AWSが圧倒、MSやグーグル健闘--ガートナーによるIaaS市場の各社評価 - (page 2)

Jack Schofield (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-06-04 06:30

 GoogleはIaaS(「Compute Engine」)とPaaS(「App Engine」)の両方のクラウドサービスを提供している。しかし、Gartnerのサマリーによると、「Googleは、テクノロジ中心の企業にとって非常に魅力的な存在だが、まだ企業や中間市場の顧客との関わり合い方を学んでいる初歩の段階におり、販売とソリューションエンジニアリング、サポートの能力を高める必要がある」という。さらに、「Googleには、従来のワークロードをクラウドに移行させたい企業にとって重要なさまざまな能力も不足している」とGartnerは警告している。

 IBMSoftLayerの買収によって、IaaS事業を拡大させることに成功した。しかし、Gartnerによると、SoftLayerは「主にMode 2の顧客(具体的には、ベアメタル型の専用ホスティングに強い関心を持つ新興企業やゲーミング企業)に売れていたという。「SoftLayerの買収以降、IBMはMode 1の顧客獲得への取り組みを強化しているが、SoftLayerはMode 2の顧客のニーズをより良く満たしている」(同サマリー)。また、「IBMのPaaS(『Bluemix』)はSoftLayerのデータセンターでホストされているが、それらの製品は統合されていない」とGartnerは指摘する。

 さらに、「(Gartnerの評価に基づけば)SoftLayerはクラウドIaaS市場シェアをけん引しているわけではなく、市場リーダーに匹敵する規模も備えていない。大規模な展開を想定している顧客は、IBMがそれらの特定のデータセンターで必要なキャパシティを有していること、そして、自分たちがクラウドモデルでそのキャパシティを入手できることを確認すべきだ」とGartnerは警告する。

 VMware(ストレージ企業のEMCが所有する)は仮想化の市場リーダーであり、そのことがIaaS製品(現在は「vCloud Air」と呼ばれている)につながった。既にVMwareに投資しているIT部門は、vCloud Airに魅力を感じるだろう。しかし、Gartnerは、「クラウドIaaSソーシングに関する意思決定者であることが多いビジネスマネージャーやアプリケーション開発リーダーに対するvCloud Airの訴求力は、限定的なものだ」としている。もっと悪いことに、「企業内でvCloud Airを支持する可能性が最も高いのは、(中略)多くの場合、企業がクラウドIaaSに移行することによって、避けようとしている人々でもある」(同サマリー)

 IaaSに関するGartnerの完全なレポートには、膨大な量の情報が含まれており(無料で公開されているサマリーでさえ約2万語の分量だ)、クラウドサービスの購入を検討している人が参考にする価値は十分にある。しかし、「クラウドストレージプロバイダー、PaaSプロバイダー、Software as a Service(SaaS)プロバイダー、クラウドサービスブローカー(CSB)、そのほかのあらゆる種類のクラウドサービスプロバイダーは対象に含まれない」ことには注意する必要がある。Gartnerは同社が「クラウド対応システムインフラストラクチャ(CESI)」と呼ぶものについて、別にレポートをまとめている。CESIには、「マネージドホスティング、データセンターアウトソーシング、そのほかのITアウトソーシングサービスといったさまざまな形態が含まれる」。

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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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