また日本BPM協会では、対象プロセスの成熟度に合せ5段階のプロセス成熟度モデルを設定している。BPMを白紙から始める場合、ビジネスプロセスが定義されて標準化されている状態の「レベル3」を目指すのがよいと岩田氏はアドバイスする。それを足がかりに、次のレベル4では、業務効率のモニタリングができるようになり、さらにレベル5になると、測定自体が組織全体で行われている状態にまでBPMが成熟していくことになる。
BPM推進センターを立ち上げよう
加えて、このフレームワークとともに、BPM推進の組織体制作りも重要な要件となる。継続的に業務改革を行うためには、業務プロセスをガバナンス(統治、管理)することが求められ、各現業部門を束ねる組織が不可欠だ。
まず、情報システム部門とは別に、BPM推進センター(BPM Center on Excellence;BPM推進専門集団)を設置し、BPMをどのように進めていくべきかを絶えず研究し、そのプロセスの標準化とガバナンスの作業を実施していく。
具体的には、情シスから改革意識の高い担当者を選抜してセンターに送り込むとともに、現業部門からも同様に担当者を参加させることで、全く新しい組織作りをする。そこで最初にやるべきことは、初期の変革プロジェクトを手がけ、必ず成功裏に納めること。それがその後に続く変革プロジェクトの命運を左右する試金石となるからだ。
また同時に、経営層からのコミットメントも取り付けておく必要がある。そのため、BPMの運営委員会を立ち上げ、この中に経営者もしくはCIOが参加して、BPM推進関係者とともに絶えず企業としての業務改革を進めるべきかどうかを判断する組織体制を構築しておくことが重要となる。
以上、今回はBPMの進め方についての一例を紹介した。次回はBPM実現に不可欠とされるSOA(サービス指向アーキテクチャ)の役割と、それを活用したアプローチについて述べる。