Exadataから脱却し、柔軟性と拡張性を獲得したSBI証券 基幹システムのオープン化の先に見据える金融ITビジネスの未来とは

SBIグループで金融IT戦略の中核を担うシステム会社SBI BITSがOracle Exadataからオープンシステムへの移行プロジェクトを完遂した。対象システムは、アプリ250本、対象バッチ8000本という SBI証券の24時間稼働が必須な証券取引向け基幹システムだ。成功のカギは「信頼性の高いソリューション」「スキルとノウハウの内製化」「企業間コラボレーション」だ。プロジェクト担当者に話を聞いた。

Exadataから脱却し"オープン"な環境へ!

 SBIグループにおける金融IT戦略の要として2015年に設立されたSBI BITS。設立年は浅いものの、実際には北尾吉孝氏率いるSBIホールディングスと、ネット証券で20年超の実績を持つSBI証券とを親会社に持ち、金融IT業界の先頭を常に走ってきた業界のトップリーダーだ。

 主な事業は、SBIグループ向けのソフトウェア開発、インフラ最適化、ネットワークサービス、データセンターサービス、データベースサービス、Fintechコンサルティングなど。従業員は332名で、六本木、香港、大連に構えたオフィスは40を超える国々の社員が働くインターナショナルな環境だ。そこでグローバル標準に沿ったITのスキルやノウハウが高度に実践されている。

菅原康之氏
SBI証券
開発推進部 DC移設推進室長
菅原康之氏

 SBI証券の開発推進部 DC移設推進室長の菅原康之氏は、SBI BITS設立の経緯について「これまで運用や保守を外部のSIer、ベンダーに依存していました。その弊害がコストや品質のバラツキとなって表れていました。今後の展開を考えると、開発から運用保守までを内製化し、高い柔軟性と拡張性を確保する必要がある。そのミッションをやり遂げるため、スキルや経験を持った人材を世界中から集めて作られたのがSBI BITSです」と説明する。

 そんなSBI BITSが総力を挙げて取り組んでいるのが基幹システムの"オープン標準化"だ。手始めにPTS(Proprietary Trading System)を運営するSBIジャパンネクスト証券の取引システムを内製化。その実績をもとに、グループの中核事業の1つであるSBI証券の取引システムの基盤刷新に着手した。具体的には、オラクルの「Oracle Exadata Database Machine」(以下、Exadata)上で稼働していた取引向け基幹システムを、Dell EMCのSC9000ストレージ(旧称: Compellent)とインテル® Xeon® プロセッサー搭載の4ソケットサーバ PowerEdge R930で置き換えたのだ。

 確かにExadataであれば、コントロールされたクローズドな環境で圧倒的な性能を叩き出すことが可能だ。とはいえ性能だけに頼りきってしまえば、ビジネス拡大にあわせてシステムコストも増加する可能性があるし、柔軟性も失いかねない。そうした判断があって、同製品をDell EMCのオープン標準な技術と製品で置き換え、柔軟で拡張性の高いシステムアーキテクチャに刷新したのだ。

移行対象は24時間稼働の証券取引向け基幹システム

 SBIグループはどのようにしてExadataから脱却し、新時代のビジネスを支えるオープンな基盤を手に入れたのか。移行プロジェクトを担当したのは情報技術部 データコンサルティングのチームだ。

 プロジェクトのリーダーであるチーフデータオフィサー(CDO)の盛 鈞白(レイ)氏は、証券取引向け基幹システムの基盤刷新のポイントについて「SBI証券は夜間取引も行っていてシステムは24時間365日稼働しています。システムを止めないままどう環境を移行するか、Exadataほどのパフォーマンスをどう達成するかが大きな課題でした。また移行後も、システムの信頼性をきちんと担保し、データ保護やバックアップ運用、DRの効率化などに対応する必要があります。これらの課題に対処するため、各領域の精鋭を集め、Dell EMCのサポートチームとともに取り組んでいきました」と話す。

盛 鈞白氏
SBI BITS
情報技術部データコンサルティング
チーフデータオフィサー
盛 鈞白氏

 移行プロジェクトは、対象アプリケーションが250本、対象バッチが8000本、関連メンバーが80名という規模だ。2016年半ばから検討を行い、2017年初めにシステム構築を開始、同年12月にカットオーバーするというスケジュールで進行した。

 レイ氏は、Dell EMC SC9000ストレージとPowerEdgeサーバを採用した理由について「別のプロジェクトで前世代のDell EMC SC8000ストレージを導入した経験があったため社内にノウハウがありました。そのときのDell EMCのOptimizeサービスというストレージ向けサービスの中で提供されるリモートサポートの対応が速く、よい印象を持っていました。また、SC9000ストレージで大幅な機能強化が図られ、Exadataの機能を代替できる見通しも立ちました。実際のところ、Dell EMC以外の選択肢は考えられなかったのです」と振り返る。

Exadataの圧倒的な性能は代替できるのか?


SBI BITS
情報技術部データコンサルティング
シニアデータベースアドミニストレーター
尹 鳳雲氏

 取引システムのデータは「Oracle Data Guard」を使ってDRサイトにレプリケーションされていた。常に稼働している本番システムに直接手を入れることはできないので、DRサイトのデータを使って移行テストを実施した。テストで大きな課題になったのは、Exadata並のパフォーマンスをどのように実現するかだった。

 パフォーマンステストを担当したシニアデータベースアドミニストレーター(DBA)の尹 鳳雲(ボノ)氏は「Exadataの処理性能の高さを実現する技術の1つにSmart Scanがあります。インデックスを張らずに大きいテーブルのフルスキャンをしても高速に結果を返す仕組みですが、これはExadata独自の機能であり、Dell EMC SCシリーズストレージのようなオープンな環境では利用することができません。そのため、パフォーマンス劣化の原因となるクエリーを見つけ、それをすべてチューニングすることにしました」と解決に向けたアプローチを解説する。

朴 成培氏
SBI BITS 情報技術部
データコンサルティング
データベースアドミニストレーター
朴 成培氏

 具体的には、Oracle Real Application Testing(RAT)機能を利用して本番データベースの24時間に実行されるすべてのクエリーを検証環境で再現。その結果を比較して、性能が劣化するクエリーを見つけ、1つ1つチューニングを施していった。ボノ氏とともにテストを担当したDBAの朴 成培(パク)氏は「Dell EMCには、ストレステストとDell EMC Live Optics(旧DPACK)というストレージ性能分析ツールによるレポート作成などで協力頂きました。Exadataからの移行という難しい取り組みのなか非常に助かりました」とDell EMCのサポートチームを評価する。最終的にこのアプローチが正解だった。地道なチューニングと細かなテストを繰り返したことで、Exadataと同等の性能を達成できるようになったのだ。

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提供:Dell EMC
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