摂南大学(大阪府寝屋川市)農学部応用生物科学科ゲノム生物学研究室の小保方潤一教授と京都府立大学生命環境科学研究科植物ゲノム情報学研究室は、植物細胞への遺伝子の導入効率を従来法に比べ100倍以上向上させる実験手法を開発しました。
【本件のポイント】
● 植物細胞への遺伝子の導入効率を従来法に比べ100倍以上向上させる実験手法を開発
● 栄養成分を高濃度で含む培地で植物細胞を短期間培養して実現
● ゲノム研究、作物の品種改良などを促進することが期待される
植物細胞への遺伝子の人為的導入は、植物ゲノムの機能を探索する上で、非常に有用な研究手法の一つです。この目的では一般に大量の細胞に遺伝子を導入することが必要ですが、これまで用いられてきた遺伝子導入法はその効率が低く、1 回の実験で得られる遺伝子導入細胞の数が少ないという問題がありました。
摂南大学農学部応用生物科学科ゲノム生物学研究室と京都府立大学生命環境科学研究科植物ゲノム情報学研究室との共同研究チームは、アグロバクテリウムという細菌を用いて外来遺伝子を導入する際に、シロイヌナズナの細胞を通常は使用しない高濃度の培養液(栄養塩溶液)で短期間培養しておくと、遺伝子の導入効率が著しく高くなる現象を発見しました。これにより、1 回の実験によって得られる形質転換カルス(細胞塊)の数は100倍以上になります。さらに個々のカルスに含まれる遺伝子導入細胞の数も増えるため、1回の実験で得られる遺伝子導入細胞の数は全体で数千倍以上になっていると推定されます。
この発見は、今後、作物の品種改良、有用物質の生産、未知の遺伝子機能の探索などに大きく寄与するものと期待されます。この成果はこのほど、植物細胞工学に関する専門誌 Plant Biotechnology に掲載されました。
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