2021年 モバイルニュースアプリ市場動向調査

株式会社ICT総研

2021-12-20 09:00

株式会社 ICT総研 (東京都中央区)は12月20日、「2021年 モバイルニュースアプリ市場動向調査」の調査結果をまとめた。

■ニュースアプリ・ニュースサイト利用者は2021年度に9,371万人、2022年度には9,761万人へ

 スマートフォン、タブレット端末などの普及に伴いモバイルニュースアプリの利用者が急拡大している。新聞・雑誌などの紙媒体から、パソコン上でのニュースサイト閲覧へと利用者が移行し、現在ではモバイル端末上でのニュースコンテンツ利用が主流となってきた。
 日本国内におけるモバイルニュースアプリの利用者数(アクティブユーザー数)は2017年度末に4,683万人だったが、2018年度末には5,152万人、2019年度末に5,422万人と増加が続いており、2020年度末(2021年3月末)には5,671万人に拡大した。今後は伸び率こそ落ち着くものの順調に増加を続け、2021年度末 5,874万人、2022年度末 6,036万人、そして2023年度末には 6,183万人がモバイルニュースアプリを中心としてニュースコンテンツを利用するものとICT総研は予測する。
 近年のモバイル端末の普及と、ニュースアプリコンテンツの充実により利用者数は年々一定の割合で増加を続けている。また、インターネットブラウザ上のニュースサイトでニュースを閲覧するユーザーも3,000万人以上の規模で安定して推移すると見込まれる。


■モバイルニュースアプリの提携媒体数・掲載記事数はスマートニュースがいずれもトップ

 ICT総研でモバイルニュースアプリの日本語の「提携媒体数」、「掲載記事数」をWebアンケート上の利用者数上位5社を対象に調査したところ、ニュースアプリ毎に掲載されている記事の総数は大きく異なることがわかった。
 「掲載記事数」はスマートニュースが1位で34,104件、2位はGoogleニュースで8,710件、3位のYahoo!ニュースは3,057件、4位のLINEニュースは2,194件、5位のグノシーは1,703件となっている。スマートニュースの掲載記事数はその他4社の記事数と比較して圧倒的に多い結果となった。
 「提携媒体数」についても最も多かったのがスマートニュースの3,000媒体でこちらも2位以下のニュースアプリに大きく差をつけている。2位のLINEニュースは1,100媒体で、「掲載記事数」は比較的少ないのに対して「提携媒体数」は多いという特徴がある。続いて3位のGoogleニュースは931媒体、4位のYahoo!ニュースは670媒体、グノシーは427媒体との提携が確認できた。


■モバイルニュースアプリ利用率はYahoo!ニュースが63.5%で1位、スマートニュースが56.2%

 ICT総研では2021年10月5日~12日にモバイルニュースアプリの利用実態について、インターネットユーザー 10,746人へのWebアンケート調査を実施した。その結果、「1年以内にニュースアプリを利用したことがある」とした回答者は53.7%、「1年以内にブラウザ上でニュースサイトを利用したことがある」とした回答者は23.1%を占めた。
 アンケート回答者の中で主に利用されているポータル系ニュースアプリは、Yahoo!ニュースが63.5%で1位、利用率2位はスマートニュースで56.2%と、この二つのアプリが大きな割合を占めた。以下LINE NEWS(37.0%)、グノシー(19.6%)、Googleニュース(19.5%)と続いた。
 前回調査(2020年4月実施)と比較するとほとんどのサービスの利用率が高まっている。最も利用率の増加が大きかったニュースアプリはスマートニュース(前回21.4%)で34.8ポイント増加、続いてYahoo!ニュース(前回39.8%)は23.7ポイントの増加であり、急速にこれらのサービスが浸透していると言える。
 新聞系ニュースアプリで利用率が最も高かったのは、日本経済新聞電子版で10.0%。次いで読売新聞オンラインが6.3%、朝日新聞デジタルが6.0%、毎日新聞ニュースが4.1%、産経電子版が3.3%と続く。 


■ポータル系アプリの利用者満足度1位はYahoo!ニュース、新聞系1位は日本経済新聞電子版

 モバイルニュースアプリの利用者に対して、その満足度を聞いたところ、ポータル系アプリの利用者満足度1位はYahoo!ニュースで83.5ポイントとなった。2位はスマートニュースで82.2ポイント、以下NewsDigest(81.3ポイント)、Googleニュース(81.1ポイント)、NewsPicks(79.5ポイント)と続いている。
 新聞系アプリ利用者の満足度評価では、日本経済新聞電子版が84.5ポイントで1位となった。2位は産経プラス/産経電子版で79.1ポイント、3位以下は読売新聞オンライン(77.8ポイント)、毎日新聞ニュース(76.5ポイント)と続く。


■男性利用比率が高い日本経済新聞電子版、LINEニュースは女性比率が56.4%

 それぞれのニュースアプリの利用率において、回答者の情報から男女比を集計したところ、男性比率の高いニュースアプリは1位が日本経済新聞電子版(70.7%)、2位が産経プラス/産経電子版(67.2%)、3位にNewsPicks(67.0%)と続いた。一方で女性比率の高いアプリは1位がLINE NEWS (56.4%)、2位がYahoo!ニュース (47.0%)、3位がスマートニュース(46.8%)であった。
 男性比率上位3つはいずれも経済メディアニュースに強いサービスであり、中高年男性の割合が高くなっていることが影響している。女性比率が比較的高くなっているLINEニュース、Yahoo!ニュース、スマートニュースはこれまでニュースサービス利用率の低かった若年層、女性層に向けた幅広いコンテンツを有しており、利用者層を拡大したことで利用率が伸び続けていることから今後もこれらのサービスの利用動向に注目する必要があるだろう。

用語解説

【モバイルニュースアプリの提携媒体・掲載記事数集計方法について】

*Webアンケートにおける利用者数上位5社を対象とした。
*媒体数は各社公表値または取材による数値を利用。非公開の場合はニュースアプリの掲載媒体数を集計した。
*掲載記事数は2021年9月~10月の特定の平日にニュースアプリに掲載された全ての記事(広告を除く)を集計した。
*記事数、媒体数のカウントは、目視により調査した。
*アプリの地域設定は、「東京都中央区」とした。
*Yahoo!ニュースは「ホーム」で表示される15カテゴリを調査対象とした。
*スマートニュースは「ホーム」で表示される21カテゴリ(クーポン除く)を調査対象とした。
*LINEニュースは「ニュース」で表示される16カテゴリを調査対象とした。
*グノシーは「ホーム」で表示される21カテゴリ(クーポン、アンケート、クリップ除く)を調査対象とした。
*Googleニュースは「ヘッドライン」で表示される7カテゴリと「おすすめ」に別途表示される「コロナウィルスニュース」を調査対象とした。
*メディア媒体名や、チーム名・個人名をカテゴリとしているものは、調査対象から除外した。
*「広告」表記がある記事は、調査対象から除外した。
*上記に記載したもの以外のカテゴリごとの記事重複は、削除していない。(重複記事も合算して集計している)
*媒体数については、カテゴリごとに重複がある場合には重複分を削除し、アプリ全体としての媒体数をカウントしている。

【本資料の調査結果・推計データについて】

*この調査は、ニュースサイト運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー10,746人へのWebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものである。アンケート実施日は2021年10月5日から10月12日。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。
*本資料は報道・ニュースメディア向け資料であり、ICT総研の許可無く、データ、グラフ等を広告および販促活動に利用することを禁止する。
*本資料に記載された文章、グラフ等を報道、各種ホワイトペーパー、セミナー資料、学術研究資料等に転載する場合は、「ICT総研調べ」「出典:ICT総研」などの表記を加えて下さい。

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