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パリ、2019年3月5日/PRニュースワイヤー/ --
マスターピースの価格が最大級の公立美術館の予算を超えるようになった今、収蔵作品の構築を続けねばならない美術館サイドは、新たな方法を見出すことを余儀なくされています。
莫大な資力と自由な裁断力を有した法人財団やプライベートコレクターとは対照的に、国立の機関は長期タームのプロジェクトに依存せざるを得ず、アート市場の傾向に敏感に反応することができません。
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Artpriceの創立者兼CEOであるThierry Ehrmannによれば、「わずか2000年1月1日から2014年12月31日の間において、19から20世紀にかけて世界中に創立された総数よりも多くの美術館が創立されています。実際、世界五大陸のどこかで毎年700近くに上る世界レベルの美術館が開設されています。それぞれの施設は、最低4500を数える作品を所蔵します。
中国とアメリカをはじめとする大国が見せるソフトパワーは、ミュージアム インダストリー(R)のジオポリティックスにおいて不可欠の推進力となり、Artpriceにとっては、今日のアート市場理解における基盤要素を構築しています」。
購入を継続するために…
年間の作品購入基本予算が2000万ドル以下であるルーヴル美術館(入場者数において世界最大の美術館)にとって、おのずから歴史的作品の大半がその範疇外に置かれることになります。幸運にもルーヴル美術館は、単発的な寄贈を受けてきました。2016年、フランスとオランダは、フランスのロスチャイルドコレクションよりRembrandtの肖像画二作品を共同で購入することで合意に達しました。このうちの一作品を獲得するために、両国家は8000億ドルを出しています。二作品はルーヴル美術館とアムステルダム国立美術館で交互に展示されますが、常に同時展示されることになっています。
主要な美術館が、大半のケースにおいてもはや億万長者ではなくなってしまった今日、このようなソリューションは非常に例外的な措置となっています。とはいうものの合法的な各種の措置(ローン、寄付金、寄贈)を講じて、貴重な支援を得た国家も見られます。
2002年6月、ロンドンのサザビーズで、新たにPeterPaul Rubensの作と認定された作品Massacre of the Innocents (1610年頃)が、世界オークションランキングで3位となる販売額(当時)を記録しました。作品を6970万ドルで落札したカナダの企業家Kenneth Thomsonは、これをロンドンのナショナルギャラリーに貸し出した後に、オンタリオ美術館に寄贈しています。寄贈を受けたカナダの美術館にとっては、自らの資力では不可能な作品獲得が実現されました。
もはや高価すぎる現代作品
2017年、ニューヨークのクリスティーズで、弱冠40歳の日本人企業家 前澤友作氏が1億1050万ドルでJean-Michel BasquiatのUntitled(1982)を獲得しました。同氏は、これより二年前にニューヨークのグラフィティアーティストの作品を5700万ドルで購入しています。この二作品は、東京郊外の千葉にある前澤氏所有の現代美術館において、そのほかのコレクション作品と合わせて展示される予定となっています。
1億1050ドルの作品は、同美術館の開設を待つ間に、ブルックリン美術館で2018年の1月から3月まで開催されている「One Basquiat」展にレンタルされています。この展示は予想外の多大な入場者数集めていますが、その理由のひとつが、突如としてJean-Michel Basquiatのもっとも有名な作品となったこの作品の存在であることに疑いの余地はないでしょう。
2017年5月のニューヨークタイムズのインタビューにおいて、MoMA絵画彫刻部門の学芸員長を務めるAnn Temkinは、同美術館にJean-Michel Basquiatの作品獲得の好機をつかむすべがないことを遺憾だとしています。アーティストの死後20年を経た今、この超一流ニューヨーク美術館は、Basquiatの作品をひとつも有していません。そしてBasquiat作品価値があまりにも上昇してしまったために、作品を直接的な手段で獲得することはまず望めないでしょう。
定期的にプライベートコレクターの所蔵作品をレンタルしてはいるものの、MoMAサイドが寄贈品のオファーを待ち望んでいることに疑いの余地はないでしょう。ペーパー作品においては、すでに収集家のSheldon H. Solowから数点が約束されており、同美術館が入手できる運びになっています。
Basquiatは、作品価値がもっとも著しく上昇した現代芸術作家ですが、多くの現代アーティストにおいても同様の現象が観察されています。たとえば、Peter Doig、Richard Prince、Christopher Wool、さらに最近では、George CondoやRudolf Stingelの名が挙げられます。
プライベートコレクションから美術館へ
ルーヴル美術館、プラド美術館、大英博物館といった名だたるヨーロッパの美術館の所蔵作品は、18世紀後期から19世紀初頭にかけて、王立コレクションを中心とした重要な私的コレクションから創立されています。二世紀の時を経る間に、社会における「文化」の重要性が増したことを受けて、各国は作品制作とほぼ並行するかたちで作品を獲得し、収蔵作品の拡大を実現してきました。
一方では、ロスチャイルドやロックフェラーといった強力な事業家や銀行家によって、一大プライベートコレクションも形成されてきました。この個人コレクションのなかには、メトロポリタン美術館のRobert Lehmanコレクションのように、一流美術館に収められているものもあります。
21世紀以降、私立美術館の数は飛躍的に増加しました。その成功の一端は、メディアのアート市場報道によるものでしょう。2001年に創立されたニューヨークのノイエギャラリーは、2006年、当時のアート市場の最高記録となる1億3500万ドルでGustav Klimtの作品Portrait of Adele Bloch-Bauer Iを獲得したことから、世界的な宣伝を受けることになりました。
アート市場の成長によって、主要な美術館と個人コレクター間の競合に拍車がかかるようになりました。現代アート作品に関しては、コレクターサイドがよりパーソナルで、より一貫性を有したコレクションを構築しています。アメリカでは、このようなパーソナルコレクションから、マイアミのルベル ファミリー コレクション、LAのザ・ブロード、ニューヨークのThe Hill Art Foundationといった数々の有名アートセンターが生み出されました。
ヨーロッパでは、法人財団とプライベートコレクションによって文化事業が組織されています。特にフランスでは、名高い民間美術館が多数設立されています。サン・ ポール・ド・ヴァンスのマーグ財団、パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンのほか、ポルクロル島という魅惑的な立地にはカルミニャック財団美術館が設立され、新しいアート展示の場となりました。
強力なアジア人コレクター陣
アジアのコレクターもまた、前述の新しいモデルに要とされる条件を満たし、アートとその歴史に関する高い関心、莫大な経済力、そして何よりも自らのコレクションを一般公開したいという願望を持ち合わせています。日本では、デベロッパー・不動産業者の森稔氏によって現代芸術の真の殿堂となる森美術館が実現されました。
一方の中国では、億万長者のLiu Yiqianによってアジア最良となるコレクションが築かれています。同氏が上海に有するロング ミュージアムは、中国と西洋それぞれの古典と現代作品を展示しています。同氏はまた、2015年11月9日にニューヨークのクリスティーズで、Amedeo ModiglianiのReclining Nude (1917-18) を1億7000万ドルで獲得しています。
その巨大な財力ゆえ、この額はアメリカンエクスプレスカードで
支払われたといわれています。
著作権 (c)2019 thierry Ehrmann – www.artprice.com( (リンク ») )
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Artprice は、美術品の価格および索引データバンクにおけるグローバルリーダーです。3000万件以上の索引と、70万人以上のアーティストをカバーした競売データを有します。Artprice Images(R) は、世界最大のアート市場リソースへの無制限アクセスを提供しています。ライブラリーは、西暦1700年から今日までの1億2600万点に上る芸術作品の画像ならびに出版物を所蔵し、それぞれにArtpriceの美術史家によるコメントが付記されています。
Artprice は、6300にのぼる競売業者からの情報で自社データバンクをたえずアップデートし、世界の主な通信社や7200近くの国際プレス出版社に向け、アート市場のトレンドを発信しています。
Artpriceは、450万人のメンバーに向けて美術品の売買における世界的リーダー市場へのアクセス権を提供します。Artpriceでは、アート市場に向けたブロックチェーンを準備しています。これは去る2018年3月に出版され、BPI(フランスの国立科学ラベル)の認定を受けたArtpriceによる2017年度国際アート市場の年次報告です。 (リンク »)
Artpriceは、アート市場における中国のリーダーArtronグループをパートナーとし、緊密な提携関係を構築しています。
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すでに6万冊を超える書籍やオークションカタログを実現したArtronは、世界最大の美術書出版社であり、その年間出版量は3億万冊に上ります。アート部門に300万人を超える専門業者メンバーを擁し、世界的なリーダーとなったウェブサイトには、1日当たり平均1500万人のビジターを集めています。
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