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パリ、2020年1月14日/PRニュースワイヤー / --
Artpriceのエディトリアルチームは、一貫性、明確性、透明性への配慮から、美術史を常に5つの主要時期に区分してきました。こうして、アート作品はその製作年度という単純で疑いようのない基準に沿って分類されています。
・「オールドマスター (古典)」:1760年以前に生まれたアーティスト
・「19世紀」:1760年から1860年の間に生まれたアーティスト
・「近代」:1860年から1920年の間に生まれたアーティスト
・「戦後」:1920年から1945年の間に生まれたアーティスト
・「現代」:1945年以降に生まれたアーティスト
時代が進むにつれ、いわゆる「現代芸術」に相当する時期が、より長くなっています。今日、このカテゴリーに分類される作家は実に多様で、Jean-Michel Basquiat (1960-1988)、Oscar Murillo (1986年~)、Anselm Kiefer (1945年~)、Kaws (1974年~)、Martin Kippenberger (1953-1997)、Cory Arcangel (1978~)らの名が見られます。また弊社の分類によれば、Gerhard Richter (1932~)、David Hockney (1937~)、El Anatsui (1944~)といった作家は、このカテゴリーには属しません。
Artpriceの創立者でArtmarket.comのCEOを務めるThierry Ehrmannの説明によれば、「美術史の時期区分を客観的に行うことによって、アート市場を研究し、その構造と変遷を理解することが可能になります。たとえ、時に「現代芸術」に属するか否かを非常に機械的に判断することになったとしても、この区分は有益に機能します。」インスタグラム上で、Maurizio Cattela関連の投稿が数千単位でMarcel Duchampのものを上回ったり、 Kawsの作品価格がPierre Soulagesのベスト作品に値する評価を唐突に獲得したりすることは、アートのトレンドや市場に見られる矛盾の数々を露呈すると同時に、現代芸術の概念にも深く関係しています」。
アートにおける「現代」は、作家が「今日も存命」であることを意味しません
草間彌生(1929年~)や、Pierre Soulages (先ごろ100歳を迎えたばかり)の作品は、どのようにカテゴライズされるべきでしょうか?草間とSoulagesのキャリアは戦後まもなくスタートしたものの、両者のベスト作品の一部はKeith HaringやJean-Michel Basquiatの死後、長い時を経て実現されています。Basquiatの作品が記録的な高騰を維持するなかで、両者の価格も漸進的に成長し続けています。
あるいは「現代芸術」は、単にいまだ完全に定義されていない区分だとみなされるべきなのかもしれません。このことは、Marcel DuchampとMaurizio Cattelanの間に横たわる根本的な相違も示唆しています。Duchampの作品Fontaine (1919)と、CattelanのComedian (2019)に対する受け入れの違いを見てください。Duchampの男性用小便器を形どった作品は今日においても論争の種となっているものの、アートヒストリーにおけるその作品の存在はゆるぎないものとなっています。一方で、Cattelanによる壁にバナナをテープで止めた作品は、認知されるまでにはまだ多くの時を要することでしょう。
このような差別化は、一部アーティストにおいてもあいまいな様相を呈しています。Jeff Koonsの例を挙げてみましょう。今日、彼の作品は20世紀後期における注目作品として記憶される可能性が高くなっています。実際に、その彫刻作品Rabbit (1986)は、すでに「古典(クラシック)」作品としての地位を獲得しています。とはいうものの、その作品は今日でも大きな議論の種となっており、その表現技法もいまだ完全には受けいれられていません。先ごろ出された裁判所の採決によれば、Koonsが自作 Naked (1988)においてフランス人写真家の作品を盗用した、とされていますが、このような事実は、アメリカ人アーティストが現在直面している多くの弊害ケースの一例にすぎません。
弊社による誕生年別の分析(2019年度の結果に基づく)によれば、1955年、1960年、1974年が、注目の3大年度となっています。
第二次大戦終了からちょうど10年後にあたる1955年に、アメリカの東海岸に生まれた Jeff KoonsとChristopher Woolの存在によって、1955年が誕生年別にみる現代芸術の「ベストヴィンテージ年度」となっています。両者の作品は、いまだヴェネチアビエンナーレにおけるアメリカ代表にはセレクトされていないものの、すでに数十年前よりメジャーアーティストとして数々のアメリカの美術館に所蔵されています。この1955年は、別のアーティストの実績によってもヴィンテージ年度としてマークされています。全時期混合の「年間オークション トップアーティスト100」に2年連続で選出されたアラバマ出身のKerry James Marshall (アラバマ出身)と、中国人アーティストのZhou Chunyaの二名が、この1955年度生まれのアーティストにあたります。
2019年度にオークション総売上高1億2900万ドルを記録したJean-Michel Basquiatが、変わらず現代芸術部門をけん引し続けています。Basquiatただひとりによって、1960年度が20世紀後半のベストヴィンテージ年度にランクインされています。1960年生まれの二番手アーティストはGlenn Ligonですが、その販売高は190万ドルにとどまっています。
興味深いことに、ストリートアーティストの新星KawsとBanksyは、ともに1974年に生まれています。前者はアメリカのジャージーシティ、後者はイギリスのブリストルの出身です。
柔軟性と限定性に欠けるにもかかわらず、Artpriceが用いる歴史的分類 (アーティストの誕生年別)は、2019年度のオークション結果との間に一貫性を示しています。「現代芸術」部門の開始年度が新たに選定されるとしても、1965年度が論理的な区切りの年とされる可能性は大いに考慮されます。1965年以前の20年間に生まれたメジャーアーティストの作品価格が市場で高騰を続けている事実 - Albert Oehlen (1954~)、Rudolf Stingel (1956~)、Zhang Xiaogang (1958~)、Damien Hirst (1965~) – は、彼らの芸術史上における地位がいまだ明確に確立されていないことを示しているといえるでしょう。
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