20世紀最大の物理学者、アルベルト・アインシュタインがその名前の由来にもなっているアインスタイニウム(Es)は、アクチノイド系元素と言われる重い元素のひとつで、原子炉で作ることができる一番重い元素である。京都産業大学理学部 山上浩志教授は、日本原子力研究開発機構 物質科学研究センター 矢板毅副センター長らとの共同研究により、世界で初めて「アインスタイニウム・ブレイク」を発見し、電子の量子構造の変化という新しい知見から実証データの検証に成功し、Esの構造を明らかにした。
99番元素アインスタイニウム(Es)は、アクチノイド系元素と言われる重い元素のひとつで、原子炉で作ることができる一番重い元素である。京都産業大学理学部山上浩志教授は、日本原子力研究開発機構 物質科学研究センター 矢板毅副センター長らとの共同研究により、世界で初めて「アインスタイニウム・ブレイク」を発見し、電子の量子構造の変化という新しい知見から実証データの検証に成功し、Esの構造を明らかにした。
これまで化学の世界では、アクチノイド系の重い元素は、アクチノイド収縮により、原子番号が1つ大きくなるとイオンの大きさが小さくなってくると予測されていたが、本研究により、99番目の元素であるEsのところで直線的な現象からはずれ、不連続になる「アインスタイニウム・ブレイク」を発見した(下図)。この現象を解明するため水和構造を調査し、世界で初めてEsの水和原子間を測定したところ、Esの水和構造が98番のカリフォルニウムと全く同じ構造であることがわかった。
この不思議な現象に対し、電子の量子構造、つまり電子軌道の占有率の変化という新しい知見からイオン半径を計算したところ、実証データの検証に成功。原子自体が変動してイオン半径が小さくなることを突き止めた。
本研究成果により、重い元素の新たな特性の解明や核医学的な応用につながることが期待される。
むすんで、うみだす。 上賀茂・神山 京都産業大学
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●理学部物理科学科山上浩志教授のインタビュー記事「Einsteinium Breakの謎を解く」が日本原子力研究開発機構(JAEA)の季刊誌「未来へげんき」に掲載されました
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