2023年5月19日
PwCコンサルティング合同会社
PwCコンサルティング、「生成AIに関する実態調査2023」を公開
生成AIの認知度は半数に満たず
認知層における活用意向は肯定的だが、ビジネスでの取り組みは進まず
生成AIの技術的可能性に基づいた、具体的なユースケース創出が急務
PwCコンサルティング合同会社(東京都千代田区、代表執行役CEO:大竹 伸明、以下「PwCコンサルティング」)は5月19日、「生成AIに関する実態調査2023~加速する生成AIブームとビジネスシーンの実情:ユースケース創出が急務~」を公開しました。
テキストの添削や要約、プログラム、画像、動画、音声の生成など、従来のAI技術では不可能だったことを可能にする生成AI(Generative AI)技術の誕生で、さまざまなビジネスが影響を受けることが予測されています。また、一部の業種・職種は生成AIによって代替されるといった見解も出てきています。本調査は、急速に世の中の関心を集めている生成AIに関して、日本国内の企業・組織および従業員自身がどのように捉えているのか、その実態を把握することを目的に実施しました。日本国内の企業・組織に所属する方に、生成AIに対する認知や関心、ビジネスへの影響、業務代替の可能性などを中心に問い、1,081件の有効回答を得ました。
本調査結果のハイライトは以下です。
1. 過半数(54%)が生成AIをまだ認知していない
2. 認知層は生成AI活用に対して肯定的だが、実際の取り組みは進んでいない
3. 一従業員の立場からは生成AIによる業務代替を歓迎する一方、代替の度合いは部分的にとどまるという見解が多数派
4. 生成AIを知らないグループを除くと、生成AIへの活用意欲に満ちたグループが23%で多いものの、各グループに特徴的にみられる業種・職種における、具体的なユースケースイメージの有無に関しては状況が異なる
5. 高度事務作業領域への活用イメージが高い一方で、専門知識や経験ノウハウを要する業務への活用イメージが低い
PwCコンサルティング 執行役員 パートナー 三善心平のコメント
黎明期にある生成AI技術を、ビジネス課題解決に向けてどのように業務に取り入れビジネス変革していくか、企業は迅速に検討するだけではなく同時に試行することが求められます。生成AI活用により、企業のDX推進は一足飛びに発展する可能性があります。そのためにはトップダウンでユースケースを検討することも大事ですが、まずは技術的可能性を知り、具体的なイメージを持つために実際に触ってみて、その中から生まれてくるアイデアを具現化することが非常に重要です。また、従来のAIブームは企業主導であったのに対し、ここ数カ月間の生成AIへの急激な関心の高まりは、個人主導であることが大きな特徴です。さまざまな活用アイデアが日々生まれていることから、社会変革への影響や社会課題解決を想定した活用を念頭に、企業として目指す姿を検討することも有意義ではないかと考えます。
調査結果ハイライト
1. 過半数(54%)が生成AIをまだ認知していない
連日、生成AIに関する動きが報じられる中、生成AIに対する認知や関心は日本全体でも高まっていると感じられる一方、今回の調査では、過半数(54%)が生成AIを全く認知していないと回答。実態との乖離が浮き彫りとなりました。
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図1:生成AIに対する認知度合い
2. 認知層は生成AI活用に対して肯定的だが、実際の取り組みは進んでいない
認知層に限定した場合、生成AI活用に対する関心があると回答した方は60%、また、生成AIを自社にとってのビジネスチャンスと捉える層(47%)が脅威と捉える層(9%)の5倍に達しており、活用に関しては前向き傾向にあることがわかりました。ただし、予算化や案件推進など具体的な取り組みを開始していると回答した方は8%にとどまります。
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図2:生成AI活用への関心/自社への影響/関連取り組みの推進状況
3. 一従業員の立場からは生成AIによる業務代替を歓迎する一方、代替の度合いは部分的にとどまるという見解が多数派
同様に認知層に限定した場合、一従業員として、業務で生成AIを利用したいと回答した方は53%、また、業務代替をポジティブに捉えている層は59%と、ともに過半数に達した。想定している代替の度合いとしては業務の半分以下と回答した方が多く(59%)、生成AIによる業務代替は部分的なものにとどまるという見解が多数派でした。
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図3:生成AIの業務での活用意欲と業務代替に対する見解
4. 生成AIを知らないグループを除くと、生成AIへの活用意欲に満ちたグループが23%で多いものの、各グループに特徴的にみられる業種・職種における、具体的なユースケースイメージの有無に関しては状況が異なる
質問への回答を変数にクラスタリングを実施し、5つのグループに分類したところ、生成AIに対する認知・関心と、生成AIへのポジネガイメージで傾向が分かれました。生成AIと親和性の高い業種や職種では、生成AIの活用に関心が高いことがわかり、一方、生成AIと業務との関連を実感できていなかったり、断片的な知識で生成AIに対して不安が先行してしまったりしている層においては、生成AI活用の具体的なイメージや、生成AIが技術的に可能とすることへの正しい理解を促進する必要があると考えられます。
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図4.1:生成AIへの認知/関心とポジネガが異なる5つのグループ
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図4.2:5つのグループで特徴的な業種・職種
5. 高度事務作業領域への活用イメージが高い一方で、専門知識や経験ノウハウを要する業務への活用イメージが低い
業種・職種ごとに生成AIの具体的ユースケースを創出し、実業務での活用を通じた技術的可能性および人間と生成AIの役割を明確化することが、早期の生成AIの活用促進に効果的と考えられます。
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調査概要
調査目的: 企業における生成AIの認知・関心・活用検討状況の実態および業務代替の可能性などを把握する
調査方法: 調査会社を活用したWeb調査
調査期間: 2023年3月31日~4月3日
調査対象: 日本国内の企業・組織に所属する従業員
有効回答: 1,081件
ダウンロード先URL:
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PwC Japanグループは、生成AIの専門タスクフォースを組成し、本年4月より生成AIコンサルティングサービスを提供しています。生成AIが産業にもたらす大きな変革への企業対応を支援し、新しい働き方の創造/日本の社会・産業構造の発展に貢献します。
以上
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