最後にNoSQLはビッグデータの観点からも重要です。以前から“パフォーマンス”“スケーラビリティ”“フレキシビリティ”のビッグデータの分析はHadoopが担ってきました。
しかしながら、最近のビジネスシーンでは、Hadoopの得意とするバッチ処理的な考え方ではなく、リアルタイム分析を大量のデータを保持しつつ、瞬時に処理するということを要求され始めています。 既存のRDBでは多くの時間と天文学的な価格になってしまうようなものをNoSQLはその数分の一から数十分の一の時間と価格で実現できるでしょう。
ビッグデータ処理が、NoSQLを世に出したAmazonやGoogle、Facebookのような会社だけのものと考えているのであれば、それは大間違いです。彼らがこれらの問題に直面し解決策を見出したのはすでに数年前です。
現在は、ほとんどの企業がインターネット、そしてモバイル端末、データでビジネスを展開しています。「ビジネスが発展する=データ量が増える」とまで言われている現代のビジネスにおいて、データの量は指数関数的に増えています。
インターネットの世界でAmazonやGoogle、Facebookといった会社が3~5年前に直面した問題にすべての企業が少なからずここ数年で直面していく事になるでしょう。その時はNoSQLにすべきか、RDBでやるべきか? という話ではなく、どのNoSQLを利用するのか? ということを考えなくてはいけないという時代にすでになっていることでしょう。
それでは、次回からの各オープンソースのNoSQLの徹底研究を楽しみにしてください
- 原沢滋(はらさわ・しげる)
- DataStax
- OracleやNetezzaの技術者としてRDB業界を渡り歩き、現在はNoSQLのApache Cassandraをビジネス展開する米DataStaxの日本オフィス開設に奔走中
- 最近の一番の興味は4月21日開催の「Cassandra Summit Tokyo, 2015」の企画と開催