デロイト トーマツ調査、オンライン診療・オンライン服薬指導 利用経験のない人も5割以上は「使いたい」

デロイト トーマツ グループ

From: Digital PR Platform

2022-12-16 11:10


デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、グループCEO:木村研一)は、2021年度※に続き、オンライン診療や薬局によるオンライン服薬指導の認知・利用状況に関する調査結果を発表します。本調査は、20歳以上のオンライン診療・オンライン服薬指導(以下、総称して「オンラインサービス」という)の利用経験者・未経験者を対象として、2022年5月にWebアンケートを実施し、1,443名から回答を得たものです。

※「デロイト トーマツ調査、オンライン診療・オンライン服薬指導 利用率は伸び悩むも、経験者の76%は再度利用意向」、2021年8月16日公表
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【キーポイント】

オンラインサービスの利用率は、昨年と比較してほぼ横ばいの6%台であり、依然として低い水準にある。
オンラインサービスの利用経験者の再利用意向は8割程度と、引き続き一度経験をしたら今後も利用したいと考えている割合が高く、特にオンラインサービスの利便性が評価されている。
一方で、オンラインサービスの利用未経験者においても、5割以上が「使いたい」と回答しており、特に「医師・看護師が推奨するのであれば」オンラインサービスを使ってみたいと回答した。ただし、実態として、医師や看護師にオンラインサービスを推奨されたことがある人は非常に少ない。
また、医師・看護師にオンラインサービスを勧められても、手間がかかる印象を受ける、あるいはオンラインでの診療・服薬指導に不安を感じる人が一定いることも分かった。

【調査結果を踏まえた考察・提言】


未経験者の5割以上が「使いたい」と回答していることからも潜在需要は一定あることが確認できているものの、そのような需要に対するサービスの普及が進んだとは言い難い。

対面診療・服薬指導から完全に切り替わるものではないが、オンラインサービスへの利用意向がありそうな患者像やオンラインサービスに向いている疾患(慢性疾患、等)を考慮した上でのサービス訴求は必要ではないか。






現状、オンラインサービスが利用されていない理由としては、医師が患者に対して利用を積極的に推奨していないことと、患者側の不便さ・不安が解消されていないことが本調査結果で明らかになった。

病院が対応している/医師から勧められたら使ってみたいと思っているが、実際に推奨された利用未経験者は1%程度。
同時に、勧められてもアプリのダウンロードなど含め手間がかかる印象を受けたり、オンラインでの診療・服薬指導に不安を感じる患者も多い。






上記の背景には以下要素が寄与していると考える。

まずは、医師や看護師からのオンラインサービスのメリットや最適な活用方法の理解がまだ十分に得られていない可能性がある。オンライン診療は、対面診療を補完するもので、解決困難な要因以外では積極的に行うべきではないという意見が多い※1。
また、オンライン服薬指導における処方箋は、「処方箋の備考欄に『オンライン服薬指導希望』と記載し、当該患者の同意を得て、医療機関から患者が希望する薬局にファクシミリ、メール等により処方箋情報を送付すること」という扱いになっているため※2、やはり現状のルールでは医療機関側としては通常の業務よりも複雑な処理が必要になるため、オンラインサービスの利用に対するハードルが高い。






したがって、オンライン診療・服薬指導を医療従事者や患者の有効な選択肢にするべく、行政・産業界・サービス提供会社が連携して、以下のような取り組みを推進していくことが期待される。

経済的ベネフィットの提示:医療機関・薬局に対して診療報酬・調剤報酬の点数上でベネフィットを提示する。オンライン診療・オンライン服薬指導ともに、有用性・安全性を十分に検証できるほど普及が進んでいないことが実態であるため、まず経済的なベネフィットを提示することが入口ではないか。
疾患特性に応じた普及アプローチ:例えばオンラインとの親和性が高い疾患(循環器系の高血圧や不整脈、内分泌系の脂質異常症や糖尿病、花粉症、など)にターゲットを絞り、関連学会や患者団体に対する働きかけを行う。すべての施設、すべての患者を対象にするようなマスアプローチは、見直すべきタイミングに来ている。
自治体・介護施設などでの利用促進:高齢者層はビデオ通話アプリのインストールや利用方法を知らずに前に進めない可能性も高く、例えば介護施設などに専門スタッフが常駐するだけでも操作に慣れる可能性は大いに広がる。(若年・中年層は、アプリのインストール・準備等は理解しているが、面倒で行動に移さないというパターンが多いと想定される)




【アンケート調査結果】
オンラインサービスの利用率
オンラインサービスの利用率は、2021年※と比較するとほぼ横ばいであり、オンライン診療が6.8%、オンライン服薬指導が6.3%と、サービスの普及が進んだとは言い難い。(図1)
※2021年の利用率は、WEBアンケートの出現率に基づいて補正をしたため、昨年8月に開示したデータから若干の乖離が生じています。


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オンラインサービスの利用意向
昨年とほぼ変わらず、オンライン診療は57%、オンライン薬局・服薬指導は58%の人が利用意向ありと回答。(図2)
その中でも、オンライン経験者の再利用意向は8割程度と、未経験者と比べて高い水準にある。一方で、オンライン未経験者の中でも、オンライン診療では54%、オンライン服薬指導では55%の人が「使いたい」と回答をしている。(図3)

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オンラインサービス未経験者における、使ってみたいきっかけと実態

オンライン未経験者の5割以上の人は利用意向があり、使ってみたいきっかけとしては、「医師・看護師が推奨するのであれば」が本年も上位の理由として挙げられた。(図4)

一方で、オンライン未経験者のうち、医師や看護師にオンラインサービスを勧められた経験がある人は約1-2%と極端に低いことが分かった。(図5)




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オンラインサービスを使ったきっかけ

オンラインサービスを使ったきっかけとして、「インターネットやテレビで見て、興味があったから」が上位理由に挙がっており、日常生活の中で情報を目にすることが利用のきっかけにつながった。(図6)


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オンラインサービス未経験者のうち、オンラインサービスを医師や看護師に勧められた経験があるが、オンラインサービスを利用しなかった理由

オンラインサービスを勧められても、利用しなかった理由として、「アプリのインストール、診察、支払いなど含めて準備・手続きが大変そうなため」や、「ビデオ電話できちんと症状を伝えたり、診察してもらうのに不安があるため」が上位に挙がった。オンラインサービスを勧められても、手間がかかる印象を与えたり、オンラインでの診療・服薬指導に不安を感じたりする人が一定数いることが窺える。(図7)

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※1: 日本医師会定例記者会見、「オンライン診療に関するアンケート結果について」(2022年1月19日)より
※2: 厚労省、「オンライン服薬指導における処方箋の取り扱いについて」(2022年3月31日)より


【訂正】
図表3の数値に記載ミスがありましたので、以下の訂正を2023年2月28日付で行いました。
・図表3 「オンライン診療」未経験者の利用意向
(誤)コロナに関係なく、使いたい 46%
  コロナに関係なく、使いたくない 30%
(正)コロナに関係なく、使いたい 30%
  コロナに関係なく、使いたくない 46%
・オンラインサービスの利用意向 説明文
(誤)一方で、オンライン未経験者の中でも、オンライン診療では70%、
(正)一方で、オンライン未経験者の中でも、オンライン診療では54%、
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