サーバはITインフラを駆動するエンジンへと進化 「更新サイクルの短縮」がビジネスを大きくドライブする

サーバはITインフラを駆動するエンジンへと進化
「更新サイクルの短縮」がビジネスを大きくドライブする

デジタル化の流れが加速するなか、新しいビジネスが次々と生まれている。新興企業だけでなく、老舗企業もテクノロジーを駆使した新ビジネスを展開し活況だ。そんななか存在感を高めているのが「サーバ」だ。サーバはいまやストレージ機器やネットワーク機器にもなる重要インフラだ。現状はどうなっていて将来はどうなるのか。ノークリサーチ シニアアナリストの岩上由高氏と、Dell EMC 執行役員 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部長の上原宏氏が対談した。

AI、ドローン、RPA…テクノロジーを武器にグングン成長する国内企業


株式会社ノークリサーチ
シニアアナリスト
岩上 由高氏

岩上氏:ノークリサーチは今年「ユーザーはいま何に関心があるのか」について調査を行いました。ワークスタイル変革、AI、IoT、RPA(※)、ドローンなどのキーワードについて聞いたのですが、それらに対する関心を深掘りしていくとある共通項が見つかりました。それは、いずれの取り組みでもサーバやコンピューティングのリソースが重視されているということです。

※ RPA: ロボティクス・プロセス・オートメーション

 例えば、ワークスタイル変革で定形作業をRPAなどで自動化しようとAIによる処理が必要になります。ドローンの空撮データから測量するならディープラーニングによる画像分析が必要です。いずれも、GPUなどを活用したサーバ上での高い演算能力が求められるのです。

上原氏:そうですね。AIやドローンと言うとSFの世界を想像してしまいがちですが、実際の企業の現場では活用がかなり進んでいます。大きな理由はテクノロジーの進化です。道具が揃ってきて以前はできなかったことが10分の1のコストに加え、10倍の速さ(スピード)でできるようになりました。AIやドローンへの応用が急速に進み、作業のオートメーションの流れも加速しました。それによって、エンジニアなどの労働人口の減少に対応できるようになっています。

 裏を返すと、こうした2つのトレンドのなかで取り組みを進めようとすると、性能を担保するにはどうしたらよいか、サーバをどうするかという問題に突き当たるようになった。業務効率や生産性の向上のカギとしてサーバが存在するようになったのです。

岩上氏:その2つはまさにクルマの両輪だと思います。人手不足という意味では、例えばDevOpsのように、いかに効率化し素早くサービスをリリースするかという取り組みがさかんです。一方で、それを実現するためのコンテナや自動化ツールといったテクノロジーが成熟してきました。データ分析などの分野でもかつては「人手がかかってもとりあえず貯めておけ」だったものが、今は「ツールを効率的に使ってデータをうまく生かせ」になりました。

 そうしたケースは新サービス開発や管理運用を含めてさまざまだと思うのですが、Dell EMCさんの場合はどのような事例がありますか。

上原氏:業種も業態も多岐にわたっていますね。例えば、物流倉庫で配送ロボットを使って最適配置を行っている事業者様、ユーザーが投稿されるレストランでの料理の写真をディープラーニングで分類整理しているオンライングルメサービス事業者様、ドローンを活用して災害現場の情報提供をしている地理情報サービス事業者様、興味深いのは、先進的なサービスを開始しているお客さまほどITインフラや最新テクノロジーに積極的に投資している点です。そしてビジネスも非常に成長している。新しい取り組みを支えるためには新しいテクノロジーが欠かせなくなったと言ってもいいでしょう。 加えて、ITの役割がこれまでのように守るだけではなく、攻めの用途で活用されになった証だと言えると思います。


【図】ユーザー調査で関心が高い「ワークスタイル変革」「AI」「RPA」「ドローン」

「サーバ更新サイクルの短縮化」が大幅なコスト削減と収益拡大を生む

岩上氏:テクノロジーが新ビジネスに欠かせないという考えは、ユーザー調査にも表れています。新しい取り組みというとパブリッククラウドを使って行うというイメージがあると思いますが、実際はそうでもないんです。ノークリサーチの調査では「今年オンプレミスのサーバ環境を変える」という回答は38.3%に達しました。これはかなりの割合です。ここからは、パブリッククラウドだけでなくオンプレミスのサーバに積極的に投資して新しい取り組みを行おうとしていると読み取れます。

 注目したいのは、サーバ更新のタイミングです。かつてのように5~8年でサーバをリプレースしているわけではなく、ビジネス環境に合わせて投資する傾向がでてきているのです。

上原氏:サーバ買い替えのタイミングが変わってきたというのはまさに同感です。OSの切り替えや保守サポートの期限切れでのリプレースは当然ありますが、さきほどの事例のように外的要因にかかわらず投資するケースがぐっと増えてきました。


Dell EMC 執行役員
インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部長
上原 宏氏

 IDCの試算では、5~8年で更新しているサーバを3年間で刷新した場合、59%のTCO削減が見込めるそうです。最近のGPU、FPGAやNVMe、NVDIMM(不揮発性メモリ)などの技術動向を見てもわかるようにテクノロジーの進化は早い。初期投資分は1年で回収できるほどです。

岩上氏:私もよくユーザー企業に対して「これからは必要に迫られてインフラを入れ替えるのではなく、ポジティブに入れ替えていくことが大切です。それがビジネスにもプラスになります」とアドバイスしています。新しいサーバは処理性能の向上はもちろん、運用管理性がとても高いので、ランニングコストを大幅に抑えることができます。

 また、SDSやSDNのようにサーバだけでITインフラを構築できるようになってきました。サーバの更新サイクルを早めるだけで、インフラ全体でさまざまなメリットを得られるようになります。

上原氏:Dell EMCが新たに投入した第14世代PowerEdgeサーバでは、製品キーワードに「岩盤(bedrock)」を掲げています。モダンデータセンターを支える堅牢な地盤であり、そのうえでさまざまなサービスを展開できるような設計を施したという意味です。高価なストレージ専用機を用意しなくてもソフトウェアデファインド技術でSDSを構成することができます。もちろん、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)の基盤になることもできますし、ネットワーク機器として構成することもできます。

 そういう意味では、サーバの役割がここにきて大きく変わってきたのだと思っています。サーバの語源は何かをサーブする、提供するという意味ですが、今は何をするかを定義するのはソフトウェアです。サーバはむしろ、インフラを稼働するために欠かせないエンジンになってきたと考えています。

【図】第14世代Dell EMC PowerEdgeのポイント
【図】第14世代Dell EMC PowerEdgeのポイント

「サーバ=エンジン」時代を見据えた継続的な投資が重要に

岩上氏:サーバが汎用的なコンポーネントになり、ソフトウェアによって柔軟に定義されるようになったことで、よりサーバの質が問われるようになったのですね。エンジンの質が良ければよりスピードははやくなるし、できることも増える。一方、質が悪ければインフラ全体に悪い影響がでてしまう。

上原氏:おっしゃる通りです。サーバはスマートフォンのようなものです。スマートフォンは、電話として使う人、SNSに使う人、音楽や動画再生に使う人、万歩計に使う人といったように、用途がソフトウェアによって定義されています。スマートフォンの価値は、使いたい用途をいかにスムーズに実現できるかどうか。同じようにサーバもインフラを駆動させるエンジンとしての役割が問われるようになった。

岩上氏:その意味では、新しいサーバに一度切り替えればいいという話でもありませんね。スケーラビリティや柔軟性、ビジネスへの適用などを考慮して、継続的したサイクルを回していくことが重要になってきます。

上原氏:はい。お客様もそのことには気づかれていて、クラウドファーストでクラウドを活用する一方、ビジネスをドライブするための根幹となるITインフラはまだ手元に置いて運用しているケースが増えています。そこで特徴的なことは、サーバの購買単価が上がっていること。今までよりも上位の機種が選定されるケースが増えています。

 どういうことかというと、今後のインフラ基盤の展開を見据えて、最初にいいものを持ってそこから拡張していくようになった。そうしないと今後のビジネスやITのスピードについていけないと理解されているわけです。

岩上氏:スマートフォンで言えば、これから動画視聴やAI音声入力、電子マネーといった機能をよく使うようになるだろうから、それを見越してよい品質の端末を選ぼうとするといった購買行動と似ていますね。そう言えば、役割が変わりつつあるのにスマートフォンを"フォン"と呼ぶのも、サーブすることが役割でなくなりつつある機器を"サーバ"と呼ぶのと似ています。

上原氏:うまいことを言いますね(笑)。実際「サーバ」と言う言葉は、今は「コンピュート」に言い換えられ始めていますよね。サーバの役割は確実に変わってきています。第14世代Dell EMC PowerEdgeサーバでも、そうした役割の変化に対応するさまざまな機能強化が図られています。GPU、FPGAやNVMe、NVDIMMなどへの対応だけでなく、管理面では、iDRAC(Dell Remote Access Controller)が大きく強化され、運用負荷を削減します。

【図】第14世代Dell EMC PowerEdge 数々のシステム管理イノベーション
【図】第14世代Dell EMC PowerEdge 数々のシステム管理イノベーション

充実したラインアップと盤石のサポート体制でユーザーを支援

岩上氏:ビジネスニーズや環境変化に即した買い替えをすることが重要だとして、いまDell EMCが力を入れていることを教えていただけますか。

上原氏:やはりビジネスの拡大をいかにサポートできるかという点が最も重要です。Dell EMCでは、大きく5つのポイントで導入を支援しています。販売体制、パートナーとの連携、技術検証施設の充実、運用コストを軽減するサポート、多様なニーズに対応する提供形態です。

 販売については、サーバ案件の見積もりや構成支援のための専任組織が対応します。運用コストを軽減するためにリモートサポートを実現する「SupportAssist」と担当エンジニアが対応する「ProSupport Plus」の組み合わせによる障害予測検知により障害の発生そのものを減らす取り組みを行っています。あまり知られていないのですが、法人企業向けの保守サポートも正社員のコールセンター要員が川崎のグローバルコマンドセンターに約100名、宮崎のカスタマーセンター約500名という陣容で対応し、また、全国200か所の保守サービス拠点からオンサイト保守サービスも提供しています。

岩上氏:われわれの調査で、独立系SIerがベンダー選定で重視している点として毎回上位につける項目に「規模に応じたラインアップが充実しているか」があります。例えばHCI(ハイパーコンバージドインフラ)のラインアップを見た場合、DellEMCでは2ノードから大規模環境まで複数の製品が存在します。規模に合った製品提供という点ではこの調査結果で求められているニーズとも合致しています。


【図】ベンダ/クラウド事業者について評価している点

上原氏:そうですね。統合によってラインアップはより充実しました。三田にあるDell EMC 東京カスタマーソリューションセンター(CSC)では、サーバやストレージ製品も含めて、1つのグループとして製品を検証できる体制を整えています。PoCによって顧客環境での最適なパフォーマンスを提供することができます。またサーバやストレージの製品開発でも、ISG(Infrastructure Solutions Group)という同じビジネスユニットで行っていますから、互換性の確認などもスムーズです。

岩上氏:ビジネススピードがはやくなっているので、PoCに半年かけただけで致命的な遅れにつながることすらあります。豊富なラインアップを備え、スムーズな導入だけでなく、適切なコストで適切なITライフサイクルを回していくことまでサポートしてくれることをユーザー企業は求めています。サーバを軸にそうした顧客課題に応えるための取り組みをDellEMCとして進めているわけですね。

上原氏:導入や開発の期間を短縮してスピーディーにサービスをリリースできるようにすることはユーザーから非常に望まれていることです。サーバの意味あいが変わってくるなかで、ユーザー企業の賢い投資を助け、ビジネスを強力に支援していきたいと思います。

提供:デル株式会社
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