シュルレアリスムと絵画―ダリ、エルンストと日本の「シュール」 開幕

ポーラ美術館

From: Digital PR Platform

2019-12-16 14:00


ポーラ美術館(神奈川県・箱根町)は、2019年12月15日から2020年4月5日まで、「シュルレアリスムと絵画」展を開催いたします。本展では、シュルレアリスムの誕生から100年にわたる軌跡を、日本のシュルレアリスムの展開に焦点をあててご紹介し、さらに、シュルレアリスムの受容が日本の絵画に独自の発展を促しただけでなく映画や漫画にも広く浸透した様相にも注目します。

また、日本独自の「シュール」の展開をしめすものとして、成田亨のウルトラマン原画や現代美術家の束芋(たばいも)の作品もご覧いただけます。なお、束芋の作品が展示される展示室の幅9mの壁を活用したウォールドローイングは、本展のために作家本人により描かれたものです。
開幕にあわせ、展覧会会場や束芋によるウォールドローイングをご紹介いたします。

企画展 展示風景
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Photo: Ken Kato
「シュルレアリスムと絵画」展 会場入り口
アンドレ・ブルトンは著書『シュルレアリスムと絵画』を「眼は、野生の状態で存在する」という一文から始め、理性を排した眼で世界を見ることで、思い込みや常識にとらわれずに現実を捉え直すことができると論じました。「シュール」な眼を通して、シュルレアリスムの絵画を覗き見るようにお楽しみください。
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Photo: Ken Kato
束芋と本展のために描いたウォールドローイング

Chapter1 シュルレアリスムの誕生 ―1920年代、復興と閉塞から
第一次世界大戦終結後の復興の陰で、アンドレ・ブルトンを中心にした若い詩人たちは、無意識の世界を探求する芸術運動「シュルレアリスム」を展開します。彼らは積極的に画家たちとの交流を深め、ブルトンは1928年に『シュルレアリスムと絵画』を刊行し、絵画におけるシュルレアリスムの可能性を示しました。第1章ではシュルレアリスムの創成期に関わりのあった作品を紹介します。
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Photo: Ken Kato
展示室風景


Chapter2 超現実に触れる -エルンストとダリ、物質とイメージをめぐる絵画
エルンストはコラージュやフロッタージュ(こすり出し)という素材と物質の実験的な手法を用いて思いがけないイメージを生じさせます。一方、ダリは特定のイメージを執拗なまでに反復したり、過剰な意味を読み込むことで、いくつもの異なる意味を引き出し変容させる独自の「偏執狂的=批判的」方法によって絵画を制作し、人気を博しました。

Chapter3 「シュール」なるもの ―1930年代、日本における超現実主義

1930年代には、同時代の海外作家の作品が展示される機会が増え、日本の前衛的な画壇でシュルレアリスムの影響を受けた作品が流行します。第二次世界大戦が迫り不穏な閉塞感が漂う日本において、シュルレアリスムは禅など仏教的な思想と結びつき、やがて「シュール」と略される独自の表現として展開していきました。
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展示室風景

Chapter4 シュルレアリスムの戦後 ―吉原治良と瑛九たち
日本では戦後に日本の抽象絵画を牽引する吉原治良をはじめ、戦前にシュルレアリスムを経験した画家たちが、独自の抽象的な表現を追求します。シュルレアリスムが開拓した実験的な技法や不条理な世界観は、映画や漫画の世界にも影響を与え、今日的な「シュール」な感覚に影響を及ぼしています。
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Photo: Ken Kato 
成田亨作品等の展示風景

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Photo: Ken Kato 
束芋作品展示風景

今後の関連イベントのご案内

■1月11日(土)「新春!シュルレアリスム ヒットパレード ―シュールの笑いを分析する―」
(リンク »)
「シュール」な状況や出来事はなぜ笑いにつながるのか―。20世紀において最も大きな影響をおよぼした芸術運動であるシュルレアリスムを源泉とする、「シュール」な世界観と笑いの関係に迫ります。敷居が高いと思われがちな美術をわかりやすく、かつ面白いものとして人びとに伝える“アートテラー”、とに~さんをお招きした、本展の担当学芸員との対談形式のトークイベントです。
日   時: 1月11日(土) 14:00 – 15:30
定 員: 先着100名様
参 加 費: 無料(要当日入館券)
講   師: とに~(アートテラー)×東海林 洋(ポーラ美術館本展担当学芸員)



■ 1月12日(日)第8回ギャラリートーク駅伝 (リンク »)
箱根駅伝にちなみ、学芸員がタスキをつなぎ、1回30分のトークを10回連続で行うギャラリートーク駅伝。今回は、フランスで生
まれたシュルレアリスムの絵画への広がりや、日本で独自に発展した「シュール」という世界観への変遷を、ダリやデ・キリコなどの作品を通してご紹介します。また、印象派のモネやルノワールなど、ポーラ美術館を代表する名画も登場。学芸員たちが全力でタスキをつなぎ、作品の見どころや魅力をご紹介します!
日   時: 1月12日(日)往路10:00-12:30(計5回)/ 復路13:30-16:00(計5回)
定 員: 各回30名様
参 加 費: 無料(要当日入館券) ★各回、参加者全員にポストカード1枚プレゼント!


■3月20日(金・祝)「シュルレアリスムの技法を楽しむ」ワークショップ (リンク »)
シュルレアリスムの画家、マックス・エルンストは、フロッタージュ(こすり出し)やグラッタージュ(けずり出し)の技法を発
明し、それらとともにコラージュ(糊付け)やデカルコマニー(転写法)といった技法を駆使した絵画を数多く制作しました。これらの技法は、美術の知識や技量に関わらず、誰もが感覚的に実践できることが特徴です。今回のワークショップでは、エルンストに代表されるシュルレアリスムの画家たちが実践した絵画技法を学び、それらを使った作品を自由に制作します。
日   時:2020年3月20日(金・祝)14:00—15:30
講   師:内呂 博之(うちろ・ひろゆき/ポーラ美術館本展担当学芸員)
定   員:20名様 *要事前申込: (リンク ») (12/20 11時公開予定)
会   場:ポーラ美術館 講堂
参 加 費:500円(要当日入館券)


■3月21日(土)香水作りワークショップ「香りの教室」
(リンク »)
「モードとアートの香水瓶」展にちなみ、オリジナルの香水を作るワークショップを開催します。本展の舞台である1920年代~
1940年代に流行した香りや香料の特徴をはじめとし、現代の私たちが香水を選ぶ時のコツなども学びます。香水は、ただ香料をまぜればできる、というものではなく、「いい香り」にするには、知識や経験が必要です。初めての人でも失敗しない調香の法則で特許を取得しているポーラ化成工業から講師を招き、オリジナルの香水を作ります。作った香水は、お持ち帰りいただけます。
日   時:2020年3月21日(土)14:00—15:30
講   師:山本 めぐみ(やまもと・めぐみ/ポーラ化成工業株式会社横浜研究所 研究員)
会   場:ポーラ美術館 講堂
定   員:20名様 
 *要事前申込: (リンク ») (12/20 11時公開予定)
参 加 費:1,500円(制作したオリジナル香水をお持ち帰りいただけます)
協   力:ポーラ化成工業株式会社


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