株式会社ドール(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 渡辺 陽介、以下 ドール)は、GABA(γ-アミノ酪酸)を含んだ機能性表示食品として届出完了されている「極撰バナナ」、「ドールバナナ」を使用し、GABA含有量の異なる2種類のバナナを4週間継続摂取することで血圧降下や排便状況の改善がみられるか、血圧が高めな方※1を対象に臨床試験を実施しました。結果、収縮期血圧(最高血圧)の降下と排便状況の改善、自覚的な疲労緩和効果と緊張緩和効果がある可能性が示唆されました。
血圧が高いと、動脈硬化が進行して脳卒中や心臓病、腎臓病などの重大な病気に繋がる危険性が高まります。高血圧は日本で患者数が最も多い病気で、現在4,300万人の患者がいると推計されています。※2血圧の上昇は徐々に進行するため、食生活を含めた生活習慣の改善が重要です。
ドールのバナナに含まれるGABAには、血圧高めの方の血圧を下げる機能があることが報告されており、バナナ120g(1~3本)を食べると、機能性が報告されている1日当たりのGABAの摂取目安量の50%、およそ6.2mgを摂取できます。今回の臨床試験では、バナナ120gを4週間摂取した結果、収縮期血圧の降下が確認され、ドールのバナナの継続摂取が血圧対策に有効である可能性が示唆されました。そして、自覚的な疲労緩和効果と緊張緩和効果も示されており、GABAの持つ精神安定作用と他の栄養成分が複合的に作用した可能性も示唆されました。また、バナナに含まれる豊富な食物繊維には便通促進作用がある可能性も示唆されています。
なお、本研究結果は、2020年10月19日(月)~11月2日(月)Web開催の『第42回日本臨床栄養学会総会』にて発表されました。
※1 収縮期血圧が180mmHg未満かつ拡張期血圧が110mmHg未満の方
※2 高血圧治療ガイドライン2019(2019年4月発行)
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【バナナの継続摂取による血圧および排便状況・精神状態変化に関する臨床試験 主な結果】
(1)血圧が高めの方の収縮期血圧の降下
バナナ摂取群で、血圧が高めの方の収縮期血圧が摂取前と比べ摂取後に有意に低下していた。このことから、GABAを含有するバナナに血圧降下作用がある可能性が示唆された。
(2)排便状況の改善
バナナ摂取群で、「排便回数 (回/週)」、「排便日数 (日/週)」、「便量 (/日)」が有意に増加していた。これらのことから、バナナが豊富に含有する食物繊維の便通促進作用がある可能性が示唆された。
(3)自覚的な疲労緩和効果と緊張緩和効果
「極撰バナナ」摂取群では疲労感、「ドールバナナ」摂取群では緊張感の項目について摂取前に比べ摂取後に有意に改善していたことから、バナナに含有するGABAの精神安定作用と他の栄養成分が複合的に作用した可能性があることが示唆された。
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[試験概要]
・試験期間:2019年12月21日~2020年2月9日
・試験対象:下記項目を満たす男女78名
1)20歳~64歳の健康な日本人 2)収縮期血圧が180mmHg未満かつ拡張期血圧が110mmHg未満
・調査方法:
並行群間比較試験。対象者を「極撰バナナ」摂取群25名と「ドールバナナ」摂取群26名と非摂取群27名の3群に分け、摂取群は4週間、毎日120gのバナナを摂取。摂取前後で、血圧検査(収縮期血圧、拡張期血圧)、排便状況に関するアンケート、精神状態に関するアンケートを行い、「極撰バナナ」摂取群と「ドールバナナ」摂取群と非摂取群での比較を行った。
・解析方法:
得られた評価項目について原則として、二元配置分散分析を行い、その後の検定として、対応のあるデータではpaired t-test、対応のないデータは、Student’s t-test (等分散性あり) またはAspin-Welch’s t-test (等分散性なし) を行った。段階の多い順序データの場合、対応のあるデータはWilcoxon signed-rank testを行い、対応のないデータはMann-Whitney U-testを行った。多重比較が必要な場合はデータの形式に応じて、Bonferroni法、Tukey法、Dunnett法などを用い、必要に応じて層別解析を行った。
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<<バナナの継続摂取による血圧および排便状況・精神状態変化に関する臨床試験結果>>
●血圧が高めの方の収縮期血圧の降下
4週間のバナナ摂取試験の結果、血圧検査で比較すると、収縮期血圧は「極撰バナナ」摂取群と「ドールバナナ」摂取群において、摂取前と比べて摂取後に有意に値が低下していた。
また、降圧効果が顕れやすく、機能性届出のエビデンス研究中で対象とされないII度高血圧者※3以上の方を除いた層別解析を行った結果、収縮期血圧は「極撰バナナ」摂取群において、摂取前と比べて摂取後に有意に値が低下しており、「ドールバナナ」摂取群においては、摂取前に比べて摂取後に値が低下する有意傾向がみられた。
これらのことから、I度高血圧者※4以下の方含め、GABAを含有するバナナの4週間摂取には降圧効果がある可能性が示唆された。両バナナの含有するGABA量は、ともに一日当たりの摂取目安量12.3mgを下回るが、降圧効果がみられたことから、他の食事によって補われた可能性や、バナナに含有するカリウムなどの他の成分による影響の可能性が考えられる。
なお、拡張期血圧(最低血圧)については、非摂取群においても有意な低下がみられたため、バナナ摂取による降圧効果は確認できなかった。
※3 収縮期血圧が160~179mmHgかつ拡張期血圧が100~109mmHg
※4 収縮期血圧が140~159mmHgかつ拡張期血圧が90~99mmHg
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●排便状況の改善
排便状況に関するアンケートについて、「排便回数 (回/週)」、「排便日数 (日/週)」、「便量 (/日)」は両バナナ摂取群において、摂取前と比べて摂取後に有意に値が増加していたことから、バナナの4週間摂取は食物繊維による便通促進作用がある可能性が示唆された。
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●自覚的な疲労緩和効果と緊張緩和効果
精神状態に関するアンケートとして実施したVASアンケート※5で比較すると、「極撰バナナ」摂取群では疲労感、「ドールバナナ」摂取群では緊張感の項目について摂取前に比べ摂取後に有意に改善していたことから、バナナの4週間摂取には自覚的な疲労緩和効果と緊張緩和効果がある可能性が示唆された。
血圧抑制効果と同様に、GABAは精神安定作用があり、その一日当たりの摂取目安量は28mgである。本試験でみられた疲労緩和効果、緊張緩和効果もGABAによる可能性が考えられるが、両バナナの含有するGABA量は、ともに一日当たりの摂取目安量に至っていない。それでも効果が見られた理由として、各バナナが含有する他の栄養成分が複合的に作用した可能性が考えられる。
※5 VAS(Visual Analogue Scale)アンケート:100mmの水平な直線上に、自覚症状の程度
について印をつけてもらい、その長さを測定し自覚症状の程度を数値化する評価法
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●安全性評価
医師による問診、一般血液生化学検査、理学検査および生活日誌において試験との関連性が疑われる有害事象は認められなかった。バナナはカリウムを豊富に含有する(360mg/100g)が、バナナ120gの4週間継続摂取は、本試験条件下においては血中カリウム濃度を高めることはなかった。
「GABAを含むバナナの血圧降下作用やストレス緩和効果の可能性が示され、改めて栄養価の高さに注目しています!」
機能性食品の基盤的研究の第一人者、大澤俊彦先生
今回、バナナ4週間継続摂取による「血圧降下」、「排便改善」、「精神状態」に及ぼす効果についての臨床試験を実施しました。
バナナは排便促進作用のある食物繊維、ビタミン、ミネラルなど様々な栄養素が豊富に含まれていることは広く知られていますが、血圧降下作用やストレス緩和効果のあるGABAが含まれていることはあまり認知されていません。科学的根拠に基づいた臨床試験により、GABAを含んだバナナによる血圧降下やストレス緩和効果の可能性が示されたことは、多くの方に知っていただく良い機会になるのではと思います。
バナナには体内の余分な塩分を排泄することに役立つカリウムや、GABAと共に摂取すると複合効果が期待されるビタミンDやマグネシウム、亜鉛などのGABA受容体の活性化作用がある成分も含まれています。血圧対策やストレス緩和の面でも優良な食材として、バナナが再注目されることを期待しています。
<大澤俊彦先生 プロフィール>
名古屋大学名誉教授、愛知学院大学心身科学部・人間総合科学大学(特任)教授。
機能性食品、特に、酸化ストレス制御食品開発の基盤的研究の第一人者。1000を超える学会発表、300を超える科学論文、250を超える総説や本の執筆をしている。大学研究のみならず、研究を産業分野に活かす活動を通じて社会貢献を行っている。
今回の臨床試験に使用したバナナ
<極撰バナナ> 届出番号:E604
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ドールが研究・開発した100 種以上の中から選び抜かれた甘み、香り、食感、すべてが高品質の高地栽培バナナ。標高500m以上の高地は、夜には気温が急激に下がるため、バナナは温暖な低地と比べてゆっくりと成長し、糖分に変換されるデンプン質が増え、もっちり濃い甘さのバナナに生育する。
<ドールバナナ> 届出番号:E601
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いつでも、どこでも気軽に食べられるドールバナナのスタンダード。ドールバナナの原点で、さわやかな甘さ、さっぱりした後味のバナナらしいバナナ。
<<バナナのGABAを毎日おいしく食べるアレンジメニュー>>
今回の臨床試験結果から、1日120gバナナを摂取することをお勧めします。
バナナは一本そのままむいて簡単に食べられますが、他の食材と合わせて一工夫するだけでさらにおいしく食べることができます。
自然な甘さがあるので調味料無しでヨーグルトと合わせるだけで美味しいデザートになります。また、野菜との食べ合わせも良く、サラダへのトッピングなど、工夫次第でメニューも広がる食材です。ぜひ普段の食事に取り入れていただき、美味しく楽しく毎日の血圧対策にご活用ください。
<バナナのジンジャーホットヨーグルト>
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しょうがでポカポカ。レンジでチンするホットレシピな一品。
しょうがに含まれているジンゲオールが加熱されるとショウガオールという成分に変わります。ショウガオールは血流を促進させ体温を上げる効果があり、寒い時期におすすめのレシピです。
エネルギー(1人分):138kcal 塩分:0.2g 調理時間:5分
《材料》(2人分)
バナナ:2本
ヨーグルト:160g
しょうが(すりおろし):10g
《作り方》
1.耐熱容器にヨーグルトとしょうがを入れ、電子レンジ600Wラップをして1分程度暖める。 ※温め過ぎると分離するので注意。
2.バナナは7mm程度の輪切りにし、器に盛り付け、ヨーグルトをかける。
<バナナとツナのパワーサラダ>
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良質なたんぱく質を含むツナとバナナのスタミナレシピ
バナナに含まれるビタミンB6は体を作る働きのあるたんぱく質の代謝を助ける機能があります。野菜たっぷりでバナナとツナがアクセントの大満足サラダです。
エネルギー(1人分):222kcal 塩分:0.9g 調理時間:20分
《材料》(2人分)
バナナ:1本
レモン汁:小さじ2
ツナ(缶):60g
ゆで卵:1個
ベビーリーフ:30g
グリーンリーフ:20g
トマト:1個
ブロッコリー:60g
オリーブ(黒、種抜き):6個
豆と雑穀ミックス:40g
お好みのドレッシング:適量
《作り方》
1. バナナは皮を除いて乱切りにし、レモン汁をまぶす。
ブロッコリーは小房に分けて色よくゆで、冷ます。グリーンリーフはひと口大にちぎる。ブラックオリーブは横半分に切る。トマトはざく切りにする。ゆで卵は殻をむいて半分に切る。
2.器にベビーリーフとグリーンリーフを敷き、豆と雑穀ミックスを散らし、野菜類、バナナ、ツナ、黒オリーブ、ゆで卵を彩りよく盛り合わせ、お好みのドレッシングをかける。
バナナのGABAレシピは、ドールホームページ内「RECIPES」にてご覧いただけます。
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