SAPジャパンは12月3日、ビジネスプロセスマネジメントソリューションの新製品「SAP NetWeaver Business Process Management(BPM)」を発表した。12月18日から提供が開始される。同製品は、2008年5月のユーザーカンファレンス「SAPPHIRE」で製品発表されていたもの。
SAP NetWeaver BPMは、統合開発環境である SAP NetWeaver Composition Environment(CE)のコンポーネントとして提供される。モデリング環境は、Eclipseベースのグラフィカルなツール。表記法としてBPMN(Business Process Modeling Notation)を採用することによって、業務部門とIT部門が同じ環境で業務プロセスの設計から実装までを行えるという。これによって、業務部門の要求と実装との食い違いを避けると同時に実装までのタイムラグを最小化し、ビジネス展開のスピード、柔軟性、品質を改善できるという。
また、SAP自身が提供するNetWeaver Enterprise Service Repository(ESR)をはじめとするUDDI準拠のサービスレジストリを利用することで、SAPの提供する130以上のエンタープライズサービス(業務部品)やサードパーティ、および独自の開発による各種サービスを、スピーディーにビジネスプロセスにマッピングすることが可能。起案や承認といった人が行うタスクだけでなく、SOA基盤上で利用できるサービスを連携し、人によるタスクとシステム間のやり取りを統合しての設計、実装、実行が可能という。先行導入ユーザーとしては、コカ・コーラのドイツ法人の事例がある。セールスプロモーションイベントでのクルーの調達プロセスの設計と実装に同製品を利用し、期間短縮を実現したという。
またSAPは、NetWeaver BPMの提供と合わせて「SAP Netweaver Business Rules Management(BRM)」の提供を開始する。BRMでは、決済権限など、社内で規定されたビジネスルールの管理が可能。BPMとBRMの連携により、環境変化に対応可能な業務プロセス管理と、遵守すべき業務ルールの管理を統合開発できる。
そのほか、SAPでは、SAPコンサルタント、開発者、システム管理者向けのオンラインコミュニティサイト「SAP Community Network」の日本人向けサービスの開始(12月3日より)や、新たな認定コンサルタントである「Business Process Expert」育成のためのトレーニングコースおよび認定制度を開始(12月8日から)するなどの施策を発表。顧客およびパートナーとの関係強化によって、SOAをベースとしたビジネスプロセスプラットフォームの一層の普及を目指す。