障害者視点での防災ワークショップを開催  チームビルディング効果から企業向けの提供も視野、 東京都の仮設住宅準備事業との共催も予定

株式会社ゼネラルパートナーズ

From: Digital PR Platform

2019-06-07 17:00


障害者の就労支援を中心にソーシャルビジネスを展開する株式会社ゼネラルパートナーズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:進藤均)は、2019年3月18日(月)に「障がい者と震災を考えるワークショップ」を開催しました。

本ワークショップはゼネラルパートナーズ各事業所の代表社員が参加し、障害当事者が実際に被災した際の事例共有や発災時を想定した避難シミュレーション、平時から備えられることについてのディスカッションなどを行いました。今後は障害者を雇用する企業をターゲットとし、今回のワークショップをパッケージ化し提供することも視野に入れています。

直近では2019年8月から10月にかけて、東京都の「仮設住宅不足への対応準備」事業の一環として開催される「超福祉✕災害 ワークショップ~東京で福祉避難・福祉仮設住宅を考える~」を共同開催します。誰にとっても防災が行われている環境づくりに貢献する、「障害✕防災」をテーマとした取り組みを継続して実施していきます。

(リンク »)

▲当日の様子をまとめたダイジェスト映像を公開しています。
「障がい者と災害を考えるワークショップ」ダイジェスト映像: (リンク »)


■開催の背景
避難時「障害による支障がある」と自覚する人は5割以上、職場の防災対策が課題
ゼネラルパートナーズが運営する障がい者総合研究所が2018年3月に行った「震災対策および防災に関する調査」(※1)では、障害のある方を対象とし331名にアンケート調査を行いました。その結果、震災発生を仮定した際、避難において過半数が「障がいによる支障があると思う」と回答しています。

一方で障害に関係する防災対策を自分自身で行っている人は3割に留まるという結果が見られました。この結果から、個人が取り組める対策には限界があることが伺えます。障害者が感じる災害時への困りごとに対して、周囲が取り組めることを障害者とともに考え、災害に備えていくことが求められています。

当社でも定期的な避難訓練や非常食の備蓄など防災対策は実施されています。しかし災害時に障害があることでどのような困難が発生するか、その困難に対して社員がどのように対応するか、十分なイメージやヒアリング、シミュレーションは足りていない状況でした。
(リンク »)



▲障がい者総合研究所「震災対策および防災に関する調査」より、障害と防災に関するアンケート結果

障害・発災フェーズによって多岐にわたる対策、まずは防災意識を持つことから
上記のような問題意識に基づき、ワークショップデザイナーのタキザワケイタ氏(※2)の協力のもと「障がい者と震災を考えるワークショップ」は開催されました。災害時の対応はいくつかのフェーズに分かれるほか、障害別によって対応も多岐にわたります。そのため初回は「参加者が防災意識の必要性を感じ、明日でもできることをイメージする」ことをゴールに設定し、開催に至りました。

当日は防災を専門に研究する筑波大学 野口助教のレクチャーを受けたほか、下肢障害・視覚障害・精神障害がある方、車椅子ユーザーなどの当事者と社員がグループを組み、地震発生を想定した避難をシミュレーションしました。これらのコンテンツを通じて参加者からは、「実際に当時者の方の被災体験が聞けて勉強になった」「防災について会社として絶対に考えなくてはいけないと思った」という声が上がりました。

※1:「震災対策および防災に関する調査」について
こちらのURLより詳細をご覧いただけます: (リンク »)  
※2:タキザワケイタ氏 プロフィール
ワークショップデザイナー・サービスデザイナー / 新規事業・ブランディング・人材育成・組織開発など、企業が抱えるさまざまな課題の解決に向け、ワークショップを実践する傍ら、PLAYERSにて社会課題の解決にも取り組んでいる。/ 一般社団法人PLAYERS 主宰 /「&HAND」プロジェクトリーダー / 筑波大学 大学院 非常勤講師 / 青山学院大学 ワークショップデザイナー育成プログラム(WSD)講師


■当日のプログラムおよびゲスト氏名
<ワークショッププログラム>
1.はじめの挨拶・趣旨説明・プログラムおよび注意事項の説明
2.障害当事者ゲスト紹介&トーク(障害について・普段の活動・震災に関する出来事など(15分×5名))
3.ゲストトークに関する質疑応答
4.筑波大学・野口代助教によるレクチャー(障害者と震災・障害に応じた避難方法など)
5.避難訓練(実際に障害当事者を含む2-3名のチームで実践)
6.避難訓練の振返り(難しかった事・気づいた事を共有)
7.ディスカッション(1)「今ここで大地震が起きたとしたら、どうすべき?」
8.ディスカッション(2)「明日・2019年中に・継続的にやるべきことは?」

<ゲスト氏名>
防災の専門家ならびに下肢障害、視覚障害、精神障害の当事者にゲストとしてお越しいただき、防災に関するレクチャーや実際に被災した体験、日ごろの防災対応についてお話しいただきました。実際の避難訓練やディスカッションにも参加いただいたことで、参加者にとって非常に有意義な体験となりました。 (リンク »)

野口代氏(筑波大学人間系助教)
長屋宏和氏(ピロレーシング主宰)
田村美紀氏(NPO法人アクセシブルトラベルジャパンセンター長)
杉内周作氏(アテネパラリンピックメダリスト)
井上直也氏(M D S iサポート代表)
山田智子氏(くるみぼたんアーティスト)


*オルタナSにて当日の様子をレポートした記事が公開されています。
「障がい者と震災」当事者と語る: (リンク »)  


■今後の展望
職場内での心配ごとの共有が、日ごろの備えに 防災を切り口にチームビルディングも期待
物資の確保や避難経路の確認だけでなく、広くお互いの困りごとや心配ごとを共有することが、障害の有無に限らず日ごろの備えになります。また防災は誰にとっても身近なテーマであり、普段はあまり話したことがない人ともディスカッションしやすいと言えます。

このように、今回のワークショップは発災時への備えはもちろん、チームビルディングとしての効果も期待できると感じられました。今後は障害者雇用を行う企業に対し今回のワークショップをパッケージ化して提案するなど、誰もが災害への備えがある状態で働き、生活できるような環境づくりに貢献していきたいと考えています。

<今後の活動予定>
「超福祉×災害 ワークショップ~東京で福祉避難・福祉仮設住宅を考える~」
今回の「障がい者と震災を考えるワークショップ」開催をきっかけに、首都直下地震時の福祉避難や福祉仮設住宅を考えるワークショップを共同開催することになりました。このワークショップは、東京都の「仮設住宅不足への対応準備」事業の一環として準備されています。

主催 :NPO法人 ピープルデザイン研究所
登壇者:
 タキザワケイタ(一般社団法人PLAYERS ワークショップデザイナー・サービスデザイナー)
 佐藤慶一(専修大学 教授)
 佐藤古都(株式会社ゼネラルパートナーズ ブランディング統括局 局長)
 須藤シンジ(NPO法人ピープルデザイン研究所 代表理事)

【第1回:2019年8月7日(水) 14:00-17:30】
会場 :美竹の丘・しぶや 会議室1(渋⾕区渋⾕1丁⽬18-9)
 【第2回:2019年9月5日(木)15:00-18:30】
会場:渋谷ヒカリエ8/(渋谷区渋谷2丁目21-1 ヒカリエ8階)

「超福祉×災害 ワークショップ 活動報告」
【第1回:2019年10月上旬に実施予定】
【第2回:2020年9月「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」にて実施予定】
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