オールフラッシュ・ストレージがデータ管理のあり方を変える

企業ストレージ・システムの世界では、オールフラッシュ・ストレージを前提にそのメリットを企業情報システムに最大限に活かそうとする取り組みが本格化しつつある。企業においてオールフラッシュ・ストレージがどのような役割を担い、企業にどのような価値を創出させようとしているのか。このほどオールフラッシュ・ミッドレンジ・ストレージの新製品を投入し、オールフラッシュ戦略を積極的に推進するDell EMCのストレージ担当者に話を聞いた。

オールフラッシュ・ストレージのメリット
高速処理だけでなくTCO削減にも寄与

 SSDをストレージ・システムに活用するメリットは、高速処理や省電力、耐衝撃性などの点からも疑う余地はない。しかし、これまで企業の多くは、主にSSDの導入コストが高いという理由で、より安価なHDDが混在するハイブリッド・ストレージの導入を余儀なくされてきた。しかし、SSDの性能向上や低価格化が進み、データの重複排除や圧縮、階層化などの技術が進展するにしたがって、すべてのメディアをSSDで構成するオールフラッシュ・ストレージのメリットに改めて注目が集まっている。オールフラッシュ・ストレージは、従来のハイブリッド・ストレージでは実現することができなかったいくつものメリットを提供してくれるからだ。


EMCジャパン
プライマリストレージ事業本部
製品SE部 部長
森山輝彦氏

 オールフラッシュ・ストレージのメリットについて、EMCジャパンのプライマリストレージ事業本部 製品SE部長 森山輝彦氏は、「ハイブリッド・ストレージの場合、オールフラッシュ・ストレージと比較して、設計や運用管理が複雑になることがある。また、やはりSSDと比較してHDDは経年劣化等による交換率は高くなる傾向があるため、その対応に運用コストがかかるという問題もある。一方、高価なイメージのあったオールフラッシュ・ストレージは、重複排除や圧縮の機能を使ってデータ量を大幅に削減できるほか、階層化などの管理も容易にできるため、トータルで見ると、むしろオールフラッシュのほうがTCOを低く抑えることができる」と解説する。

 実際のところストレージアレイ市場では、オールフラッシュ・ストレージアレイが右肩上がりで拡大し続けている。調査会社IDCによると、オールフラシュ・ストレージアレイは2020年にハイブリッド・ストレージアレイの全世界の売上金額に並び、ストレージアレイ全体の43%を占めるようになると予想している。

 Dell EMCはミッドレンジ・ストレージアレイとしてインテル® Xeon® プロセッサーを搭載した「Dell EMC SC」と「Dell EMC Unity」という2つのシリーズを提供しているが、オールフラッシュ・ポートフォリオの強化に向け、2017年11月に、SCシリーズの新しいオールフラッシュアレイ「SC5020F」および「SC7020F」を発表するとともに、UnityのOSをオールフラッシュ強化版の新バージョン4.3へとアップデートすることを発表した。また、両シリーズのユーザーのための新たな保証プログラム「Future-Proof Storage Loyalty Program」も発表している。

 Dell EMCでは、ストレージアレイのアーキテクチャについて、シングル・アクティブ・コントローラ搭載のアレイを「タイプ1」、デュアル・アクティブ・コントローラ搭載のユニファイド対応アレイを「タイプ2」、デュアル・アクティブ・コントローラを搭載したアレイをフェデレーション機能で複数統合できる「タイプ3」、多重アクティブ・コントローラを搭載できるアレイでスケールアップとスケールアウトを実現する「タイプ4」に分類している。ミッドレンジ・ストレージアレイのUnityはタイプ2、同じくSCはタイプ3に位置づけられている。


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フェデレーションと階層化技術で
SCオールフラッシュの価値を高める

 SCシリーズは階層化を前提に開発されたミッドレンジ ストレージアレイ。今回発表された新モデルはオールフラッシュに特化し、そのメリットを最大化させている。

 その大きな特徴の1つは、フェデレーション機能を使って最大10台のアレイを統合的に管理できることにある。組み込み型ストレージ・ハイパーバイザーでホストからアレイへの何千にもわたるボリューム・マッピングを仮想化して管理できる。プロセス全体が自動化されているため、ストレージに変更を加えても、構成を再マッピングする必要はまったくない。また、別のアレイにボリュームを移動する作業もポイント・アンド・クリック操作だけで行うことができ、その間もワークロードの実行が途切れる心配はない。

 フェデレーション環境においては、アレイ間のシームレスなボリュームの移動を可能とするLive Migrate機能、連携クラスタ全体をプロアクティブに監視し、オンライン・ロード・バランシングを実現するVolume Advisor機能、別のアレイ上の同期ボリューム間の自動フェールオーバーによりオンライン・ディザスタ・リカバリーを実現するLive Volume Auto Failover機能を利用することができる。

 管理ツールについては、一元管理およびモニタリング機能を提供する「Dell Storage Manager」が提供されるほか、組み込み型機械学習テクノロジーにより異常を予測するSaaSベースの分析ツール「CloudIQ」と、モダンなルック&フィールを採用し、場所を選ばないアクセスを実現するHTML-5ベースの管理ツール「Unisphere for SC」が2018年上半期に提供される予定だ。重複排除や圧縮も重要な機能だ。階層化の機能と組み合わせて利用することにより、容量単価を大幅に引き下げることができる。

 SCシリーズの既存モデルでは、別途ライセンスを必要とするソフトウェアもあったが、新しいオールフラッシュ・モデルでは、高度な機能も含めて必要なすべての機能がオールインワン ソフトウェア ライセンスで提供されるようになった。その中には、Live Volumeやリモート・インスタント・リプレイ(同期/非同期レプリケーション)などの機能も含まれている。

 新モデルでは、どの程度のパフォーマンスと記憶容量を実現できるのだろうか。アレイ1台の場合、IO処理性能は最大で39万9千IOPS、記憶容量は最大で3PBを実現する。また、アレイを10台接続したフェデレーション環境では、最大390万IOPS、記憶容量は最大30PBを実現する。実際に、読み取り70%/書き込み30%のOLTPタイプのワークロードでパフォーマンステストを行ったところ、SC5020Fで最大25万5千IOPS、SC7020Fで最大27万IOPSの処理性能を実現したという。

 では、SCシリーズではそもそもデータをどのように管理しているのだろうか。アレイでは、サーバから見えるボリュームは、小さなページ(デフォルトサイズは2MB、選択肢として512KBと4MB)で分割されて管理され、この中に、「どこのディスクに書いた」、「どこのディスクから削除した」といったメタデータを持たせることにより、データの管理を行っている。また、従来型ストレージでは、ディスク単位でRAIDグループを作成し、そのRAIDグループからボリュームを切り出していた。しかし、SCシリーズの場合は、そもそもディスク単位でRAIDグループは作成せず、すべてのディスクを単一の仮想ストレージプールとして扱い、ボリュームを作る際に、例えば、「書き込みはRAID10で、読み出しはRAID5ですべての階層のディスクを使いなさい」といったポリシーを決めて運用する仮想RAIDを実現している。


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デル
プライマリストレージ事業本部
シニア システム エンジニア
山田祐輔氏

 また、SSD間の階層化をサポートしているのもSCシリーズの特徴の1つである。相対的に書込性能・書込耐性が高く、容量が小さいWrite Intensive SSD(SLCやeMLC)と、相対的に書込性能・書込耐性が低く、容量が大きいRead Intensive SSD(MLとTLC)の間で階層化を行うことによって、処理を効率化することができる。デルのプライマリストレージ事業本部でシニアシステムエンジニアを務める山田祐輔氏は、SSD間の階層化のメリットについて、「他社のストレージアレイの多くでサポートされているのはSSDとHDDの階層化だが、SCシリーズではSSD間の階層化を実現している。オールフラッシュアレイにおいても、媒体の階層化機能とRAID階層化の機能は、容量・性能・価格のよいバランスを実現する鍵になる」と強調する。

インテル® Xeon® プロセッサー

Intel、インテル、Intel ロゴ、Xeon、Xeon Inside は、アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporation またはその子会社の商標です。

会社名 Dell EMC
TEL 0120-413-021 / 0120-800-498

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