来場し、同国からの支援により設置された宮城県・東北医科薬科大学の「クウェート国友好医学生修学基金」から奨学金を受けて学んでいる学生と面会しました。大使は、「日本からはクウェートの独立直後から支援を受けており、『真の友人』として、困っているときに助けたいと思い支援をしました」と支援を寄せた思いを述べ、東北医科薬科大学1年の吉村 拓人さんは、「将来的には被災地の医療に貢献することはもちろん、海外にも行き、支援してくれた世界中の人に恩返ししたい」と今後の抱負を話しました。

■岩手県庁を表敬訪問 地域の奉仕団メンバーが健康増進事業を紹介
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27日には、岩手県の達増拓也知事を表敬訪問し、復興の状況を学びました。また、仮設住宅で、住民の健康増進事業としてポールを使った運動「ノルディックウォーキング」の普及に取り組むノルディック赤十字奉仕団が参加。仮設住宅の住民の健康面でのニーズと、奉仕団による活動の意義について紹介し、参加者と交流しました。

■津波の被害にあった宮城県・沿岸地域の復興を視察
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続いて、宮城県では、津波の被害にあった牡鹿郡女川町で、救援金によって建設された女川町地域医療センターを視察すると共に、須田善明町長より復興の状況を聞きました。女川町地域医療センターは、町民が安心して生活できるよう、いつでも気軽に相談できるかかりつけ医として、地域医療を提供しています。

また、翌28日には、津波の被害にあった石巻市立大川小学校旧校舎を視察。参加者はそれぞれの国で津波の脅威を多くの人に伝えるために、現地で献花すると共に、石巻市職員より当時の被害の状況や、校舎
が後世に教訓を伝えるための震災遺構として保存されることなどについて説明を受けました。

■福島の原子力災害から学ぶ今後の災害対応
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28日には、福島県の原子力災害に関しての学びを深めました。日本赤十字社では、これまで、住民の方々の健康不安に寄り添いながら健康調査を通じた支援等を展開すると共に、赤十字における世界レベルの原子力災害対応ガイドラインの策定など今後の災害対応に向けた動きを世界に先駆けて進めてきました。今回の視察では、避難した方が暮らす田村郡三春町の葛尾村復興公営住宅を訪問し、篠木弘村長からお話を聞くと共に、原子力災害の情報発信基地福島県環境創造センター(コミュタン福島)を視察し、原子力災害への理解を深めました。コミュタン福島では、原子力災害の影響や復興の様子が分かりやすく展示されており、海外からの参加者は興味深く説明に耳を傾けていました。

3日間を振り返り、参加者からは、下記のような意見が出ました。

「復興支援」と一言で言っても、赤十字が取り組むべき復興支援活動の内容について、明確な総意を形成することが肝要である。
「災害対策」について考える時、政府との役割分担など事前に策定しているものの、想定をはるかに超えた規模の災害が発生したとき、赤十字がどこまでのイニシアチブを発揮すべきかを考える機会を、この視察から考えさせられた。
大規模な災害になればなるほど、地域社会に根ざしたボランティア活動が重要になることを考えた。


【参考情報(1)】
■国際赤十字の協力を得て東日本大震災復興支援事業に取り組んだ日本赤十字社からのメッセージ
日本赤十字社は、未曽有の大災害となった東日本大震災を経験して多くのことを学びました。国際赤十字の協力を得て復興支援に取り組んだ日本赤十字社からのメッセージをお伝えします。

a. 赤十字として、事前の備えと復興支援を含む災害マネジメントサイクル全体への関与のコミットメントを強める
b. 各国赤十字社は、復興支援における各国での枠組みや関係機関・団体の活動内容を理解し、政府や他団体との役割分担を整理しておく
c. 各国赤十字社は、復興期に急激に増大する活動に備え、組織の柔軟性・拡張性と受援のメカニズムを備える
d. 赤十字としての復興支援活動の事例・経験を蓄積・共有し、将来において役立てられるようにする
e. 日本赤十字社は、国際赤十字との連携のもとで、復興支援活動の国際基準の策定に貢献する用意がある
f. 復興期に取り組むべきレジリエンスの課題を整理して、復興支援活動に反映する

【参考情報(2)】
■幼稚園・保育所向けに防災教育のトライアル授業を宮城県・仙台市で実施
日本赤十字社では、東日本大震災の後、地震や津波等災害に対する正しい知識と適切な危険回避行動が命を守るために重要であることが再認識されたことから、「自助」「共助」の力を高める防災教育の普及に取り組んでいます。これまで、地域住民の災害対応の力を育む「赤十字防災セミナー」の開催、小学生~高校生向けの教材「まもるいのち ひろめるぼうさい」の開発・配布など展開してきましたが、この4月には幼稚園・保育園向けのプログラムを開始します。「じしん」「つなみ」など5つの災害をテーマに、小さい子どもが自ら気づき、考えられるよう、絵にまとめられているのが特徴です。

本格的な導入を前に、東日本大震災復興支援国赤十字・赤新月社会議の期間中の2月27日に、宮城県仙台市泉区のミッキー保育園 八乙女園で教材の試作品を使ってトライアル授業を実施しました。4~5歳の児童15名が参加し、「地震がきました。さあ、どうしますか?」「危ないところは」といった先生の問いに対して、子どもたちは絵を指しながら活発に応えていました。

この幼稚園・保育園向けのプログラムは、授業に参加した子どもたちの反応などを参考に改良し、今年中に青少年赤十字加盟園約1600ヶ所へ配布される予定です。


日本赤十字社の東日本大震災復興支援活動について
震災後、101の国・地域から1,000億円以上の救援金(※)が寄せられ、被災地のニーズを調査しながら、支援の方向性を決め、生活再建、福祉サービス、教育支援、医療支援、防災教育の普及等の災害対応強化、原子力災害対応の 6つの分野にわたる幅広い活動を展開しています。民間最大の支援規模で、2020年までの復興支援活動を計画しています。
(※)国内で寄せられ、被災者に渡った義援金とは別

日本赤十字社について 
赤十字は、アンリー・デュナン(スイス人:第一回ノーベル平和賞受賞者)が提唱した「人の命を尊重し、苦しみの中にいる者は、敵味方の区別なく救う」ことを目的とし、世界191の国と地域に広がる赤十字社・赤新月社のネットワークを生かして活動する組織です。
日本赤十字社はそのうちの一社であり、西南戦争における負傷者救護で初めての活動を行って以来、国内外における災害救護をはじめとし、苦しむ人を救うために、国内災害救護、国際支援など幅広い分野で活動しています。また、地域に根ざした組織として、全国に47支部を持ち、赤十字ボランティア、青少年赤十字も活動を展開しています。

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