今後、QPS研究所とJAXAが締結する共同研究では、JAXAが研究開発を進めている「ソフトウェアプラットフォーム」を搭載したオンボード高性能計算機(以下「OBC」)をQPS研究所が製造する小型SAR衛星「QPS-SAR」に搭載して軌道上での技術実証を行うと共に、本技術を活用した新たなサービス構想を協力して実証することを目的としています。本共同研究でJAXAはOBCと最大200kgの小型衛星の打上げ機会を提供し、QPS研究所はOBCを自社衛星に搭載して軌道上で実証を行います。
本共同研究では、取得した観測データをQPS-SARに標準搭載している軌道上画像化装置(※3)により軌道上で画像化し、本OBCに搭載したAI機能を使用し、検出・推論結果をいかに迅速にユーザーに提供できるかを実証します。QPS-SARはLバンド衛星間通信のための端末を標準搭載しているため、情報が絞られた検出・推論結果をLバンド衛星間通信を使って、地上局非可視領域であってもその出力データを地上に伝送する事ができます。さらには、処理結果として得られる検出・推論結果を活用し、次の観測に適切な観測衛星を選定してその観測衛星に観測計画を送信するまでを自立的に迅速に行うことができるかも実証します。
QPS研究所は現在QPS-SARを2機運用しており、2025年以降を目標に36機の小型SAR衛星コンステレーション(※)4を構築して、地球のほぼどこでも任意の場所を平均10分間隔という準リアルタイムでの地上観測データサービスの提供を目指しています。2021年6月にはJAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)(※5)において、軌道上画像化装置をQPS-SAR3号機以降に搭載することで、衛星による観測からユーザーにSAR画像を提供するまでの時間短縮に向けての実証を行う契約を締結しています。そして、この度、QPS研究所は本契約の実証を通して、AI処理により観測画像から高度な情報を抽出することを実証し、高頻度に、そして顧客ニーズに迅速かつ的確に応える観測体制をより早期に実現できるように引き続き取り組んでまいります。
(※1) SAR (合成開口レーダー):電波を使用して地表の画像を得るレーダー。雲や噴煙を透過し、昼夜を問わず観測することができる点が特長です。
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(※3)軌道上画像化装置(FLIP):JAXAとアルウェットテクノロジー株式会社が共同開発した、人工衛星搭載のSARデータを軌道上で画像化する装置。衛星からのダウンリンク量の大幅な圧縮が可能となり、即応性の高い観測ニーズに応えられるようになることが期待されます。
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(※4)複数の人工衛星によって、高頻度な地球観測を可能とするシステム。(コンステレーションは「星座」の意。)
(※5) (リンク »)
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<株式会社QPS研究所について>
QPS研究所は2005年に福岡で創業された宇宙開発ベンチャー企業です。名前のQPSとは「Q-shu Pioneers of Space」の頭文字を取っており、九州宇宙産業の開拓者となること、更には九州の地より日本ならびに世界の宇宙産業の発展に貢献するとの思いが込められています。その名の通り、九州大学での小型人工衛星開発の技術をベースに、国内外で衛星開発やスペースデブリへの取り組みに携わってきたパイオニア的存在である名誉教授陣と若手技術者・実業家が一緒になって、宇宙技術開発を行っています。また、QPS研究所の事業は、創業者たちが宇宙技術を伝承し育成してきた北部九州を中心とする、全国25社以上のパートナー企業に力強く支えられています。
本社住所 :福岡市中央区天神1-15-35 レンゴー福岡天神ビル6階
代表者 :代表取締役社長 CEO 大西俊輔
設立 :2005年6月
事業内容 :人工衛星、人工衛星搭載機器、精密機器、電子機器並びにソフトウエアの研究開発、設計、製造、販売
公式HP : (リンク »)
プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
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