アッヴィ合同会社
アッヴィ 自己免疫疾患 アートプロジェクト
「第3回 PERSPECTIVES(パースペクティブズ)」受賞作品を決定
●募集テーマ「疾患と生きる。私の新たな可能性」
●8歳から90歳までの患者さんが、ご自身の視点で、自分の心とカラダを自由に表現
●バーチャル空間上に構築した「オンライン美術館」に、受賞作品を展示
アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長: ジェームス・フェリシアーノ)は、自己免疫疾患をもつ患者さんを対象とした「アッヴィ 自己免疫疾患 アートプロジェクト『第3回PERSPECTIVES(パースペクティブズ)』」の受賞作品9点を発表しました。受賞作品はバーチャル空間上に構築した「オンライン美術館」( (リンク ») )に展示され、パソコンやスマートフォンで鑑賞できます。
【表: (リンク ») 】
「オンライン美術館」のイメージ
自己免疫疾患 アートプロジェクトは、患者さんが自己免疫疾患と向き合いながらも、ご自身のPERSPECTIVES(パースペクティブズ:視点、考え方、物の捉え方という意味)を通じて心とカラダ、症状の改善などから見出した日々の喜び、希望や目標などを、絵画、彫刻、立体造形、陶芸、写真、書道、手芸などのアート作品に自由に表現していただくプロジェクトです。患者さんの創作活動から生まれた作品を通して、より多くの方に疾患について知っていただくきっかけを作り、患者さんへの理解につなげることを目的としています。
第3回を迎えた今回は、2020年6月1日から2021年1月15日にかけて「作品」と「作品に関わるエピソード」の募集を行い、8歳の若年性特発性関節炎の女児から最高齢90歳の関節リウマチ患者さんまで、計31点の応募がありました。美術家の佐久間あすか氏をはじめとした11名の審査委員による厳選なる審査により、最優秀賞1点、優秀賞2点、審査員賞2点、佳作4点の計9点の受賞作品が決定しました。
審査委員を代表して美術家の佐久間あすか氏は「前回に引き続き本プロジェクトの審査を担当させていただきましたが、今回の作品も逸品揃いの素晴らしいアートばかりでした。特に、今回は、絵画、木彫画、陶芸、立体作品等の多分野にわたる個性あふれる作風が多かったことが印象的です。惜しくも受賞を逃した作品もとても素晴らしいものが多く、選考の難しさを感じながら、厳正な審査の下、受賞作品を選出いたしました。選考に関しましては、技術力で評価するのではなく、難病と闘いながらも、魅力や表現力あふれる作品であるかを評価の基準といたしました。特に、受賞作品は表現方法は違えども、どの作品にも力強いメッセージが込められていて、同じ病と闘う方々に希望と勇気を与えてくださることと思います。審査を通して、素晴らしい作品に出会えたことをうれしく思い、これからもアートを通して、たくさんの人々を感動させて欲しいと願います」と述べています。
アッヴィは、本プロジェクトを通じて、ひとりでも多くの方が患者さんの想いを理解し、支援することができるよう、今後も継続的なサポートを行ってまいります。なお、「アッヴィ 自己免疫疾患 アートプロジェクト」の受賞作品を含む全応募作品は、アッヴィ合同会社のホームページ( (リンク ») ) にて、公開されています。
「アッヴィ 自己免疫疾患 アートプロジェクト『第3回 PERSPECTIVES』」の受賞者は下記の通りです。なお、受賞者及び受賞作品についての詳細は別紙をご参照ください。
■受賞者 (応募総数:31点) ※敬称略
【表: (リンク ») 】
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com (リンク ») をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie (リンク ») 、Facebook (リンク ») 、LinkedIn (リンク ») やInstagram (リンク ») でも情報を公開しています。
日本においては、1,300人を超える社員が、医療用医薬品の開発、輸入、製造販売に従事しています。自己免疫疾患、肝疾患、神経疾患、がんの各領域を中心に、患者さんの人生を豊かにしたいと願い、日々の業務に取り組んでいます。詳しくは、www.abbvie.co.jp (リンク ») をご覧ください。
受賞作品のご紹介
【表: (リンク ») 】
<北条さんの受賞コメント>
応募させていただいた作品は、陶器好きの次女の家の床の間に飾られていたお地蔵さんの置物で、目が留まり軽くスケッチして持ち帰り、そのまま引き出しに。
数か月経ったある日の夜、仕事から帰ってきたお婿さんが言った「お母さん、お月さんがきれいだよ」の言葉に促され外に。生まれて初めて見る「スーパームーン」は、住宅と住宅の屋根の間に挟まれたような形で、明るすぎるけれど穏やかで神秘的な光でした。そこで思いついたのが、スケッチしてきたお地蔵さん。合体させてみたくなったのが、今回提出させていただいた「浮かれ地蔵」、ちょっとふざけた作品です。何事も弱気になりかけていた折も折、大きな「喝」を受けたと思い、残された時を大切に生きていきたいと思います。
【講評】
サルコイドーシス友の会 会長 佐藤 公昭 さん
関節リウマチに罹患され、指先に力が入らず、思うように動かすことが難しいはずの手で、とても細やかな作品を制作されています。リハビリのためにと描かれたお地蔵さんは、笑顔で穏やかな表情です。病に負けず、心穏やかに過ごしておられるのだと思います。
6体のお地蔵さんには、欲や迷いを断ち切って、心身が清らかになること = 六根清浄の意味が込められているように感じました。満月に照らされた夜の明るさからは、難病 (= 夜)であっても、前向きに生きる (= 明るさ)という気持ちが伝わってきます。病気と向き合いながらも、心や身体、症状の改善を目指して作られた本作品は、希望や目標などを表現するPERSPECTIVESの理念にまさに相応しいと思います。
【表: (リンク ») 】
<中手さんの受賞コメント>
私は大学生の頃にクローン病を発症しました。これまで治療を受けた病院やクリニック、主治医のおかげで症状は落ち着いています。しかし、20代の終わりに、他の部位で数値が悪化し、気を抜けない日々が続いています。寛解状態ではあるものの、クローン病が関係ないとは言い切れないとの見解もあり、日々、自己との戦いだと痛感しています。
闘病を通して、「生命も健康も有限で、でも命が尽きるまでは、ひたむきに生きていくだけだ」という価値観を得ました。完治しないという暗さが消え切らない中での前向きな想いを作品として形にしてみました。
これからも、作品制作や仕事の中で、自分にできることをひたむきに頑張る大切さを表現していきたいです。
【講評】
北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター センター長 日比 紀文 先生
未だ根本治療のない病気と向き合い、ご自身の不安、恐怖、葛藤などを、想像上の生き物である龍を用いて力強く描かれているのが印象的です。全体的に鮮やかな色が多い中、少し暗めな枯れ草色を中心とした緑色の空、血液の色を思い描くような山々など、自分の中にある気持ちや想いが伝わってきます。
ご自身の現在の感情、未来への不安感が、絵のタッチや色使いでうまく表現されています。将来に向けての不安感はなかなか拭えないものですが、最近の治療の進歩は著しく、炎症を抑えて、多くの患者さんが普通の日常生活ができるようになってきました。龍のようにたくましく病気に挑戦され、将来が充実したものとなると確信しています。
【表: (リンク ») 】
<小林さんの受賞コメント>
私は28年前、28歳の時にシェーグレン症候群と診断されて、今年で56歳になりました。「ハーフ&ハーフ?」と思っていた年に大変うれしいです。28年前の私は治療法のない病気だと聞いて、いじけて悲観し将来の自分の姿など考えられませんでした。でも現在の私は、あの頃に思っていたよりも元気に生活しています。本当は見た目ほど元気でもないんだけど…でも、まあ、これくらいでも良しと思えるようになりました。
毎日、何かと思い通りにならないのは健康でも病気でも、大、小、皆あると思います。今日はどの気分のハートかな?365日分のハートを皆さまに楽しんでいただけたらうれしいです。主治医の先生にも喜んでいただけたら幸いです。先生には28年お世話になり、とても感謝しています。そして先生と同じくらい長くお世話になっている看護師さん、いつもありがとうございます。「1年 365彩(いろ)」を評価くださり、ありがとうございました。
【講評】
公益社団法人日本リウマチ友の会 会長 長谷川 三枝子 さん
1年365日、雨の日・風の日・そして晴れの日と一日も同じ日はありません。リウマチとなって28年、痛みで眠れない夜、だるくてお皿が持てず食事の支度が満足にできなかった日、人と口をきくのも嫌な日もあったことでしょう。そんな日々の気持ちの支えになったのが、好きなリースづくりだったのですね。
丸いリースは“始まりも終わりもなく永遠に幸せが続く”と、一日一日ハートづくりに心を込めて365日。病気と向かい合い乗り越えてきた心が形となった彩り豊かなハートのリース。このリースの彩りに、思わず足が止まって見入ってしまいました。
【表: (リンク ») 】
<ノリタカさんの受賞コメント>
京都で闘病作家として活動しています。応募のキッカケは、SNSで繋がりのある同じ疾患(IBD)の方から紹介いただき、このアートプロジェクトを知りました。
私は物心ついた頃からものづくりが大好きで、今思えば過去の仕事や趣味、すべての根本はそこにあったように思います。自分自身を形成したものが、ものづくりでもあり、闘病の中で自身を救ってくれたものもまた、ものづくりでした。もちろん作品づくりは自己満足でもあり、自己表現でもあります。しかし、一番大切なコンセプトは「好きなことを生きるエネルギーに」という点です。私は自己免疫疾患以外にも、精神疾患も持っています。そんな中でたくさんの人と出会い、いろんな方の闘病体験や、その人たちの葛藤に触れてきました。
「何を生きがいにして生きたらいいのかわからない」そんな中で好きなことに取り組むことで気持ちを整理したり、前向きになれたらと思い、今に至ります。作家活動は、自分が自分らしく在るためでもあり、誰かの生きがいや、闘う勇気、前向きになれる希望を持つキッカケになればと思います。これからもそんな想いで、発信し続けていきたいと思います。
【講評】
NPO法人IBDネットワーク 副代表理事 秀島 晴美 さん
最初にこの作品を見たときに、この猫の瞳に強く惹かれました。曇りない眼で、揺るぎなく、ずっと向こうの何かを見つめているようでした。ご病気のことは詳しくは書かれていませんが、つらい思いをたくさんされて、それでもその中で前を見据えて生きてこられたのではないでしょうか。
ご自身の苦しくつらい時間が希望の光へと変わって、今はお仕事やものづくりを通じて、誰かの苦しくつらい時間に明かりを灯していらっしゃるのですね。作品を見て、そして作品の説明やエピソードを読んで、様々に想像いたしました。これからも素敵な作品を作ってください。
【表: (リンク ») 】
<岩本さんの受賞コメント>
わたしの絵を選んでくれてありがとうございます。わたしは赤ちゃんのときからびょう気で足がいたくてたくさん歩いたり、走ったりできません。
本当は友だちと休み時間に外であそびたいです。そういう気もちを絵にしました。絵のようにたくさん走れるようになりたいです。
<岩本 紗和さんのお母さん・ゆう子さんのコメント>
前回、前々回と賞をいただいておりましたので、まさか今回も選んでもらえるとは思わず、大変驚いております。ありがとうございます。昨年から現在まで調子の悪いことが多く、ひざや足首の痛みはもちろんですが、手などにも痛みが出てしまい、毎日の生活が大変なことが多いです。目のぶどう膜炎も再燃してしまいました。本当にコントロールの難しい病気で、本人はつらい思いをしていると思います。
娘は学校でも家でも絵を描いたり、何かを作ることが好きで、絵を描いているとお友達が集まってきてくれるそうです。絵や何か作品を作ることは、娘にとって自分の存在を示す大切な手段なのだと思います。これからも完治を目指して家族で頑張りたいと思います。
【講評】
日本AS(強直性脊椎炎)友の会 副会長 山下 昭治 さん
「明るいなぁ、元気良さそう・・・ひまわりに向かって走っているのかな? ひまわりと走っている子の赤い色は元気の良さなのかな、血液が身体中にみなぎって頑張っていることを表しているのかなぁ・・」などというのが第一印象でした。
1歳から発症されて8歳の今日まで病気と共に成長され、思いっきり走ったこともない暮らしの中からこの力強い作品が生まれたのですね。お母さんの願い以上に、ひまわりのように力強く、明るく、病気に負けず成長されていっていることが、よく分かる作品だと思いました。
これからも一生懸命生きる姿で、周りの人を元気一杯にしていってください。 笑顔にしてください、 励ましていってくださいね。今まで8年間、見事に歩んで来ていますよ!!
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。