宮崎県都農町、デジ田交付金TYPE-X採択を受け、ヘルスケアサービス群及び地域ポイントサービスを令和5年度中に実装

一般財団法人つの未来まちづくり推進機構

From: PR TIMES

2023-04-07 16:46

都農町、一般財団法人つの未来まちづくり推進機構

国の令和4年度第2次補正予算「デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)」の「マイナンバーカード横展開事例創出型(通称:TYPE-X)」に都農町(宮崎県児湯郡 町長:河野正和)が応募した事業が採択されました。国から総額2億439万円の支援の受け(補助率10/10)、町民のヘルスケアに活かせる複数のサービスと都農町内で利用できる地域ポイントサービス(いわゆる地域通貨)を令和5年度中に実装します。



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(図1:システム全体連携イメージ)

1. 背景|デジタルデバイド対策に主眼を置いたデジタルフレンドリー推進事業
 都農町では、コロナ禍でデジタル活用推進の重要性を再認識したのをきっかけに、令和2年度より、デジタルデバイド対策に主眼を置いた「デジタルフレンドリー推進事業」を進めてきました。

(「デジタルフレンドリー推進事業」の主要施策)


通信環境|町内全域に光回線通信網敷設(令和2年度中に完了)
通信端末|希望する全ての世帯へのタブレット端末無償貸与(配布率73%)
サービス|都農町公式ホームページとしてデータ連携基盤導入
サポート|町内全44地区を年4回程度巡回する講習会開催と常設・無償・予約不要のITヘルプデスク開設(ヘルプデスク利用者は月100名程度)

 主要施策のうち、特に「サポート」に関する取組みは対外的にも高くご評価いただき、2021年度グッドデザイン賞「グッドデザイン・ベスト100」への選出や、2021年デジタル社会推進賞奨励賞の受賞につながりました。

2. 課題|少子高齢化・急激な人口減少の中でもヘルスケア領域(医療・介護・保健・福祉)の各サービスを維持する
 都農町の人口は10,272人(令和4年1月1日時点)、高齢化率は38.74%で、過疎地域に指定されており、今後30年間で人口は約半減すると予測されています。また、1人あたりの医療費は県内最安で全国平均を下回っていますが、近年は年々上昇しており、全国平均に近付きつつあります。全国的な人材・人手不足で、町内でもヘルスケア領域の担い手が不足する中、町民1人ひとりの健康寿命を延ばし、かつ、専門職人材の負担を軽減する施策が求められていました。

3. 契機|マイナンバーカード申請率の急上昇(令和3年11月末時点で43.03%から令和4年12月末時点で85.03%へ)
 都農町は町内でデジタル活用推進を図るには、まずはより多くの町民がデジタル活用に対応できる状況をつくり出すことが必要と考え、デジタルデバイド対策に力を入れてきました。
 マイナンバーカードについて、令和4年度に入って、令和4年度末までにほぼ全国民に行き渡ることを目指す取組みが国全体で強化される中、都農町も町民への普及率100%を目指し、様々な施策を展開しました。
 町民の皆さんのご理解・ご協力の結果、令和4年12月末時点で申請率は85.03%に達し、1年前と比較して、ほぼ倍増させることに成功しました。成功の要因は複数考えられますが、普及促進にあたった現場からは、デジタルフレンドリー推進事業に取り組んでいたおかげで、日々色濃くなって行くデジタル社会を生きていく為に必要なものとして、マイナンバーカードの交付への理解を得やすくなったという声も聞かれました。

4. デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)「マイナンバーカード横展開事例創出型(通称:TYPE-X)」の実行計画で実装するサービス
 1,2の背景や課題を踏まえ、町民幸福度の向上に資する具体的なサービスとして、下記のサービスの実装に取組みます。
 なお、データ連携基盤の改修にあたる(1)以外のサービスについては、いずれも令和3年4月より稼働しているデータ連携基盤(都農町公式ホームページ「都農ページ」)への接続を行います。都農町では令和3年の稼働開始後、基盤の上にサービスを付加する機会を模索してきましたが、今回それが実現することになりました。今回の基盤へのサービスの付加をきっかけに、他分野への拡充も図ってまいります。

(1) データ連携基盤へのマイナンバーカードを用いる認証機能の追加(アクセンチュア株式会社及びxID株式会社提供)
 データ連携基盤にマイナンバーカードを活用した本人確認の認証基盤として、デジタルIDアプリ「xID」を組込みます。
 初回登録時にマイナンバーカードを用いてIDを作成し、2回目以降はスマートフォン等の端末が具備する生体認証機能等を用いることで、マイナンバーカードが手元になくても、「レベル2」以上の本人確認認証レベルを担保し、当人認証を求められるシーンにも、データ連携基盤のIDを活用できるようにします。

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(図2:認証基盤の実装イメージ)

(2) 在宅ケア支援アプリ「ケアエール」及びケアエールフレンズ制度(SOMPOケア株式会社提供・慶應義塾大学協力)
 本人や家族、ヘルパー・ケアマネージャー等の専門職人材が、日々の出来事やバイタルデータを共有すると共に、互いに応援し合える在宅ケア支援アプリ「ケアエール」を活用し、障がいや病気、介護等、ケアが必要になっても安心して暮らし続けられる仕組みを目指します。
 従来、家族や専門職人材に限ることの多かった、ケアを受ける個人のタイムライン(ルーム)に、研修を受けた町民が「ケアエールフレンズ」として、アプリを介して本人に寄り添いながらケアに参加する仕組みを構築します。
 「ケアエール」の活用と「ケアエールフレンズ」の仕組みの構築にあたり、慶應義塾大学健康マネジメント研究科堀田聰子教授に「ケアエール」上で蓄積されていくデータを基にした町民のウェルビーイング分析と「ケアエールフレンズ」養成の為のコミュニケーション研修の実施を委託します。

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(図3:ケアエール及びケアエールフレンズのサービスイメージ)

(3) 脳の健康アプリ「脳にいいアプリ」(株式会社ベスプラ提供・山川義徳(一般社団法人ブレインインパクト理事長・京都大学経営管理大学院ブレインヘルスケア・ビジネスエコシステム寄附講座特命教授)協力)
 アプリを用いて歩数や脳トレ結果、脳にいい食品目の摂取といった健康行動の支援を行い、この行動記録から脳の健康管理指標である「BHQ(Brain Healthcare Quotient)」を推定、アプリ上で利用者にフィードバックします。このフィードバックに加え、さらに利用者の健康行動を支援する為に、利用者IDにマイナンバーカードで本人認証をしたデータ連携基盤IDを用いることで、BHQの数値改善に応じて地域ポイントの発行を行います。
 また、交付金対象となる実行計画に加えて、都農町独自で予算を編成し、BHQの推定精度向上の為、アプリの一部の利用者を対象に、MRIによるBHQの実測を3年間行います。
 アプリの効果的な活用と、BHQ推定精度の向上、また都農町独自に行うMRIの画像解析を、京都大学経営管理大学院ブレインヘルスケア・ビジネスエコシステム寄附講座の山川義徳特命教授に委託します。

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(図4:脳にいいアプリのサービスイメージ)

(4) 医療情報アプリ「ヘルスケアパスポート」(TIS株式会社提供・宮崎大学医学部地域包括ケア・総合診療医学講座協力)
 町民が日常生活の中で記録した健康情報を都農町国民健康保険病院の診療に活用することから、PHR・EHRとしての活用を始めると共に、医療機関・マイナポータル・ウェアラブル端末の情報を、今回導入する他のヘルスケアサービス群に連携します。
 医療保険情報取得APIを活用し、マイナポータルから自己情報(特定健診・薬剤情報)を収集する他、ヘルスケアサービス群を利用する町民の一部に貸与するウェアラブル端末からバイタルデータを収集することにも活用します。
 都農町国民健康保険病院での活用にあたり、同病院の院長を務める、宮崎大学医学部地域包括ケア・総合診療医学講座の桐ヶ谷大淳教授をはじめ、同講座と連携して事業を推進します。

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(図5:ヘルスケアパスポートのサービスイメージ)

(5) 地域ポイントアプリ「リージョナルスーパーアプリケーション」(フェリカポケットマーケティング株式会社提供)
 都農町ではこれまで、電子地域通貨と言われるサービスは導入されていませんでしたが、今回の交付金を活用して、ヘルスケアサービス群の利用と地域内消費を促すことを目的に地域ポイントアプリを導入します。
 町内の小売店・飲食店等の実店舗で支払いに利用できるのはもちろん、データ連携基盤に接続されたサービス(アプリ)の利用に合わせてポイントを付与する仕組みを構築し、各サービスの利用を促す仕掛けとします。

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(図6:リージョナルスーパーアプリケーションのサービスイメージ)

(6) データ連携基盤(都市OS基盤)改修・プロジェクト進行支援(アクセンチュア株式会社提供)
 これまで展開してきた町民のポータルページ「都農ページ」で保有している地域IDとxIDとの連携にかかる都市OSの基盤改修を行うほか、今回構築される各企業のサービスについて、これらIDをキーとしたデータ連携の仕組みを構築します。

5. 実施体制|「ふるさと納税」寄附金を原資に、100%都農町の拠出で設立された「(一財)つの未来まちづくり推進機構」が推進事務局を務める
 都農町は「ふるさと納税」制度の活用に力を入れ、令和元年に「ふるさと納税」制度で集まった寄附金を原資に、中長期的な視点に立ち、産官学連携によるまちづくりを推進する組織として「(一財)つの未来まちづくり推進機構」を設立しました。
 今回の取組みの下地となる「デジタルフレンドリー推進事業」も同機構が事務局を担ってきたことから、都農町と各サービスを提供いただく企業・協力いただく学術機関との間をつなぐ存在として、同機構に事務局業務を委託します。
 また、同機構において、宮崎県のデジタル戦略アドバイザーを務める井上英幸氏と行動経済学を専門とする明治大学情報コミュニケーション学部後藤晶専任講師に助言を求め、PDCAの確実な実行、ウェルビーイング指標を用いた事業評価を行います。

【本件に関するお問合せ】
(一財)つの未来まちづくり推進機構(担当:原島)
Mail:info@bunmei-tsuno.com
TEL:0983-32-1270
※お問合せへの正確な回答の為、できるだけメールでのお問合せをお願いいたします。

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