レポート:ユーザーエクスペリエンスやセキュリティ向上に貢献するネットワーキングソリューション「Citrix NetScaler」―― シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社

IoT時代へ向けたソリューション「NetScaler ADC」

 NetScaler製品群のうちアプリケーション配信および負荷分散機能を担う「NetScaler ADC」は、物理/仮想/コンテナなど多彩な形態で提供されている高機能アプリケーション配信コントローラ(ADC)だ。非常に幅広いアプリケーションやプロトコルに対応し、強力な負荷分散やセキュリティを実現する。

 このNetScaler ADCについて、今回のブースではIoTへの対応状況や、それらを総合したIoTへ向けたコンセプト「NetScaler Secure Event Delivery Controller」を紹介した。IoTデバイスは爆発的に増えつつある反面、その通信におけるセキュリティや負荷分散の課題も顕在化しつつあるが、そこにも本製品が役立てるというものだ。

 例えば、メッセージ転送の負荷分散やSSL処理オフロード、デバイス認証やアイデンティティ管理、DDoS防御などといった機能は、IoT技術を実運用していく上で重要なポイントとなるが、これらをNetScaler ADCに任せることでアプリケーション開発を効率化できる。また、前述のNetScaler MASも、IoT環境全体を高度に可視化することに役立ち、全体の管理を強化することが可能となる。IoTアプリケーションはWebベースのアプリケーションとは少し違った特性を持つ部分もあるが、その特性への対応も進められているという。Citrixは欧州での自動車IoT技術実証にも関わるなどして、こうした経験も積んでいる。

NetScalerアプライアンスを一元管理できる「NetScaler MAS」

 NetScalerは、物理アプライアンスまたは仮想アプライアンスの形態で提供されている製品群。アプリケーションデリバリーやリモートアクセスゲートウェイ、アプリケーションファイアウォールなどの機能を実装した製品がラインアップされている。

 そのNetScalerアプライアンスを一元管理できるのが、仮想アプライアンスとして提供されている「NetScaler Management and Analytics(NetScaler MAS)」だ。

 本製品は、対象となる全てのNetScalerアプライアンスから情報を収集し、その全体および個々の状況を分析・可視化することができる。例えばトラフィックについては個別アプリケーションごとの分析が可能で、デスクトップ仮想化製品Citrix XenDesktopなどに用いられているHDXテクノロジーに用いられているICAプロトコルを詳細に分析できるあたりはCitrixならではと言えよう。そのレイテンシなどを詳しく見ていくことで、VDI環境におけるエンドユーザーのエクスペリエンスを確認し、改善につなげていくことも可能となる。また、アプリケーションサーバー側についても個々のヘルスチェックが可能で、こうした情報も改善に役立てられる。本製品は機械学習技術を取り入れた「Advanced Analytics」機能も搭載、サーバーやクライアントが通常と異なる挙動を示した際に素早く認識することができる。

 セキュリティ関連では、例えば環境全体で使われているSSL証明書の全てを一元管理することも可能だ。ハッシュアルゴリズムや暗号強度が適切かどうかを把握したり、有効期限をチェックすることで更新忘れを防げるほか、実際の利用状況も把握できるため使われていない証明書を破棄するなどといった効率化にも役立つ。さらに、Webアプリケーションファイアウォール「NetScaler AppFirewall」が導入されている環境においては、そこで検知した攻撃も可視化することができる。

 また、NetScalerに対する管理はNetScaler MAS側の管理画面から一元的に実行できるだけでなく、個別のアプリケーション管理者などに向けて一部の機能だけを抽出した専用画面を用意し、権限を委譲するといったことも可能だ。こうした様々な管理操作はジョブテンプレートとして記録・実行することができ、その中の必要な部分を変数化することで繰り返し実行も容易にできる。手動実行だけでなく自動実行や定期的な反復実行、さらにイベントに紐付けての自動実行ができ、セキュリティアラートに応じた自動対処などが可能だ。NetScaler MASでは、NetScaler製品群のほか一般的なサーバーやクラウド環境、コンテナ環境など幅広く対応しており、これらをオーケストレーションしての管理を行うこともできる(REST型APIを通じて外部オーケストレーションシステムとの統合にも対応)。

Citrix Cloudを活用したクラウドサービスで導入の迅速化、管理者の生産性向上も

 一方、Citrixは、XenDesktopをはじめとするCitrixワークスペース機能をクラウドベースで提供する取り組み「Citrix Cloud」も進めている。これまで、XenDesktopをはじめとする同社の製品はオンプレミス環境を基本としていたが、クラウドサービスとして利用できるようになればユーザーにとっての敷居を下げることにつながる。Citrixでは、クラウドを組み合わせた利用環境として「ワークロードをクラウド(IaaS)に置き、オンプレミスのサーバーから管理する」「ワークロードも管理機能もIaaS上に置く」「Citrix Cloudを利用する」という3つのシナリオを考えているという。3つ目のCitrix Cloudなら、IT部門が管理しなければならないのはワークロードに関する部分のみとなり、ユーザー組織は素早く、シンプルに、柔軟に、安全に、Citrix製品の機能を活用できるとしている。

 なお、現時点でCitrix Cloudとして提供されているのは、XenDesktopやXenAppのサービスで、近くXenMobileやShareFileもサービス化され、包括的なWorkspace Serviceを提供していく予定だ。またマイクロソフトとのアライアンスを通じて、Microsoft Azure Marketplaceから購入できるシンプルなサービスプラン「XenDesktop /XenApp Essentials」も用意されている。

 今回のCitrixブースには、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)の代表格でもある「Nutanix」も出展していた。NutanixはCitrixのグローバルパートナーであり、両社は開発レベルからの深い協力関係を持つ。オンプレミスにVDI環境を設置したい/しなければならないユーザー企業も少なくない中では、NutanixのようなHCIをベースとすることで従来型のシステム基盤に比べてシステム設計や構築・運用の負担が格段に軽減される。Nutanixのインフラは、XenDesktopなどのVDI基盤としても適しているというわけだ。

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