--SuperStreamの今後の方向性を聞かせてください。
SuperStreamは、現在第3世代に入っています。まず1995年に最初のバージョンが発表され、2000年問題にまで対応した「SuperStream GLシリーズ」。次に、1999年に発表されたクライアント/サーバ(C/S)ベースの「SuperStream-COREシリーズ」。そして現在、取り組んでいるのが、SuperStream-CoreシリーズをベースとしたSOA(サービス指向アーキテクチャ)対応です。
SuperStream-COREシリーズは、現在バージョン3が提供されています。SuperStream-CORE Version 3.0(V3)は、クライアント配布コストの低減、高い操作性と表現力の実現、さまざまなシステム環境への対応、SOA対応を見据えたアプリケーション機能のWebサービス化が特長の製品です。
V3は、最終的なSOA対応に行き着くまでの通過点であり、すべての製品群がSOA対応されるのは2010年くらいになるのではないかと思っています。
--今後の販売戦略を聞かせてください。
パートナー経由の間接販売というスタンスは変わりませんが、たとえば生産管理の専門ベンダーとアライアンスを組み、彼らのチャネルで販売する仕組みを実現したいと思っています。
これまでは、財務会計、人事給与の案件に対して我々の販売代理店が提供していたものが、生産管理や販売管理などに対して販売店から上がってきた案件に対して我々が対応するというケースが増えているからです。生産管理や販売管理などは、「外資系製品ではうまくいかない」と思っているユーザーが多いようなのです。
これは持論ですが、販売管理は、事業規模が小さければ小さいほど必須のアプリケーションだと思っています。逆に、事業規模が大きくなればなるほど、生産管理が必須になります。今後は、標準化すべきものと専門化すべきものを明確にすることが必要になるでしょう。
--2006年8月に「MIJS(Made In Japan Software)コンソーシアム」の立ち上げに参加されましたがこの経緯は?
OracleやSAPなどの外資系大手アプリケーションベンダーは、アプリケーション製品を提供しながらそれらをつなぐためのミドルウェア製品も開発しています。こうした傾向は外資系企業では顕著ですが、日本企業にはこのような文化がありませんでした。
そこで、「日本企業が開発した製品同士がシームレスに連携できるような環境を作りましょう」というのがMIJSコンソーシアムを立ち上げる発端でした。
たとえば、アプレッソのEAI製品やウイングアークの帳票出力製品などで、フロントエンドであるサイボーズのポータル製品とバックエンドである我々のアプリケーションが、アダプタなどを開発しなくてもつながる世界を目指しています。
こうした世界が実現できないと、外資系製品とは勝負ができません。これがMIJSコンソーシアムが生まれた背景です。ただ、外資系の日本法人も参加したいという話しがあるので、外資系の日本法人にどのように参加してもらうことが効果的かを検討するのが今後の課題です。
--2007年に向けての展望をお願いします。
2007年は、まず日本版SOX法というキーワードを挙げることができると思います。2006年11月に、金融庁から「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(公開草案)」が公開されたこともあり、いよいよ多くの企業が内部統制への対応に本腰を入れることになるでしょう。
SuperStreamでは、実務ベースで監査を受けたときに問題が起こらないような機能的な対応はもちろん、製品そのもののソースコードを公開したり、「SuperStream内部統制用ドキュメント(仮称)」を提供するなどの対応方針を発表しています。
後は、2007年問題への対応でしょうか……。
2007年は、いわゆる2007年問題と呼ばれている「団塊世代の労働力が失われたときに、レガシーシステムをどうするのか」という問題が本格化するでしょう。このとき、レガシーマイグレーションではなく、レガシーリプレースで対応することが重要だと考えています。この考えは、2000年問題と言われていたときも全く同じでした。
SSJのミッションは、「レガシーシステムを置き換えることができる製品をきちんと提供する」ということです。ですから今後もこのミッションを徹底して行うだけです。