データサイエンティスト講座

分析結果を可視化するグラフ--その用途と注意点(前編) - (page 2)

伊藤徹郎(ALBERT)

2014-04-02 07:30

棒グラフ

 棒グラフは非常によく使われているグラフの1つで、量の大小を比較する際に用いられます。使い方などについては割愛をしますが、棒グラフにはとんでもない落とし穴が存在します。下記の2つのグラフはまったく同じデータを棒グラフで表現したものです。


 左の図はA、B、Cともにそこまで大きな差ではないように見えます。一方、右の図ではCが極端に下がっているような印象を受けるのではないでしょうか。これは縦軸の数値に仕掛けがあります。左の図では、原点が0ですが、右図では8000が原点となっています。右の図のように原点が0でないグラフには、このような視覚効果が働いてしまいますので、使う際も確認する際も十分に注意したほうがよいでしょう。

円グラフ

 円グラフも棒グラフと並んで、よく使われるグラフです。全体における構成比を表す際によく用いられます。円グラフでも注意しなければならない点があります。下記の2つを見てください。


 ある2つのサービスの年齢構成比を円グラフで表したものです。これを見ると、AもBも同様の比率であり、同じようなユーザー構成であると思いがちです。しかし、この円グラフの構成している実数が下記のような数値だったらどうでしょうか。


 比率としては全く同じなのですが、母数を見ると、Bの方がずっと影響力の強いサービスであることが分かるでしょ う。このように、円グラフを用いて比率で議論することは非常に重要なのですが、元々の集団の母数について意識する必要があります。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]