滋賀県
障害者福祉の思想が根付く滋賀で 障害者の文化芸術を通し、日本の魅力を国内外に発信する全国イベントが開幕!
障害者の文化芸術フェスティバル グランドオープニング開催!
日時 : 2020年2月7日(金)~9日(日)
場所 : びわ湖大津プリンスホテル コンベンションホール他
障害者による舞台芸術の発表や、近年国内外で高い評価を受けているアール・ブリュット作品の展示など、障害者等の芸術表現に触れることができる「東京2020大会・日本博を契機とした障害者の文化芸術フェスティバル」のグランドオープニングイベントを2月7日(金)~2月9日(日)に、滋賀県大津市で開催します。
期間中には、ジャン=マルク・エロー氏(フランス元首相、ナント市名誉市長)をはじめとした、アール・ブリュットの推進に取り組む世界各国の著名人が集い、国際的ネットワーク構築に向けた議論も行います。
7日、県庁で主催者とともに発表会見を行った、三日月大造 (みかづき たいぞう)滋賀県知事は、「このイベントが滋賀県で開催されるのは単なる偶然ではない。日本の障害者福祉の父と呼ばれる糸賀一雄先生はじめ、多くの方による取り組みの歴史が礎になり、障害者による自由な造形活動が生まれ広がった。また、「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA」をはじめとしたギャラリーが県内に多数設置されたことで、多くの方が障害者の文化芸術に触れられる環境が整ってきた。こうした積み重ねの結果、滋賀県が「芸術を通じた共生の発信拠点」として全国から注目されるようになり、今に至っている。このフェスティバルが、県民をはじめとした多くの方々が障害について、障害者の文化芸術について、触れ合い思いを寄せる機会となれば。」と開催にかける思いを語りました。
グランドオープニング
■日時:2020年2月7日(金)~2月9日(日)
■場所:びわ湖大津プリンスホテル コンベンションホール他(大津市におの浜4-7-7)
■主催:文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた
障害者の文化芸術活動を推進する全国ネットワーク、障害者の文化芸術国際交流事業実行委員会
■概要:本フェスティバルは、文化庁が進める「日本博」のプログラムの一つで、「日本博」のテーマで
ある「日本人と自然」を障害者の文化芸術を通して表現し、その魅力を国内外に発信することを
目的に開催するものです。令和2年度から3年度にかけて全国各地を巡回し、北海道から九州まで
の複数の会場で開催を予定しています。
今回はその皮切りとして、上記の3日間、滋賀県でオープニングイベントを開催します。
(リンク »)
■主なプログラム:
(1)障害者の舞台芸術見本市(8日11:00~19:30、9日13:30~15:45)
障害者等による、郷土芸能、音楽、ダンスといった多彩な分野の舞台芸術公演
(主な公演者)
・湖南ダンスカンパニー(滋賀県)
知的障害者や福祉施設の職員らによるダンスグループ。パリで開催された障害者の文化芸術国際交流事業
「2018ジャポン×フランスプロジェクト」において公演し、好評を博す。
・瑞宝太鼓(長崎県)
知的障害者による和太鼓の演奏団。年100回以上の公演を行い国内外で好評を得る一方、少年院・刑務所
や学校等での公演を通して社会貢献にも努めている。2017年、文部科学大臣表彰を受賞。
・サルサ・ガムテープ(神奈川県)
NHK5代目歌のお兄さん かしわ哲氏が知的障害者らと結成したロックバンド。
フジロックフェスティバルへの出演や海外でのライブ等、精力的に活動を行っている。
(2)美術展「アール・ブリュット-日本人と自然-展」(7・8日9:00~19:00、9日9:00~14:00)
約300点にもおよぶ障害者等の芸術作品を展示します。作品には、日本人が古くから持つ、
四季折々の天然の色彩や昔の風情を慈しむ心が強く表れています。
(3)アール・ブリュット ワールドフォーラム(7日13:00~18:10、8日9:15~18:45)
アール・ブリュットの推進に取り組む世界各国の著名人が集い、
国際的なネットワークの構築に向けた議論を行います。
(主な登壇者)
・ジャン=マルク・エロー氏(フランス元首相、ナント市名誉市長)
・青柳 正規氏(文化庁前長官、山梨県立美術館館長)
・リン・クック氏(ワシントン・ナショナル・ギャラリー現代美術部門シニアキュレーター)
・マルティーヌ・リュザルディ氏(パリ市立アル・サン・ピエール美術館長) ほか
また、障害者の文化芸術活動を促進することを目的に結成された知事連盟や議員連盟による、
フォーラムも開催します。
(主な出席者)
衛藤晟一氏(一億総活躍担当大臣)、平井伸治氏(鳥取県知事)、
高木美智代氏(衆議院議員)、三日月大造(滋賀県知事) ほか
滋賀県での障害者の文化芸術活動に関する取組
滋賀県では、戦後まもなく「日本の障害者福祉の父」と呼ばれる糸賀一雄氏や田村一二氏、池田太郎氏らにより、障害者福祉施設「近江学園」で粘土を利用した造形活動が始まりました。
近江学園で始まった造形活動は、糸賀氏が残した「この子らを世の光に」という障害者福祉の思想とともに県内の福祉施設に受け継がれ、多くの人々が関わる中で芸術の領域で評価される作品が数多く見出されてきました。その後も滋賀県では、関係者の努力や協力のもと、「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA」等のアール・ブリュット作品を展示する場づくりや、誰もが造形活動や表現活動を楽しむことができる環境づくりに、全国に先駆けて取り組まれてきました。
こうした中、芸術を通じた共生の発信拠点として世界から注目されるようになり、2008年にはNO-MAとスイスの美術館「アール・ブリュット・コレクション」との間で交流企画展が開催されるようになりました。2010年にパリで開催された「アール・ブリュット ジャポネ」展や2017年の「ジャパン×ナント プロジェクト」に代表される海外展示においても、滋賀県出身の作家の作品が出展され、世界的な評価を得るようになっています。
また、本フェスティバルに出演される「湖南ダンスカンパニー」らが取り組まれている、ダンスや和太鼓などの表現活動についても、県内各地で広がりを見せています。
行政としても、障害の有無にかかわらず、誰もが造形活動や表現活動を楽しむことのできる環境づくりに、全国に先駆けて取り組んできました。障害者が安心と希望を持って造形活動に取り組めるよう、作者の権利保護等の中間支援を行う組織「アール・ブリュット インフォメーション&センター(略称:アイサ)」の設置に向けた支援や、2013年からは全国組織「アール・ブリュットネットワーク」を設立・運営し、アール・ブリュットを多様な主体が関わり合いながら支えていくための機運醸成に努めています。また、より多くの人がアール・ブリュットの魅力に触れられるよう、県内各地の施設で作品展示を展開しています。
舞台芸術においては、「びわ湖ホール 音楽会へ出かけよう!(ホールの子事業)」での舞台芸術鑑賞の機会の提供や、アーティストと障害者のコラボレーションによるボーダレスな舞台演奏が行われる糸賀一雄記念賞音楽祭の開催支援などを行ってきました。
また、滋賀県では現在、「(仮称)滋賀県障害者文化芸術活動推進計画」の策定を進めています。障害の有無にかかわらず誰もがともに、文化芸術活動に親しみ、活躍できる環境を創造することを目標とし、今年3月の策定を目指しています。
このように、滋賀県では様々な主体が協力し合うことにより、県民が文化芸術活動を通じて自分らしく活躍できるように、そしてともに支え合い触れ合うことで共生社会が形成されるように、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現を目指した「持続可能な開発目標(SDGs)」の視点も踏まえながら取組を進めています。
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