安全な環境下で実現できるライトなコミュニケーション--バリューコマースのChatter導入奮闘記 - (page 2)

井村禎章

2010-12-03 12:00

 また、ビジネスとは直接関係のないコミュニケーションも増えてきた。片岸氏が実際にプライベートでPCの購入を検討したときに体験した例を紹介しよう。片岸氏はPCの検討にあたって、どこのメーカーのどんな機種がいいか、使用したいシーンと共にChatterでつぶやいてみた。すると、各PCメーカーの担当営業から顧客の製品情報がすぐに送られてきたという。

 「営業担当者は、当然自分の担当メーカーの商品を薦めてくる。メールで聞くほどではなくても、社内に投げかければ情報が集まるであろうケースにChatterは最適。営業スタッフとのコミュニケーションが増えた」(片岸氏)。こうした例が増えるに従い、社員同士の精神的な距離が近くなり、コミュニケーションが円滑になってくるのだろう。

より多くの社員にChatterを活用してほしい

鈴木氏 バリューコマース オペレーション部 オペレーションチーム マネージャー 鈴木由利氏

 Chatterの導入から半年余り。上記のような成功例はあるものの、まだ全員が積極的に使っているという状態には達していない。同社 オペレーション部 オペレーションチーム マネージャーの鈴木由利氏は、「ユーザーを、使う人と見ている人、そして全く使わない人に分けると、見ている人が最も多いのが現状」と明かす。とはいえ、将来を悲観してはいない。社員に「無理矢理使わされている」と感じてもらいたくないという理由から、時間をかけてゆっくりと浸透させていきたい考えがあるためだ。

 鈴木氏がChatterを使って業務連絡すると、Chatter上にコメントが付かなくても、業務内容に反映されて返ってくることがあるという。そういうときに、“見ている人”の存在を実感できるというわけだ。

 「かつては、IMを使わずメールで十分という人もいた。今でも少数ながらそのような人はいるので、彼らが発想を変えてくれるまである程度の時間が必要だ。Chatterの“ゆるさ”を便利に感じてくれるまで、試行錯誤しつつさまざまな角度から取り組みを続けたい」(片岸氏)

 現在SalesforceおよびChatterの利用はほぼ営業部門に限られているが、営業現場と情報を共有したいというニーズから、Salesforceを利用していない部門からもChatterを使いたいという声が出てきている。そこで、同社は低額なライセンスコストでChatterと一部機能だけを使える「Chatter Edition」を20ライセンス導入。一部の部署が、Chatterを利用したコミュニケーションに加わることになった。

 片岸氏は、「Chatterを使ってより多くの社員に最新情報を共有してもらいたい。そのため、他部門での導入も検討したい」と将来を展望している。

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