近畿大学発ベンチャー企業 アーマリン近大の関連会社である株式会社食縁(和歌山県新宮市)代表取締役 有路昌彦(ありじまさひこ)は、近畿大学水産養殖種苗センター 技術員 亀島長治(かめしまながはる)と共同開発した熟成魚「鮮熟真鯛(せんじゅくまだい)」を、令和元年(2019年)11月7日(木)から販売開始します。魚は熟成させることでうま味が増すことが知られており、職人の長年の経験と技で作り出されてきました。鮮熟真鯛は、科学的根拠に基づき、高い食品安全性を持ち、かつ安定した品質で本格的な熟成魚を供給できる方法を確立した世界初の商品です。
1. 本件のポイント
● 科学的根拠に基づく本格的な熟成魚を商業ベースで供給する方法を確立したのは世界初
● 「熟成魚」という日本独自の文化を世界中に発信できる商品に
● うま味を最大限に引き出した状態で冷凍出荷するため、あらゆる店舗で安全で高品質な熟成魚を提供可能
2. 本件のポイント
熟成魚は従来、寿司や割烹の職人の経験と技術でしか作り出せない、濃厚なうま味と独特のもっちりした食感が味わえる特別な食材でした。
熟成魚を身近な食材にするため、本商品の開発に取り組み、約1年の歳月を経て完成しました。熟成によって引き出される美味しさを科学的に追及すると、真鯛のような白身魚のうま味は、筋肉に含まれる「細胞のエネルギー源」と言われるATP(アデノシン三リン酸)が分解することで生まれるうまみ成分「イノシン酸」と、もう1つのうまみ成分の「グルタミン酸」の濃度で決まります。そこで2つのうまみ成分の合計が最大になるタイミングを科学的に追及し、それを量的生産が可能な商業ベースで生産できる製法を開発しました。
熟成魚が難しいとされてきた理由は大きく3つあります。1点目は、魚を締めて加工するまでタイミングによって、ATPの量が変化し、うま味成分が大きく増減してしまうこと。2点目は、魚は水分量が多く酵素量も多いため、食感とうま味を調整する際の見極めが難しいこと。3点目は、衛生環境が整った状態で旨味成分を最大化させる調整・管理が難しいことです。
この問題を解決するため、養殖真鯛を生きた状態から厳密に管理、加工しています。うま味と熟成感、鮮やかな見た目を、試行錯誤を繰り返すことで実現し、うま味を最大限に引き出したタイミングで瞬間凍結することで、いつでも最良の熟成状態を味わうことができます。
3. 販売の概要
販売期間:令和元年(2019年)11月7日(木)〜11月21日(木)
販売店舗:養殖魚専門料理店「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」
大阪店(大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪北館6階、
JR各線「大阪駅」から徒歩約2分)
銀座店(東京都中央区銀座6丁目2番先 東京高速道路山下ビル2階、
JR山手線「有楽町駅」から徒歩約5分)
メニュー:「近大支援食縁の鮮熟真鯛薄造り」800円(税抜き)各店舗1日10食限定
「近大支援食縁の鮮熟真鯛握り寿司」550円(税抜き)各店舗1日10食限定
※両メニューともディナーのみ提供
お問合せ:近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所
大阪店 TEL:(06)6485-7103
銀座店 TEL:(03)6228-5863
その他:食縁ホームページで11月15日13:00から販売予定
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4. 安全性について
熟成は「ねかせ」の時間が必要であり、厳格な衛生管理環境下で行わなければ食品リスクが高まります。世界最高水準の衛生管理基準であるEUHACCPを取得している食縁だからこそ、本格的な熟成において高い食品安全性を実現しています。
5. 商品名「鮮熟真鯛」について
「鮮熟」とは、「鮮度感を保ちつつ熟成感を味わう」という目的で、古くから伝わる料理人の職人技をイメージして、活魚から作り出された熟成品を表現しました。
6. 株式会社食縁について
株式会社食縁は、近畿大学ベンチャー企業アーマリン近大の出資(ファンドを除く82%)と支援を受け、日本の養殖業の成長を目指して、新規市場開拓に取り組み、世界の衛生基準(北米HACCP、EUHACCP)に合致した工場で、我が国の養殖魚の加工・販売を行っている6次産業化事業体です。
代表者:代表取締役 有路昌彦(近畿大学世界経済研究所教授)
所在地:和歌山県新宮市佐野2122-3
設立:平成25年(2013年)5月
事業内容:アーマリン近大の出資と技術支援を受け、持続可能な養殖業を確立することを目的に、人工種苗(完全養殖)の普及と消費者の期待に応える質の養殖水産物の一次加工品(フィレやロイン)を供給し、新規市場を開拓する。
出資元:(株)アーマリン近大、紀陽6次産業化ファンド、新宮港埠頭(株)(新宮市第3セクター)、等合計14社
▼本件に関する問い合わせ先
総務部広報室
住所:〒577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1
TEL:06‐4307‐3007
FAX:06‐6727‐5288
メール:koho@kindai.ac.jp
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